【RIZIN】街中の計量会場にも“裸足”でやって来た西川大和──初のRIZINでも貫く自然の戦い「この舞台は、世界で一番“強い”人間を決めるルール」
“自然児”西川大和は、いまでも、どこでも裸足だった──幼少時から裸足の西川が“ベアフット”で、山中で強さを磨いてきたことはこれまでにも報じて来たが、6月14日(土)の『RIZIN LANDMARK 11 in SAPPORO』の前日公開計量が行われた札幌市内のサッポロファクトリーにも西川大和は、裸足でやってきた。
▼第14試合 RIZINライト級(71.0kg)5分3R堀江圭功(ALLIANCE)70.8kg西川大和(西川道場)70.35kg
計量後に、西川に「日常的に街中でもはだし」でいることについて聞くと、「あまり靴を履くと足が動かしにくいんで」とシンプルな答えが返ってきた。
「タイでも毎日裸足です。でもタイ人からも変わった目で見られます。家なき子だと思われるようで(苦笑)。足の裏に何かが刺さったり? しないですね。いつも裸足で歩いているので」と、足の皮も強度が増すと言う。
本誌ではこれまでも西川の自然トレーニングについて、父・武彦氏とともに「山道を裸足でときに目隠しや耳栓までして感覚を研ぎ澄ませて歩いた」ことについて聞いており、下記に紹介したい。
西川は、足の裏、足の指を使う感覚について語る。
「人間って足の裏から刺激が入って成長につながると思うんです。背が伸びるときも、足の裏からの刺激があるでしょうし、運動神経の大半も足の裏と繋がっている。裸足で育ったブラジルやタイの人たちって、すごい身体能力が高いように思います。パッキャオの踏み込みとか、本当に足の指が強くてあそこまで行ったんだろうなと思うと、自分も知らないうちに裸足で歩いていたことで、足の指が強くなったとのは、本当にありがたいなと感じています。足の指で大地を掴む感覚もすごく分かる。足の指は通常でも開いた状態ですし、前に踏み込むときだったり、ステップを踏むときに、足のグリップで床をしっかり押せているなというのはすごく感じます」(大和)
父・武彦氏も、ベアフットのトレーニングについて、「立つ時は足の指でバランスを取ります。幼少期に裸足でトレーニングしたり、家の手伝いをしていたアスリートは多いんです。イチロー、パッキャオもパンチでは足の指が大事だと言っていますし、具志堅用高さんも貧しかったとき靴も買えなかったから、沖縄でサトウキビを裸足でかついで、足の指でしっかり踏ん張っていたと聞いています。大和の身長は170cmですけど、足のサイズは32cmもあるんですよ。身長は親の遺伝もあるから、そんな大きくできないけれども、足の指と手の指は、使っていたら大きくなるのは知っていたので」と、格闘技においても大きな足もとから、力を全身に伝えることの重要性を語っていた。
今回、RIZIN初参戦の堀江圭功とのライト級(71.0kg)戦では、前日午前の計量で、堀江が70.8kg。西川は70.35kgと650gのアンダーだった。
檀上では、ほぼナチュラルウェイトで戦う西川は、「試合当日に、10kg以上重たい相手、そしてほぼミドル級と変わらないような対戦相手を想定しての練習を常日頃してきましたので、明日はそういう体重差がある選手をしっかりと倒したい」と、ハイパーリカバリーが定石化している近代MMAとの戦いでもある、と語っている。
【写真】計量後に裸足で帰る西川大和。
その意図についてもあらためて聞くと、「僕としては階級制なのに、(イコールコンディションを謳う)試合時に体重が異なるのはおかしくないのかなと。前回の北海道大会で前日計量をオーバーしたクレベル選手、400gですよね。それが咎められて、でも大会当日に体重を10kg増やしても何も言われない」と、試合時に「いかに体重を戻して有利になるかの戦いになっている」ことに異をとなえた。
西川は、計量前日の質疑応答で「体重を一気に増やす才能が自分には無い」という言い方もしたが、同時に戦う上で、ハイパーリカバリーで適正以上に体重を増やす必要もないという思いもあるのでは? と問うと、「そうですね。以前は、格闘技は当日計量もあったので、その適正体重に合うような身体作りをしていったらどうだろう、と私は思っていますので、そこが私の考えですね」と語っている。
そして初のRIZINルール。これまでの試合より“何でもあり”に近いルールとなる。それは制限の少ない戦いで自身を護身し、相手を制する、西川が欲する戦いだという。
「RIZINの舞台は、“世界で一番強い人間を決める”ルールだと思っていますので、私は格闘技を例えば『寝技』とか『打撃』とかっていう区別した考えがなくて、喧嘩で一番強い人間を決めるものだと思っています。そういう舞台に、このルールはふさわしいのではないかなと思っています」──西川大和と堀江圭功のライト級戦に注目だ。
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