ビットコイン財務戦略は一時的な流行で、まもなく勢いを失う:スカラムッチ氏(CoinDesk JAPAN)
ヘッジファンドのスカイブリッジ・キャピタル(SkyBridge Capital)の創業者兼CEOであるアンソニー・スカラムッチ(Anthony Scaramucci)氏は、ビットコイン(BTC)財務戦略に採用する企業の増加は一時的なトレンドに過ぎないと述べている。ブルームバーグのインタビューでスカラムッチ氏は、このアプローチは今後数カ月で勢いを失うと予想した。 「現在は、財務戦略を模倣する企業というアイデアが流行っているだけだ」とスカラムッチ氏は述べた。「だから、これはやがて消えるだろう」。 彼は、投資家が「なぜ自力で購入できる資産を保有するために追加費用を支払う必要があるのか」と疑問を抱き始める可能性を示唆した。 ビットコインを企業財務資産として活用するアイデアは、2021年にマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏が率いるソフトウェア開発企業ストラテジー(Strategy)が主要な上場企業として初めて採用したことで注目を集めた。セイラー氏の積極的なビットコイン購入により、ストラテジーは事実上のビットコイン投資ビークルとなり、その後、株価はほぼ3000%急騰した。 この莫大な利益は、アメリカ企業だけでなく世界中で注目された。医療機器メーカーのセムラー・サイエンティフィック(Semler Scientific)は2024年5月に独自のビットコイン財務戦略を発表し、東京を拠点とするホテル管理からスタートした企業であるメタプラネットも追随した。 このトレンドは大手企業に限ったものではなかった。小規模な企業、特にペニー株と呼ばれる企業も参入し、ビットコインや他の暗号資産(仮想通貨)をバランスシートに追加することで資金調達や投資家の関心を引き付けようとした。 当初はビットコインに焦点を当てていた動きは、やがて他の暗号資産にも拡大した。一部の企業は、財務戦略の一環としてイーサリアム(ETH)やエックス・アール・ピー(XRP)を購入し、このコンセプトを当初の枠組みを超えて拡大させた。 スカラムッチ氏は、セイラー氏の成功は独特なものだと認めつつ、ビットコイン保有以外の同社の他の事業部門の存在を指摘した。 「セイラー氏のケースは異なる。彼(の会社)は現在、複数の異なる製品を展開しているからだ」と、スカラムッチ氏はブルームバーグのインタビューで述べた。「他の企業に対しても否定的なわけではない。私はビットコインに非常に楽観的だ。ただ、投資家として、これらの企業のそれぞれの根本的なコストを分析する必要があると言いたいだけだ」 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:アンソニー・スカラムッチ氏(CoinDesk)|原文:Scaramucci Says Bitcoin Treasury Trend Will Fade Despite Saylor’s Success
CoinDesk Japan 編集部