韓国200万店で解禁、クレカはもういらない?PayPayの海外進出が変える“財布の常識”(ビジネス+IT)
PayPayが海外利用を発表したのは9月16日。サービス開始したのは9月30日だ。これまでは日本国内のみでしか使えず、アプリの起動自体も制限されていたが、今回、海外で初めてPayPayが使えるようになった。 日本のQRコード決済では、実は今はなきLINE Payが海外利用で先行していた。同サービスは、台湾やタイといった一部で現地会社がLINE Payを運営しており、日本のLINE Payユーザーも現地で使うことができていた。ところが、LINEとヤフーの合併に伴って日本のLINE Payはサービスが終了。現地では継続したものの、日本のサービスとしては消滅してしまった。 そのため、PayPayの発表当時の時点では海外でも使えるコード決済サービスはなく唯一という状況になっていた。また、LINE Payは現地の決済ネットワークを活用したが、PayPayではすでに国際的な決済ネットワークを構築している中国Alipayの提供する「Alipay+」を活用した点も違いとなる。 実際に利用する際には、まずPayPay側で本人確認を実施する必要がある。マイナンバーカードまたは運転免許証(運転経歴証明書)、在留カード・特別永住者証明書が必要で、基本的には今後、ICチップを使った本人確認が必須になってくることもあり、日本人であればマイナンバーカードが最も簡単に本人確認ができる。 本人確認することで、銀行口座からのチャージや送金や各種サービスの利用が可能になるほか、利用上限額の制限も緩和される。本人確認が済んでいない場合、PayPayカードを登録して支払うPayPayクレジットだと24時間で10万円、30日間で10万円までしか使えないが、これがカード限度額まで使えるようになる。 本人確認をしていないと、こうした制限に加えて新たに「海外利用ができるかどうか」の制限が加わることになった。逆に言えば、本人確認済みであれば全員が海外でPayPayを使える状態になっているということだ(本人確認は日本で済ませておく必要がある)。 PayPayを海外で使うためのもう1つの条件は、「現地のネットワークに接続されていること」だ。たとえば日本で使っているスマートフォンの回線をそのままローミングとして使う場合は問題ない。現地の無線LANも通常はその国の回線を使っている。問題は、複数の国で使える回線を使っている場合だ。 一部の国の通信キャリアは、複数の国で回線サービスが使える「ローミングSIM」を提供しており、このSIMを使っていると、接続先が現地の国でなく別の国のローミングになっている場合がある。また、空港でレンタルするモバイルWi-Fiでも、複数国で使えるものだと同じ状況になる可能性もあり、こうした場合に、「韓国のネットワークに接続していない」と認識されることがある。 こうした注意はあるが、基本的には普段通りのPayPayが海外でも使えるというのが今回の海外利用モードのポイントだ。