「お前ら仕事してんの?」「舐めてんのか」赤坂・夫婦死亡『サウナタイガー』40代創業者が社員に送った“恫喝メッセージ”の中身《内部告発》(文春オンライン)
12月15日、東京・赤坂の高級プライベートサウナ店「サウナタイガー」の個室に閉じ込められた30代の夫婦が亡くなった。 「室内の背もたれが焼け、室内外のドアノブが外れていた。店舗側の不手際で夫婦が室内に閉じ込められたとみられます」(全国紙記者) 都内で美容室を経営していた松田政也さん(36)と妻でネイリストの陽子さん(37)が犠牲となった。 「夫婦は重なるように倒れていた。サウナ出入り口のガラスには叩いた形跡が残り、政也さんの両手には皮下出血があった。最期まで助けを求めていた」(同前) 個室内には非常用ボタンがあったが、「受信盤」の電源が入っていなかったと判明した。受信盤のある事務室は事故当時無人。またドアノブのぐらつきも以前から指摘されていたという。 サウナの運営会社は取り調べにこう答えている。 「(受信盤に)今まで電源を入れたことはなく、触ったこともありません」
杜撰な安全管理が浮き彫りとなった今回の事故。サウナタイガーを運営する会社が「SAUNA&Co」である。2021年7月に実業家のA氏が創業した。 「A氏は40代後半。もともと、宝石や貴金属を訪問買取する『KUROFUNE』社を経営しています」(A氏の知人) A氏は24年12月、SAUNA社の社長を側近のB氏に引き継いだが、 「B氏はKUROFUNE社の社長室長も務める。つまりSAUNA社は今も実質的に、A氏のKUROFUNE社を中心とするグループの一社です」(同前)
冒頭のX氏が勤務するのがKUROFUNE社だ。同社は25年11月に特定商取引法違反があったとして消費者庁から9カ月の業務停止命令を受けている。 「法令違反とされたのは『マッサージチェアはありませんか』などと消費者に買取のアポを取り付け、いざ訪問すると『アクセサリーとかも買ってます』と打診、断られても『絶対整理したほうが良い』と勧誘して、貴金属などを半ば強引に買い取る手法。うちの会社のメインビジネスは“押し買い”です」(X氏) 悪徳商法に手を染めるKUROFUNE社。更に社内では、A氏によるパワハラ的言動が横行していた。
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社内コミュニケーションツールを確認すると、A氏は8月、訪問買取のアポを取るコールセンターの社員らをこう恫喝している。 〈お前ら仕事してんの? マジでアポ振れって 舐めてんのか仕事〉 社員たちは一斉に平謝りで反応する。 〈申し訳ございません。本数意識ししっかりアポ振ります〉 さらに同じ月にA氏は、ある地方の営業所も叱責。 〈やる気ないなら出ないでいいから 迷惑〉 社員はこう返す。 〈社長 申し訳ございません。やる気を結果で見せれる様日々努めます!〉 X氏は事故の要因についてこう語った。 「Bさんも含めていつもA社長の顔色ばかり窺うグループの社風です。利益追求のために安全面に気が回らず、事故を招いてしまったように思えてなりません」 A氏側に文面で質問したが返答はなかった。 警視庁は業務上過失致死の疑いで捜査を続けている。だが実態は、限りなく“殺人”に近い惨事だった。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年1月1日・8日号