三菱UFJ、リテール攻勢へ総合金融アプリ デジタル銀も計画

 5月27日、三菱UFJフィナンシャル・グループは、個人向けの新たな総合金融サービスの提供を6月から開始すると発表した。写真は、同グループ本社前。2018年4月、都内で撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 27日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T), opens new tabは27日、個人向けの新たな総合金融サービスの提供を6月から開始すると発表した。出遅れていたリテール分野の反転攻勢に向け、銀行アプリを刷新し、新たなポイントアッププログラムも導入する。

サービスの名前は「エムット」で、銀行サービスに加え、カード、証券、決済などの機能をワンストップで利用できるようにする。

同社はまた、2026年度後半の開業を目指し、全く新しいコンセプトのデジタルバンクを立ち上げる計画も発表した。

リテール分野では「金利ある世界」の到来で粘着性のある預金の重要性が増す中、決済性資金の獲得競争が激しくなっている。三井住友フィナンシャルグループ(8316.T), opens new tabが総合金融サービス「Olive」の提供を開始し、想定を上回る早さで会員数を伸ばしている。
金融の垣根を超えた協業も進み、三井住友FGは三井住友カードを通じてソフトバンク(9434.T), opens new tabと包括提携したほか、みずほフィナンシャルグループ(8411.T), opens new tabは楽天グループ(4755.T), opens new tabとの連携を深め「経済圏」を拡大している。

亀澤宏規社長は会見で「強みは銀行。銀行のアプリをゲートウェイにして、いろんなサービスにつなげていく。利便性と利得性が鍵」と述べた。他社との提携については「コアの金融サービス機能はグループ内で保有する。そうしないとなかなかマネタイズは難しい」との考えを示した。

デジタルバンクはネット専業ではなく店舗網や金融のプロのアドバイスも活用できるデジタルとリアルの「いいとこ取り」を目指す。同社は既に三菱UFJeスマート証券やウェルスナビの子会社化により、貯蓄から投資ニーズへの対応力を強化しており、ウェルスナビと共同開発を進めている「マネー・アドバイザリー・プラットフォーム(MAP)」事業を中核機能の一つに位置付け、人工知能(AI)なども活用して顧客に最適な提案を行うとした。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

関連記事: