米株価先物が下落、米軍の対イラン攻撃や原油高によるインフレを警戒
Andre Janse Van Vuuren、Sagarika Jaisinghani
- S&P500種先物は0.8%安、北海ブレントは一段高で78ドル近辺
- 米国が攻撃に踏み切れば、相場は反射的に大きく反応-ウィルソン氏
米株価指数先物が19日の取引で下落。米国がイスラエルと共にイラン攻撃を直接支援するとの観測が強まり、地政学的な不確実性が高まっていることが背景にある。原油高によるインフレ加速も懸念されている。
S&P500種株価指数は米東部時間午前の取引で0.8%下落。米国市場はこの日、奴隷解放記念日「ジューンティーンス」の祝日のため現物株と国債の取引が休場となっている。
北海ブレント原油先物は約2%高の1バレル=78.26ドル前後で推移。中東情勢の緊迫化を背景に、値上がり基調が続いている。一方、円は対ドルで145円台後半に下落している。
キャピタル・エコノミクスのチーフグローバルエコノミスト、ジェニファー・マキューン氏は米国による対イラン攻撃への関与拡大を巡り、とりわけイランが大規模な報復に出るなどの極端なシナリオ下では、原油価格が1バレル=130-150ドルに跳ね上がる可能性があると指摘。こうした展開になれば、各国中銀の利下げにブレーキがかかるとの見方を示した。
米当局者らは数日以内のイラン攻撃の可能性に備えているとのブルームバーグ報道を受けて、市場では警戒感が高まった。前日には米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年の成長見通しが下方修正される一方、インフレ見通しを引き上げており、すでに投資家心理の重しとなっていた。
サクソUKの投資ストラテジスト、ニール・ウィルソン氏「米国が実際に攻撃に踏み切れば、相場は反射的に大きく反応するだろう」と指摘。「こういった局面では、誰も大きなロングポジションを取りたいとは思わない」と述べた。
原題:US Futures Fall as Mideast Escalation Risk Mounts: Markets Wrap(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE