考古学者がエチオピアで世界最古級の「超高層建築」を発見? 紀元前に19階建てだった可能性も

イェハ RudiErnst-shutterstock

エチオピア・エリトリア高原のイェハにあるグラト・ベアル・ギブリ宮殿。約2800年前に建てられたエチオピアの巨大な宮殿だ。

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この宮殿について、ドイツ考古学研究所(DAI)とブランデンブルク工科大学コトブス・ゼンフテンベルク校(BTU)が中心となって進めた共同研究で、この建物が「超高層建築と呼べるほどの規模に達していた」可能性があることが分かった。この宮殿は、当時の南アラビアと東アフリカで知られている宮殿建築の中では最大規模とされ、平面は約60メートル四方を超える広さがある。紀元前800年ごろに建てられたとみられ、「早くも古代のうちに」火災で焼失したと考えられている。BTUによると、現在残っているのは、1階部分と基壇の一部だけだ。南フロリダ大学のダビデ・タナージ教授(古典考古学)は本誌に対し、グラト・ベアル・ギブリ宮殿では、粘土モルタルを使った割石積みの壁を、水平方向に渡した木材で補強する工法が用いられていたと述べた。今回の研究では、宮殿の壁のうち、壁の角と出入口の2か所について仮想的な3Dモデルを作成し、有限要素法(FEM)を使って、どの程度の荷重に耐えられるのかを分析した。歴史学者クワシ・コナドゥは本誌に対し、今回の研究結果によって、粘土の壁と木材、石材を組み合わせ、木製の梁を水平の格子状に配置する工法が、すでにイェハだけでなく、より広いエチオピア・エリトリア高原で確立されていたことが確認されたと述べた。

タナージによると、3Dシミュレーションの結果、この構造には「驚くべき耐荷重性能」があったことが分かった。コナドゥも、この研究は「この建築、建設システムが、現在残っている1階部分から想像される以上の能力を持っていた」ことを示していると説明した。


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コナドゥは、今回の研究が「アフリカの角北部におけるこうした建築システムの起源をアラビアに求める従来の見方」に異議を唱えるものだと述べた。そのうえで、考古学者たちは「この地域に残る多層宮殿、都市住宅、石碑が示すように、記念碑的な建築や地域独自の工学技術には、長い歴史を持つ在地の伝統があったことをすでに指摘している」と説明した。コナドゥは、今回の研究結果について、「約3000年前、アフリカの建築者たちは高さ、材料、荷重を巧みに計算していた」ことを裏付けるものだと述べた。タナージはまた、今回の研究によって、古代の高度な工学技術に対する見方も広がると述べた。これまでこうした議論では、エジプト、メソポタミア、ギリシャ、ローマに焦点が当たることが多かったためだ。タナージは「しかしイェハは、アフリカと南アラビアの建築伝統が交わったエチオ・サバ文化圏にも、同じように高度な伝統が存在していたことを示している」と述べた。BTUで構造解析・構造動力学を担当し、今回の研究を主導したマルティン・ドリースナーは、「構造工学の専門家にとって……現代の土木工学の手法を、2800年前の建造物に直接適用できることは特に興味深い」と述べた。

「これは、数値シミュレーションが、従来の土木工学にとどまらず、幅広い分野で有効な手法であることを示している」

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