新しいGoogle検索「AIモード」が始まったけど、Geminiとどう使い分けたらいいの?(Google Tales)
Google検索の「AI Mode」(日本では「AIモード」)が、9月3日くらいから、英語設定にした私のアカウントでも利用できるようになっていました。Google I/Oでの発表以来、楽しみにしていたので、さっそく使ってみました。
AIモードは、ざっくり言うと、Googleのリアルタイム情報システム(ナレッジグラフ、実世界の情報、数十億の商品データなど)とGeminiの最先端の機能を組み合わせることで、情報からインテリジェンスへの移行を目指したツール、です。
9月5日には、Google検索担当バイスプレジデントのヘマール・ブダラジュさんによる日本のメディア向けのAIモードの説明会があり、日本語設定でも使えるようになるのは9月9日午前1時からとの公式発表でした。
日本でも英語設定なら使えるようになるという発表は8月21日で、手元で使えるようになったのはその1週間以上あとだったので、日本語設定で使えるようになるのにも少し時間がかかるかもしれません。
今回のGoogle Talesでは、日本で使えている英語版AIモードを使ってみたお話です。
英語版の場合、検索枠の右端に「AI Mode」というボタンが表示されていれば、AIモードが使えます。
▲AI Modeボタン
知りたいことを英語で入力してこのボタンをクリックすると、AIモードで検索結果が表示されます。
クエリも、Geminiとの会話と同じように長い文章で大丈夫です(以下は、「9月9日に関西万博に行くんだけど、お天気はどうですか?」と尋ねた例)。検索結果(というかGeminiによる回答みたいなもの)が表示されます。
▲検索結果例
検索結果ページの上に並ぶ、いつものタブの左端に「AI Mode」が表示されています。このままタブを「All」(日本語版なら「すべて」)などに切り替えると、普通の検索結果が表示されます(この例ではトップに「AI Overview」(「AIによる概要」)が表示されました)。
▲Allタブに切り替えてみた
Googleの説明では、AIモードの回答は主要な情報のスナップショットを分かりやすい形式で提供し、さらに詳細を掘り下げるための多数のリンクを表示する、ということなんですが、上の例がたまたま悪かったのか、リンクは表示されませんでした(AIによる概要では表示された)。段落の最後に小さい鎖アイコンが表示されるんですが、クリックしてもどこにも飛びません。まだ実験段階だからなのかもしれません。米国のメディアなどによると、ちゃんとリンクが表示されているようです。
一部の第三者は、AIモードになると検索からWebへのトラフィックが劇的に減少すると主張していますが、Googleによると、トラフィック全体は安定しており、減少は見られないとのことです。
AIモードでは、Geminiとの会話と同じようにフォローアップの質問もできます。上の例では、いちいち「万博に行くんだけど」と説明せずに、万博会場での注意事項などを質問して、適切な回答をもらえました。
また、マルチモーダルなので、画像をアップロードして質問することもできます。これは普通のGoogle検索ではできないこと。「Googleレンズ」の視覚検索の研究に基づいているのだそうです。
▲この猫の品種はなに?
検索枠のマイクアイコンをクリックすれば声で質問することもできますが、お返事はテキストです。
検索履歴を遡って以前の質問の続きの会話を再開することもできます。Geminiみたい。
なので、「GeminiアプリとGoogle検索のAIモードとの違いは何?」とAIモードとGeminiアプリにそれぞれ尋ねてみました。
AIモードは結構長い説明のあと、「要するに、Geminiアプリは創造的で分析的なパートナーであり、トピックの生成、ブレインストーミング、詳細な調査を行う強力なAIアシスタントです。AIモードはアップグレードされた検索体験で、AIが生成した要約と回答を検索結果に直接提供することで、情報検索をより会話形式で効率的にするものです」というようなまとめを示しました。
一方Geminiくんは、「Geminiアプリは、白紙の状態から何かを生み出したり、対話を重ねて思考を深めたりするための能動的なツールであるのに対し、AIモードは特定の情報を見つけるための検索という行為を効率化し、答えを素早く得るための受動的なツール」だと説明してくれました。うん、こっちの方が分かりやすい。
AIモードは、従来の検索をより速く、分かりやすくするためのツールだけど、ブログを書くときとか、旅行の相談とかをする相手としてはGeminiくんが適任、ということですね。
まだ少ししか使っていませんが、AIモードは便利なので、日本語で使えるようになったらこのタブでの検索が増えそうです。Geminiアプリと同じ「Gemini 2.5」の高度な推論能力を搭載していて、クエリファンアウト技術も使っているということは、データセンターが相当忙しくなりそうです。ブダラジュさんは、25年間の経験と最先端のインフラへの投資により、ユーザーのニーズに最も効率的な方法で対応できると説明していましたが、無料のGoogle検索でみんながAI モードを使ってもコストとか大丈夫なんだろうかとちょっと心配になります。
米国ではAIモードの回答の下に広告を表示するテストが行われているそうです。広告だけで賄えるといいのですが、Google検索でAIモードを使うには要サブスク、とかになったらお財布に響きそうです。