Raspberry Pi 5搭載ポータブルLinux端末「PocketTerm35」が149ドルで発売!USB 3.0もEthernetもそのまま使える
Waveshareから、Raspberry Pi 5を内蔵したポータブルLinuxターミナル「PocketTerm35」が発売されました。3.5インチIPSタッチスクリーンと67キーのQWERTYキーボードを備え、5,000mAhバッテリーで駆動する「持ち歩けるLinux環境」です。Compute Moduleではなく標準のRaspberry Piをそのまま搭載しているため、GigabitEthernetやUSB 3.0といったフルサイズのポートがそのまま使えるのが大きな特徴です。Pi 5モデルは148.99ドルで、この種の完成品デバイスとしては手の出しやすい価格帯に収まっています。
CNCアルミ筐体に標準Raspberry Piを丸ごと収めた設計
PocketTerm35は、Raspberry Pi 5(1GB RAM)またはRaspberry Pi 4(2GB RAM)の標準モデルをそのまま内蔵するという、割り切った設計を採用しています。Compute Moduleを使わない分、本体背面にはRaspberry Piボードの厚みに由来する膨らみが生じ、最薄部で約0.8インチ、最厚部で約1.5インチです。本体サイズは93.5 × 168.5 × 37mm。フロントパネルにはCNC加工のアルミニウムを採用し、背面はプラスチック筐体という構成です。
この「ボードをそのまま入れる」アプローチのメリットは明確で、右側面にはGigabit Ethernetポート、USB 3.0ポート、USB 2.0ポートがそのまま露出しています。ネットワーク設定やUSBデバイスの接続を変換アダプタなしでこなせるのは実用上の大きな利点です。前面にはUSB-C(給電・充電兼用)、3.5mmオーディオジャック、電源ボタンを配置。背面にはスピーカーグリルと、専用のBootボタン・Resetボタンも備えています。
ディスプレイは3.5インチIPS液晶で解像度は640 × 480ピクセル、光学貼合(オプティカルボンディング)処理済みの5点マルチタッチ対応静電容量式パネルです。表面には6H硬度の強化ガラスが貼られています。キーボードは67キーのQWERTY配列シリコンキーボードで、数字キーが独立した6段構成のため、Fnキーとの組み合わせなしに数字を直接入力できます。矢印キーやアクションボタンも備えており、簡易的なゲーム操作にも対応しますが、シリコン素材のキートップはクリック感が控えめと考えられます。
内部ではRP2040マイクロコントローラがキーボード入力、輝度調整、音量制御などの補助機能を担当しています。オーディオは内蔵2Wスピーカーと3.5mmジャックの両方から出力可能です。拡張用のI2Cヘッダーも露出しており、センサー類の接続にも対応します。バッテリーはPH2.0コネクタ経由で最大5,000mAhのリチウムバッテリーを接続でき、UPS方式の電源管理により充電しながらの運用も可能です。
Pi 5モデルが149ドル、Pi 4モデルは180ドル──価格と構成の違い
PocketTerm35には2つのバリエーションがあります。Pi 5モデル(PocketTerm35-Pi5)はRaspberry Pi 5(1GB RAM)と64GB microSDカード、バッテリーが付属して148.99ドル。Pi 4モデル(PocketTerm35-Pi4)は179.99ドルで、Raspberry Pi 4(2GB RAM)を搭載しています。
Pi 5モデルのほうが安い逆転現象が起きていますが、これにはRaspberry Pi各モデルの現行価格が関係しています。2026年2月の値上げを経て、Pi 5の1GBモデルは単体45ドル、Pi 4の2GBモデルは単体55ドルです。ボード単体の価格差は約10ドルですが、製品価格の差は約31ドルあるため、付属するmicroSDカードの容量差や構成の違いも価格に影響していると考えられます。
用途を考えると、ターミナル操作やSSHクライアント、簡易的なコーディング環境としてはPi 5の1GB RAMでも十分に実用的です。一方、ブラウザを開いたりデスクトップ環境を動かしたりする場合は、2GB RAMのPi 4モデルのほうが余裕があるでしょう。なお、Waveshare公式サイトでは複数の構成が用意されている模様で、Gizmochinaによればアクセサリのみのキットも存在するとされていますが、具体的な価格や内容は公式Wikiが未公開のため確認できていません。
149ドルで「ポートが全部使える」完成品は稀少
PocketTerm35は、ClockworkのuConsoleやPiletなど、Raspberry Piベースのハンドヘルド端末が増えるなかで登場した新顔です。特にuConsole(CM4 Liteキットで224ドル)と比較すると、PocketTerm35のPi 5モデルは約149ドルと価格面で大きく下回ります。uConsoleはCompute Module前提でモジュラー設計やバックライト付きキーボードなど洗練された作りが魅力ですが、PocketTerm35は標準ボードをそのまま使うことで、Ethernet直結・USB 3.0フルサイズといったポートの豊富さで差別化しています。そのぶん筐体のコンパクトさでは譲りますが、「道具として使い倒す」方向性が明確です。
Pi 5モデルの約149ドルという価格は、Raspberry Pi 5本体(45ドル)、64GB microSD、5,000mAhバッテリー、CNCアルミ筐体、IPSディスプレイ、キーボードの一式が含まれていることを考えれば、パーツを個別に揃えるよりも割安です。ポータブルなLinux開発環境やサーバー管理端末を探している方、Ethernet直結でネットワーク機器の設定をしたい方にとって、PocketTerm35は有力な候補となるはずです。
出典:Notebookcheck 参考:LinuxGizmos、Gizmochina、Waveshare、Raspberry Pi公式ブログ、CNX Software、ClockworkPi
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