薪で揚げる山盛りポテト! 冷え切った一皿が繋いだ、ある男との温かい思い出【カンバ通信:第432回】

ジャンボ。やあ、みんな。僕だよ、チャオスだよ。今日はまた別のポテト屋さんについてレポートするね。

今回僕が行ったのは、サザン・バイパス道路沿いにある「ジャネッツ・イン・ホテル(Janet’s inn hotel)」というレストラン。

この店で、とても不思議な出会いがあったので素敵な思い出をシェアしたい。

・薪で揚げる、山盛りのポテト

お店に入ると、大きなショーケースの中にポテトがたくさん入っていた。

店員さんに「ここでポテトを食べたいな」とお願いすると、最初は「うちは持ち帰りのお客さんがメインなんだよ」と言われちゃった。でも、「どうしてもここで食べたいんだ」と伝えたら、快く席に案内してくれたよ。

ただ、店員さんが正直に教えてくれたんだ。

「うちのポテト、今は熱くないんだよ」って。

このお店には電気が通っていないから、温め直すことができないのだと。お昼時に「薪(まき)」を使って一気に揚げてしまうから、時間が経つと冷めちゃうそうな。

・冷たくて不思議な食感

運ばれてきたポテトは、1皿100ケニアシリング(約115円)。

食べてみると……

うん、本当に冷え切っているね。

味もあまりしなくて、なんだか口の中に張り付いちゃうような食感だったよ。正直に言うと、僕にとっては少し食べにくかったんだな。

・まさかの物々交換

僕が苦戦していると、隣で美味しそうにポテトを食べている若い男の人がいたんだ。その人は僕を見て、こう声をかけてくれた。

「もしそのポテトを食べるのが大変なら、僕に譲ってくれないかい? 代わりにソーダをご馳走するよ」

話を聞くと、その人は歯の具合があまり良くないらしくて、「熱いものより、冷たいポテトの方が食べやすくて大好きなんだ」と言うんだ。世の中には色んな好みの人がいるんだね。

僕は喜んでその提案を受けた。彼は僕の分のポテトも、自分の分のポテトも、両方とも美味しそうに平らげてしまった。そして約束通り、僕には1本40ケニアシリング(約46円)のソーダを買ってくれたよ。

冷たいポテトがきっかけで、見知らぬ誰かとランチをシェアすることになるなんて、なんだか面白い午後だった。冷たいポテトが繋いだ不思議な出会い。それは何よりも温かかった。

クワヘリ!

執筆:チャオス(カンバ族) 超訳:GO羽鳥 Photo:RocketNews24.

関連記事: