「元気です!」復活ラスムッセンがスーパーGT初予選に悔しさ。Q1B組7番手の小山美姫はタイヤ選択を任される

Text:autosport web

 5月3〜4日に富士スピードウェイで開催されている2025スーパーGT第2戦『FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL』。GT300クラスの31号車apr LC500h GTには、開幕戦でステアリングを握った根本悠生と小山美姫に加え、療養していたオリバー・ラスムッセンが復帰。初のスーパーGT予選に臨んだ。

 今季apr LC500h GTに加入したデンマーク人ドライバーのラスムッセンは、3月の参戦するスーパーフォーミュラ開幕大会のフリー走行1回目でデグナーで姿勢を乱してフロントからタイヤバリアに突っ込んでしまい胸椎を骨折。その後の手術とリハビリを経て、今回からふたたびapr LC500h GTをドライブすることになった。

 すでに第2戦富士の現場ではパドックを歩き回っている姿を確認できるラスムッセン。改めて体の状態を聞くと「元気です!」と日本語で語りながら、笑顔でサムズアップを決めた。

 手術とリハビリについても「時間はかかったけど、難しいとかハードな内容だったということはなくて、毎日のように改善を感じることができたから良かった」と言うラスムッセン。apr LC500h GTはおよそ2カ月ぶりのドライブとなり、公式練習で走行したものの、いきなり予選Q2を任されることになった。

 結果としては15番手で終わったラスムッセンのスーパーGT初予選だが「クラッシュから戻ってきてから、レーシングカーに乗ったのは今回が初めてということもあるけど、もう少し上位にいきたかった」と、その部分には悔しさをのぞかせる。

「でも、それは経験だから、あと数回の練習で到達できると思っている。とくに予選Q2は路面が(ラバーグリップが乗って)進化していて、グリップがかなりあったから、クルマを運転していてすごく楽しかった」

 ラスムッセンにとって初のスーパーGTレースとなる決勝に向けては「チームを信頼しているからベストを尽くす。とくに決勝では本当に良いパフォーマンスを見せているから、僕も自分の全力を出して、どこまでいけるか見てみたい」と抱負を語った。

 ちなみに日本語の勉強については、ひらがなは50%くらい読むことができるようになったとのこと。ただ、単語がとっさに出てこないため「もう少し時間が必要かな」と言い、勉強熱心さは変わっていない様子だった。

スーパーGT第2戦富士で復帰したオリバー・ラスムッセン(apr LC500h GT)

 一方、予選Q1を担当した小山によると、apr LC500h GTのQ1担当ドライバーは公式練習の結果をみた金曽裕人監督による判断だったという。また、今回のレースではapr LC500h GTのタイヤ選択に小山の意見が取り入れられており「自分が選んだものだったので、責任と不安がありました」と小山は予選を振り返る。

「いざQ1を走行したら、意外とタイヤとクルマが良い状態で、フィーリングはすごく良かったです。公式練習と予選では路面コンディションが異なるので、そこでアジャストできるか少し不安な部分もありましたけど、順位は悪くなかったと思っています」

 そう語る小山は、今回ポールポジションを獲得することになった777号車D’station Vantage GT3といった強豪が集うQ1B組を7番手で突破。Q2担当のラスムッセンにステアリングを託す任務を完遂させた。

 3時間の決勝レースに向けては「今回は予選一発よりもロングランの調子が良いと感じています。15番手スタートとなりますが、レースペースを大事にして『気づけば上位にいる』を目指して頑張ります」と述べた。

 ラスムッセンと小山、そして第3ドライバーの根本悠生で第2戦富士に臨むapr LC500h GTは、ふたりが言うように安定したペースが武器のはず。3時間レースでその強みを活かせることができるだろうか。

apr LC500h GTのドライバーを務める根本悠生と小山美姫

林紗久羅はやしさくら

2025年 / スーパーフォーミュラ KDDIアンバサダー

関連記事: