イラン攻撃の危険性忠告していたトランプ氏最側近ら、戦争支持に転換した経緯は(CNN.co.jp)

(CNN) トランプ米大統領が初めてイランとの戦争の可能性を持ち出したとき、特に深刻な懸念のいくつかを示したのはトランプ政権のナンバー2だった。 【映像】米軍、イランの「ドローン空母」を攻撃 外国での戦争を批判し政治家として台頭した元海兵隊員のバンス副大統領は、中東で予測不能な紛争を始める危険性について忠告した。 しかし、それでもトランプ氏が軍事行動に傾いていることが明らかになると、バンス氏は立場を一転。米国の犠牲者を最小限に抑え、イランの先制攻撃を阻止するためには、迅速かつ決定的に攻撃する必要があると主張した。 事情を知る2人によると、副大統領のこの方針転換は、当初ほとんど誰も必須とは見なしていなかった戦争を、最終的に全員が支持するに至ったトランプ氏の最側近らの姿勢を反映している。 トランプ氏が紛争を検討する中で、戦争を強く支持する声の多くはホワイトハウス内部ではなく外部の支持者らから上がっていた。事情に詳しい6人はそう語る。そうした声高な人物たちが、控えめな慎重論をかき消した。 バンス氏に加え、米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長は、イランを攻撃した場合の潜在的な悪影響を説明した。ルビオ国務長官は、1月のベネズエラ急襲の後処理に追われており、当初熱心な関与は示さなかった。ワイルズ大統領首席補佐官は中間選挙に向け国内政策を軸とした政治戦略にここ数カ月注力していた。 こうした不安にもかかわらず、バンス氏をはじめとする高官らは、戦争が避けられないと見るやほぼ抵抗することもなく、先月28日の攻撃の実行に向け奔走した。 「今のホワイトハウスは『ライバルチーム』型ではない。大統領は、異なる政策的立場の者同士に激しい公開討論をさせているわけではない」と、アメリカン・コンサバティブ誌の責任者カート・ミルズ氏は語った。「大統領がノーと言う意思や能力を持っていなかったら、米国は戦争に向かうことになったということだ」 こうした高官らは現在、終着点が見えない戦闘の長期戦略の構築に奔走している。この戦争はトランプ政権にとって、そして一部の人々の政治的野心にとって大きなリスクをはらんでいる。 トランプ氏はここ数日、今回の作戦について軍事的な大成功だと強調しているが、その一方で政権は複数の面で差し迫った課題への対処を迫られている。 国務省では今さらルビオ氏が中東に取り残され脅威にさらされている米国人数千人の避難の指揮を執っている。ヘグセス国防長官率いる国防総省内部では、兵器備蓄や戦争の期間に対する不安が広がっている。 中間選挙が8カ月後に迫る中、バンス氏とワイルズ氏は国内への影響を抑え込もうとしている。トランプ氏の戦争への熱意に不安を抱く支持者らを安心させるとともに、戦争の目的を広く国民に説明し、急騰する石油価格を含め自国経済への影響を抑える新たな方法を模索している。 「ドナルド・トランプが、目的もなく終わりの見えない数年がかりの紛争にこの国を引きずり込むことを許すはずがない」と、バンス氏は先週FOXニュースで強調した。ただし一方では「やや長引く可能性はある。かなり長びく可能性もある」とも認めた。 戦闘開始から1週間が経過しても、戦争の最終的な行方や明確な出口について見通しはほとんど立っていない。 事情を知る関係者によると、トランプ氏の側近らは戦争を比較的短期間にとどめたいという点では一致しており、数カ月ではなく数週間で終わることを望んでいる。最初の攻撃を開始して以降、側近らは政権転換を目標にはしていないと強調。米国が必ずしもコントロールできない状況を勝利の基準に設定することを避けた形だ。 トランプ氏はイラン国民に対し、現政権が弱体化した後に政府を掌握するよう呼びかけているが、それがどのように展開するのか、また新たな指導部が米国にとって以前より友好的になるのかについての確証はほぼない。 その代わりに、バンス氏やルビオ氏らは、より管理可能な軍事目標を定めようとしている。それはイランの当面の兵器能力を破壊し、核兵器開発への進展を事実上排除するというものだ。 しかし軍が全土で標的を拡大している中で、それにどれほどの時間がかかるのかは不透明だ。さらに、米国が指導者不在の状況の管理に何らかの役割を果たす可能性が高いと認識されていることから、目標達成まではさらに長引く可能性もある。トランプ氏は次の政権について発言権を持ちたいと示唆している。 「今後およそ3週間、彼らは大量の物資を攻撃することになる」と政権関係者の1人は語った。「その後は数カ月にわたり、誰が支配を確立するのか、どのようにそれを行うのか、誰が軍を指揮し、どのように協力するかという問題になる」 一方でトランプ氏の側近らは、喫緊の国内問題に直面していた。 石油価格の急騰はすでに米国のガソリン価格にも波及。全国平均の給油価格はここ2年あまりで最高水準に達した。これにより、国民の生活費をめぐり中間選挙の中核としてトランプ氏が掲げていた指標の改善は吹き飛んだ。 ホワイトハウスのロジャース報道官は、トランプ氏とエネルギー担当チームは「石油価格を安定させるための強力な計画を持っており」、あらゆる有望な選択肢を検討していると述べた。高官らは6日までに、イランに接するホルムズ海峡を航行する意思のあるタンカーに政府が保険を提供する計画など、複数の初期措置を発表した。 しかし業界の不安を和らげようとするこうした取り組みにもかかわらず、石油価格は上昇を続けている。市場は、トランプ政権が今後の展開を掌握しているとほとんど信頼していないことがうかがえる。 「政権はこの問題に完全に集中している」と、第1次トランプ政権でエネルギー関連の要職を務めたリチャード・ゴールドバーグ氏は語る。しかし戦争の予測不能な波及効果に高官らが対応しようとする中、「今はある意味、未知の領域に入っている」と指摘した。

CNN.co.jp
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