米英が貿易協定発表、鉄鋼は未解決 トランプ氏「私は英国好き」
[カナナスキス(加アルバータ州) 16日 ロイター] - トランプ米大統領は16日、英国からの輸入品に対する一部関税を正式に引き下げる協定に署名した。両国は正式な貿易協定に向けて作業を続ける。
トランプ氏はカナダ西部アルバータ州カナナスキスで開催した主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)で、スターマー英首相の隣に立ち、「署名し、確定した」とし、英国との関係は「本当に素晴らしい」と述べた。
両国が発表した今回の協定は英国の自動車に対する割当枠と関税率を再確認し、英国の航空宇宙産業に対する関税を撤廃するものだが、鉄鋼とアルミニウムの問題は未解決のままとなった。医薬品など他の重要産業については言及されなかった。
スターマー氏は「両国にとって非常に良い日であり、真の強さの証だ」と語った。
ホワイトハウスが発表した大統領令によると、米国は英国からの鉄鋼・アルミニウム輸入を巡り、25%関税を免除する枠を設ける意向だが、英国が鉄鋼サプライチェーン(供給網)と生産施設の安全を確保することが条件としている。
ホワイトハウスによると、ラトニック商務長官が割当水準を決定する。
両首脳は、英国の自動車メーカーに対し、他国が直面する25%よりも低い10%の関税率で米国に輸出できる年間10万台の割当枠を与える計画を再確認。ホワイトハウスによると、同計画は官報に掲載されてから7日後に発効する。
<英政府「自国の自動車産業にとって大きな勝利」>
英国政府は今回の協定について、自国の航空宇宙産業と自動車産業にとって大きな勝利だと指摘。米国とこのような協定を結んだのは英国だけだと強調した。
英政府によると、両国は牛肉1万3000トンの相互アクセスに合意した一方で、米国からの輸入は英国の厳しい食品安全基準を満たす必要がある。
また、英国の製薬業界にとって「大幅な優遇措置」を確保することに引き続き注力するとした。
トランプ氏は今回の協定によって英国は将来の関税脅威から守られるのかと問われると、「英国は非常に守られている。なぜか分かるか?私が好きだからだ。それが彼らの究極の保護だ」と答えた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab