山盛りビリヤニにとろけるケバブ、インドの美食の都ラクナウへ

「タージ・マハル・ラクナウ」ホテル内にあるレストラン「オウディヤーナ」。宮殿のような空間でペルシャ系の王侯の宮廷料理にルーツを持つ食事を楽しめる。(OUDHYANA)

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 2025年秋、ラクナウはインドでは2番目となるユネスコ食文化創造都市に認定された。海外旅行を楽しむ人にとって混雑したデリーに代わってラクナウを探検するインセンティブとなりそうだ。

期待できる体験

 波形のアーチや繊細な花の漆喰細工で知られるウッタル・プラデーシュ州の州都ラクナウは、18世紀後半以降、ペルシャ系のイスラム王朝の都として栄えた。彼らはここで詩、音楽、建築といった洗練された宮廷文化を育み、新しいエレガントな調理法を編み出した。

 宮廷からは当時入手が困難だったカルダモン、バラ水、サフランで香りづけし、じっくり煮込んだ肉などを使った料理が生まれた。香り、食感、そして調理法が特徴といえる料理だ。

 そんな調理法の1つが「ダム・プクト」。牛肉やラム肉を底の厚い鍋に入れ密封し、弱火でゆっくりと蒸し煮にし、食材の水分だけで柔らかく仕上げる方法だ。この調理法は、アワディ・ビリヤニ(インドの代表的な炊き込みご飯ビリヤニを軽くアレンジしたもの)やニハリ(牛やマトンのすね肉をショウガとカルダモンなどと一緒にじっくりと煮込んだもの、栄養満点の朝ごはんとして食べられることも多い)など、ラクナウの代表的な料理の基礎となっている。

 ほかにガラウティ・ケバブ(円盤状に成型したマトンのひき肉をフライパンで焼いたもの)も名物だ。シールマール(サフランの香りとほのかな甘味が特徴のナンの一種)にもペルシャの影響が感じられる。

 ラクナウ料理を楽しめる場所の1つが、ケバブの屋台や菓子店、スパイス専門店などが狭い路地に所せましと軒を並べ、伝統の味で通行人を誘惑しているチョーク市場だ。チョークへの入り口でもある華やかなアクバリ門のそばには「ラヒームのクルチャ・ニハリ」がある。飾り気のない店だが、1890年の創業以来提供し続けている店と同じ名前のニハリには多くのファンがいる。

 比較的新しい店としては1985年にオープンした「ララ・ビリヤニ」がある。オーナーであるビジャイ・シャンカル・バルマ、通称ララが作るカルダモンで香りづけしたマトン入りの山盛りビリヤニは地元の人々の愛してやまない店の看板料理だ。

 もう1つのにぎやかな市場アミナバードには「プラカーシュ・キー・マシュール・クルフィ」がある。気をつけないと見落としてしまうような小さな店だが、1956年以来、サフランなどで風味付けした牛乳を煮詰めて凍らせた氷菓クルフィを売っている。同じアミナバードにある「トゥンダイ・ケバブ」はラクナウ名物の口に入れた瞬間にとろけるように柔らかいガラウティ・ケバブのいわば同義語だ。

 一方、「タージ・マハル・ラクナウ」ホテル内にあるレストラン「オウディヤーナ」のクリスタルシャンデリアで飾られた宮殿のような空間は、食事をする人々を料理が生まれた古の宮廷へと誘ってくれる。

楽しむ方法

 ラクナウのチョーダリー・チャラン・シン国際空港には、インド国内の主要な都市から直行便がある。空港から旧市街までは16キロ足らず。メトロ、タクシー、ウーバーやオラなどのライドシェアを利用できる。チョークやアミナバードへは、メトロの駅から別の交通手段に乗り換える必要がある(両地区を通る東西線は建設中)。

 街と食の歴史についてより深く知りたければルーバルー・ウォークス社、シークレット・フード・ツアーズ社、ラクナウ・フード・ツアー社を利用するといいだろう。グループツアーに参加することも、プライベートな食事や料理教室を予約することも可能だ。

 ラクナウを訪れるならば10月から3月がいいだろう。暑さも収まり、歴史地区や市場、レストランなどを気持ちよく巡ることができる。4月から6月は非常に暑く、その後にモンスーンの季節が続く。

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文=Karthika Gupta/訳=三好由美子

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