高橋一生『岸辺露伴は動かない』撮影を外からこっそり見学「とても幸福な現場」としみじみ|シネマトゥデイ

ベネチアロケを振り返る高橋一生

 俳優の高橋一生が15日、都内で行われた映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』の完成報告会見に出席。主演として作品に出演している高橋だが、自身が出ていないシーンにこっそりと見学に行ったことを明かした。イベントには、高橋のほか、飯豊まりえ玉城ティナ大東駿介井浦新渡辺一貴監督も参加した。

【画像】飯豊まりえ&玉城ティナ、胸元ざっくり美麗ドレスで登場

 荒木飛呂彦の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」から生まれた「岸辺露伴は動かない」シリーズの実写映画化第2弾となる本作。原作のファーストエピソード「懺悔室」をベースに、特殊能力を持つ漫画家・岸辺露伴(高橋)がイタリア・ベネチアで遭遇する奇妙な呪いを描く。

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 全編ベネチアロケを敢行した本作。高橋は「1カ月まるまる、ベネチアでの撮影。荒木先生が書かれたベネチアにエフェクトをかけて臨むことができました」と原作の世界観そのままのロケーションに影響を受けながら、露伴を体現できたという。

 また長期にわたりイタリアに滞在できたことで、普段とは違う感覚も味わえたという高橋。共演者の大東とは、ほぼシーンを共にすることはなかったというが、自分の撮影がオフの日に、大東の“ポップコーン対決”シーンの撮影をこっそりと見学に行ったという。

 大東が演じる水尾は、「幸せの絶頂の時に“絶望”を味わう」という呪いを背負ってしまった役。原作でも人気の高い“ポップコーン対決”のシーンでは「2日間撮影をしたのですが、前後眠れないぐらい大変でした」というぐらい過酷な撮影だったと明かす。

 高橋は「一つの町のなかで撮影が行われているので、泊まっているところから徒歩15分ぐらいで、撮影現場に行けるんです。僕は『岸辺露伴』の現場を外側から客観的に観るということを味わったことがなかったので、後ろの方で、なるべく邪魔にならないようにこっそりと見学していたんです」と説明。

 結局は大東にバレてしまい「一生さんがいらっしゃると知って、気が引き締まりました」と高橋の思惑とは違う形になってしまったというが、高橋は「現場で観ていても世界観は『懺悔室』だった。あらためて僕は、とても幸福な現場で撮影をしているんだなと感じることができました」と大きな経験だったことを明かしていた。(磯部正和)

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』は5月23日より全国公開

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映画初主演作がカンヌへ『見はらし世代』の黒崎煌代

 2023年度後期のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」で俳優デビューを果たした、黒崎煌代(くろさき・こうだい)の初主演映画『見はらし世代』(団塚唯我監督)が、現地時間5月13日から24日にかけて開催される、第78回カンヌ国際映画祭の監督週間に出品されることが発表された。

【画像】朝ドラ「ブギウギ」弟・六郎役だった黒崎煌代

 本作は、再開発が進む東京・渋谷を舞台に、母親の死と残された父親と息子の関係性を描いた作品。「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」にて、短編『遠くへいきたいわ』を監督した団塚唯我のオリジナル脚本による長編デビュー作となる。

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 主人公・蓮を演じる黒崎は、「ブギウギ」で、趣里が演じたヒロイン鈴子の弟・六郎を演じて本格的に俳優デビュー。アフロ主演の『さよなら ほやマン』(2023)で映画デビューを果たし、日本批評家大賞の新人男優賞を受賞している。

 団塚監督は『さよなら ほやマン』にメイキング担当として参加しており、黒崎は、自身のキャリアのスタートにも立ち会っていた監督とのタッグで初主演。「私のキャリアを最初から近くで観ていてくれた団塚監督だからこそ100%の信頼をもって撮影に臨むことができました。映画を好きで本当に良かったです」とコメントを寄せている。

 また、蓮の父親役で遠藤憲一、母親の由美子役で井川遥、姉・恵美役で木竜麻生が出演。遠藤は自分が関わってきた中で一番若いという団塚監督を「人間の考えや行動に対する演技指導は、倍以上生きている私が感銘を受けることばかりだ。みずみずしさと繊細さと深さが共存する現場だった」と称賛。井川も、団塚監督の演出によって感情の行方が幾重にも変化していく驚きに触れつつ「監督の若き豊かな才能が世界に広がっていくのが楽しみでなりません」と若き才能の飛躍を願うコメントを寄せている。

 「監督週間」は、作家の芸術性や独創性を重視する独立部門で、将来有望な監督たちの登竜門的な存在でもある。過去には大島渚北野武黒沢清河瀬直美橋口亮輔西川美和といった名監督たちが、昨年は河合優実主演・山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』が選出されており、団塚監督は日本人最年少での出品となった。

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 団塚監督、主演の黒崎ほかキャスト陣のコメントは以下の通り。(編集部・入倉功一)

監督・脚本:団塚唯我

初めての長編映画で海外映画祭にも行ったことがない中で、監督週間でお披露目出来ることが決まって本当に嬉しいです!!!!!!! 今、この映画が初主演となる黒崎煌代君と2人で喜びを噛み締めているところです。 黒崎君始め、素晴らしいスタッフ、キャストの皆様と作れたからこそのご褒美だと自信をもって言えます!

カンヌ国際映画祭、楽しみです!

主演:黒崎煌代

感無量です。 カンヌの地に、団塚唯我監督とこの作品と共に立てる事に興奮しています。 私のキャリアを最初から近くで観ていてくれた団塚監督だからこそ100%の信頼をもって撮影に臨むことができました。 映画を好きで本当に良かったです。

『見はらし世代』がフランスをはじめ、世界中の皆さんに観ていただけるのが楽しみです!

遠藤憲一

団塚監督は俺が関わった映画で、今までで一番若い監督だと思う。 私の半分も生きてないから、人生経験も私より少ないはずだが、演技指示はとても鋭くて深い。 人間の考えや行動に対する演技指導は、倍以上生きている私が感銘を受けることばかりだ。 みずみずしさと繊細さと深さが共存する現場だった。

新しい才能に満ち溢れた作品になっているに違いない。

井川遥

団塚監督の演出を受け、感情の行方が幾重にも変化することに何度も驚きを感じていました。監督のピュアで、繊細な鋭い感性に触れ、呼応する時間がまだまだ終わらないで欲しいとすら思えたのでした。 盛夏の撮影、そして半年後、冬編で再び集結しました。10年後を演じるにあたって半年という時間は役を成長させる大切な時間になりました。 演じられたことに心から感謝しています。

監督の若き豊かな才能が世界に広がっていくのが楽しみでなりません。

木竜麻生

団塚監督、団塚組スタッフキャストの皆さん、関わっていただいた皆さん、カンヌ映画祭の監督週間選出、本当におめでとうございます。 この作品のお話をいただいて、準備をして、撮影をして、どの時間も丁寧に、みんなが同じ目線で携わっているのを肌で感じることができて、素敵な時間を共有させてもらいました。 家族という、普遍的だけれど、どの家族にもそれぞれの風景がある存在を、紡いでいく人たちへの愛おしさを感じました。

寛容な心と素直な目線で作品を観ていただけることを願い、届いていくことを楽しみにしています。

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マナー違反ダメ、絶対。 - 画像は『マインクラフト/ザ・ムービー』より - (C) 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.IMAX(R) is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories

 全世界で大ヒット中の実写映画『マインクラフト/ザ・ムービー』の上映中にマナー違反を行う観客が続出していることを受け、スティーブ役のジャック・ブラックが米・ロサンゼルスの映画館にサプライズで登場し、上映前に自ら注意喚起を行った。

【動画】チキンジョッキーだ!『マインクラフト/ザ・ムービー』日本語吹替版予告

 “マイクラ”の愛称で知られる人気ゲーム「Minecraft(マインクラフト)」を実写映画化した本作は、ひょんなことから3Dブロックで構成されたバーチャル空間に転送されてしまった4人の男女の冒険を描くファンタジー。映画では、原作に登場するキャラクターやアイテムが忠実に再現されており、ゲームに熱中するティーンがこぞって劇場に足を運んでいる。

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 一方で、劇中キャラクターの登場シーンやスティーブのセリフに合わせて、大声で騒いだり、場内にポップコーンをまき散らすなどの迷惑行為が相次いで確認されており、その様子を違法に撮影し、TikTokで拡散することがトレンド化してしまっている。特に、原作ゲームのレアキャラ「チキンジョッキー」(ニワトリに子供ゾンビが乗っかったキャラクター)の登場時に若者たちが熱狂するといい、上映が一時中断したり、警察が出動する事態にまで発展している。

 この事態を受け、スティーブ役のジャックは現地時間11日から13日にかけて、米・ロサンゼルスの映画館「AMC Century City 15」で行われた『マインクラフト・ムービー』の上映会に潜入。自ら上映前のアナウンスを担当し、「ポップコーン投げは禁止。それから、“チキンジョッキー”(で騒ぐのは)は絶対にダメだ!」と観客に直接注意を促した。

 イギリスでは、大手シネマチェーンが鑑賞者に対する注意喚起を発表している。英シネワールドは、「他の観客の迷惑となる大声、拍手、絶叫など反社会的な行動はいかなる形であっても一切容認しません。このような行動が確認された場合、即座に退場していただき、払い戻しは受け付けません」としている。

 『マインクラフト』はアメリカで、今年最高のオープニング興行収入&ゲーム原作映画史上最大のオープニング興行収入を叩き出し、累計興収2億7,886万4,857ドル(約404億円)を記録。世界興収は早くも5億5,200万ドル(約800億円)を突破している。日本公開は4月25日。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル145円計算)(編集部・倉本拓弥)

HIKAKIN & SEIKIN、ドズル社もマイクラ声優に!映画『マインクラフト/ザ・ムービー』日本語吹替版予告 山寺宏一、安元洋貴や実力派も勢揃い » 動画の詳細

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『侍タイムスリッパー』安田淳一監督と主演の山口馬木也

 第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画『侍タイムスリッパー』の安田淳一監督と主演の山口馬木也が15日、千代田区の日本外国特派員協会で行われた記者会見に出席し、外国人記者からの質問に答えた。

【動画】たった1館から奇跡のヒット!『侍タイムスリッパー』予告編

 本作は、現代にタイムスリップした会津藩士・高坂新左衛門(山口)が、時代劇撮影所で“斬られ役”として生きる姿を描いた人情時代劇。映画の上映が終わると、会場から自然と拍手がわき起こるなど、外国人記者たちにも受け入れられた様子だった。

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 昨年8月17日の公開以来、現在も異例のロングランヒットを記録中。第48回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を獲得するなど、快進撃が続いている本作。そんな状況について、司会者から「疲れはないか?」と尋ねられた安田監督が「疲れはありません。驚く日々が続いてる感じで、毎日しあわせな気持ちでおります」と語ると、山口も「僕も監督同様、疲れはないです。ずっと夢の中にいるような気がしています。本当に今日もそうですが、この映画を通じて大勢の方とつながることができて、毎日、夢のように思っております」と続けた。

山口馬木也「毎日、夢のように思っております」

 山口には「新左衛門は泣き虫だが、海外映画祭の映像を見ると山口さんもすぐに泣いていた。これは山口さんに近いのか、それとも新左衛門を演じることで近づいたのか?」という質問も。それには山口も「どちらなのかはわからないですが、“感動しい”です。悲しいことで泣くことはないですが、感動して泣くことは多い気がします。それは新左衛門に近づいたのか、僕が近づいたのかはわからないですが、やっている時は新左衛門と同化したような気がしています。結果、僕は泣き虫なんだと思います」と返した。

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 また、映画がヒットした理由を聞かれた安田監督は「僕には『カメラを止めるな!』というお手本がありました。数年前にヒットしているのを見て、インディーズ映画もここまで大きくなれるんだと思い、作品について、プロモーションについて研究しました。つくり手に情熱があるのは当たり前。そこに論理的思考と戦略を立ててやりました」と返答。一方の山口は「まったくわからない、というのが正直なところです。お客さんによく聞くんです。なんでこんなに足を運んでくださるんですかと。多くの方が言うのは、またキャラクターに会いたくなるということなんです。それがどういうことなのか、僕にはわからないけど、映画館に来て、泣いて笑って。小さい宝物をポツポツと開くのが楽しい映画になったらいいなとは思っていました」と続けた。

 会見中、記者からは「新左衛門がテレビで時代劇を観るシーンで、伊丹十三監督の映画のVHSテープが置かれていたが、あれはどういう意味?」という質問も。司会者がすかさず「3回観たけど気付かなかった!」と反応して会場が大いに沸くなか、安田監督は「インディーズ映画ということで美術は自前で用意しないといけなかった。テレビの横にはなんらかのVHSテープを置こうと思い、自分の好きな映画を3本持っていきました。よく伊丹十三リスペクトと言われますし、実際にリスペクトをしています。伊丹作品には知らない世界を見せてくれるという面白さがある。この映画も斬られ役の世界や、映画がどのように作られているのか、というところを描いているので、遠からず伊丹監督の描いた世界観に似ているかと思います」と明かした。

ADVERTISEMENT 米農家の現状についても語った安田監督

 米農家も営む安田監督には「農業からインスピレーションを受けることは?」という質問も。それに安田監督は「日本の米作りは状況が厳しくて。ひと袋つくるたびに1,000円の赤字なんです。映画も自費で、たくさんのお金を使ったので、ヒットしなかったら農業を辞めなければならなくなるほどのピンチでしたが、なんとか映画もヒットして。これから何年かは、安心してお米を作っていける」と返答。さらに「映画も農家も丁寧に作ることが大事。真心をこめて、というと抽象的ですが、手を抜かず、じっくりと作るのは似ていると思います」と付け加えた。

 また、その質問に付随して、政府が備蓄米を放出しているにもかかわらず、米の販売価格がなかなか下がらない現状について意見を求められるひと幕も。安田監督は「国の政策によって、米農家はずっと振り回されてきた結果、今の状況があるので。農家の自助能力ではどうにもならないので、国政による大展開が行われないといけない。これは(自分が監督した)『ごはん』という映画でも描いたんですが、時給でいうと1円から12円の間。うちは1.5ヘクタールくらいで作っていますが、年間でいうと数十万円の赤字。主食を担う現場のすべてがそういう状況」と訴える。

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 さらに「『ごはん』という映画は……その解決策を描いてないということで批判もありましたけど、お父さんが頑張ったから、わたしたちもその思いを受け継いで頑張るということで終わるんですが、僕自身も父やおじいちゃんが一生懸命守ってきた米作りを守るためにやってきた……」と語るや、思わず感極まって涙ぐむ安田監督。「僕自身は映画がヒットして、何年かお米作りができるようになったということで、個人的な百姓一揆に成功したような気持ちです。百姓のせがれが侍をネタにして農地を守ったような気持ちがあります」とその思いを語るひと幕があった。(取材・文:壬生智裕)

映画『侍タイムスリッパー』は全国公開中

映画『侍タイムスリッパー』予告編 » 動画の詳細

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