【衆議院選挙】中道改革連合の重鎮、相次ぎ落選「完敗だ」「甘さが出た」

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立憲民主党と公明党が結成した中道改革連合は、短い選挙戦のなかで党名や政策の浸透に苦戦し、党重鎮が相次いで議席を失った。

奈良1区の中道前職、馬淵澄夫氏(65)は自民党前職に及ばず敗れた。立ち上げ間もない新党で共同選挙対策委員長を務めたが、党勢の浮揚は果たせなかった。

午後8時10分ごろ、奈良市内の集会所で支援者ら約40人と向き合い、「不徳の致すところ。私の思いが伝えられず力不足だった。完敗だ」と頭を下げた。

無党派層への支持が広まらなかった点を敗因に挙げ、「インターネットや動画を通じた訴求力が十分ではなかった」と分析した。結党直後だったため「選挙前には基本政策を確認しただけで、その段階でとどまっているとの批判は免れない」と認めた。

馬淵氏は当選8回で、旧民主党政権の国土交通相も務めた。同区では過去に自民候補と激戦を繰り返してきた。高市早苗首相とは2003年の衆院選で議席を争い、接戦を制した。高市氏はその後、選挙区を奈良2区に移した。

今回の選挙戦では同じ奈良県を地盤とする高市氏への有権者の注目を意識し、「首相を選ぶ人気投票ではない」と主張。中道が掲げる政策をアピールし「社会保険料の負担を減らし、現役世代の手取りを守る」などと訴えてきた。

国交行政などで気脈を通じてきた斉藤鉄夫共同代表らが応援で現地入り。これまで支援を受けてこなかった層への浸透を急いだ。

それでも「チーム高市」のキャッチフレーズを掲げ、高市内閣の文部科学副大臣を務めた実績を掲げる自民前職の勢いにあらがえなかった。

中道の共同幹事長を務める前職、安住淳氏(64)は宮城4区の議席を明け渡すことになった。「集会など地道な活動をやってきたがSNS発信で後れを取ったとの反省がある。認識の甘さが出た」。地元・石巻市のホテルに集まった支援者らに党本部からオンラインで謝罪した。

安住氏は1996年の初当選から30年間にわたって小選挙区で10連勝してきた。旧民主党政権時代には財務相などを歴任。党では幹事長や国会対策委員長などを経験し、与野党の調整役としての地位を確立した。

本領を発揮したのは、衆院解散の直前。安住氏は立憲民主党と公明党による新党結成をしかけたキーマンのひとりだった。

選挙期間中は中道の幹部として、苦戦する各地の候補者の応援で地元を離れる日も多かった。対照的に、対立候補の自民前職、森下千里氏には党の要職が次々と駆けつけ、足元の支持を着実に固めていった。

終盤に入り「森下氏優勢」の見方が強まると、安住氏は応援演説の予定をキャンセルし、地元での選挙戦に注力。最後の2日間は地元を走り回ったが、追いつくことはできなかった。

埼玉5区では中道前職の枝野幸男氏(61)が苦杯をなめた。「高市人気」を背景に支持を伸ばした自民新人の勢いに立民の創設者がのみこまれた。

支援者の前に姿を現した枝野氏は「やれることは全部やった。ただどんな風が吹いてもしっかりと立てる足腰を自分自身が持てていなかった」と選挙戦を振り返った。

枝野氏は93年の衆院選で初当選して以来、通算11回の当選をほこる。旧民主政権では官房長官を務め、2017年には立民を立ち上げて代表に就任。24年の代表選では決選投票で野田佳彦氏に敗れたものの「立民の顔」ともいえる存在だった。

今回、立民と公明が結成した中道から出馬。選挙戦では新党の意義を伝えてきた。

ただ、陣営は従来の支持者への配慮などから公明との選挙協力については慎重な姿勢をとってきた。高い知名度がある枝野氏は各地の中道候補者の応援演説に駆けつけることも多く、地元で街頭演説する機会も限られ苦しい戦いとなった。

自民新人の下には、高市首相をはじめ党幹部らが続々と応援演説に駆けつけた。高市人気を追い風に幅広い層から支持を集めた自民新人に及ばなかった。

三重3区の中道前職で、旧民主党政権で副総理や外相を務めた岡田克也氏(72)も落選が確実となった。岡田氏は報道各社の取材に「ネットを見ている人の支持率が非常に低かった。いろんなデマや批判が含まれていたが十分対応できなかった」と敗因を分析した。

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