火星の「生命の手がかり」 “チェヤヴァ・フォールズ”の拡大画像

【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)

こちらは、火星のジェゼロ・クレーターに流れ込んでいた古い河道「ネレトヴァ渓谷(Neretva Vallis)」の北端で見つかった岩「チェヤヴァ・フォールズ(Cheyava Falls)」の拡大画像です。

NASAの火星探査車Perseveranceの科学チームは2024年7月末の発表で、過去の水環境と有機分子の兆候、そして生命活動・無生物過程のどちらでも説明し得る化学反応の痕跡が、この岩の試料で同時に示唆されたと報告しました。現在わかっているのは「有望な手がかりが重なっている」という点までで、生命の関与を断定できる段階ではありません。

画像中央をよく見てみると、二種類の斑点が見えます。小さくて濃い点は「ポピー・シード(ケシの実:poppy seeds)」、やや大きく縁取りのある斑点を「レパード・スポット(ヒョウ柄:leopard spots)」とチームは呼んでいます。これらは、かつて水を含んだ溶液が岩の内部を行き来し、鉱物が析出して空隙をセメント化したことで生じた可能性があります。さらに、岩を横切る白い筋(主に硫酸塩の脈)も、水が通った通路であったことを物語っています。

この岩から採取された試料は「サンプル番号 25」として管理され、「サファイア・キャニオン(Sapphire Canyon)」と名付けられています。

続報:2025年9月11日に報道向け電話会見予定

サファイア・キャニオンの最新分析について、NASAは日本時間9月11日0時に YouTube公式チャンネル で、専門家による 報道向け電話会見(メディア・テレカン) を実施予定です。

編集/sorae編集部

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