米軍のイラン核施設攻撃受け売り先行か=今週の米株式市場

[ニューヨーク 22日 ロイター] - 今週の米株式市場は、米軍によるイラン核施設攻撃を受け、売り先行の展開が予想される。

 幾つかの米経済指標が発表されるが、中東情勢がより大きな関心を集める見通し。

 インタラクティブ・ブローカーズのチーフ市場ストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「株価がマイナスに反応しないと想定するのは難しく、問題はどの程度か(下げるか)だ。それはイランの動きと原油価格が跳ね上がるかどうかに左右される」と指摘した。

 今のところ原油価格は、地政学的な混乱の影響をほとんど消化しており、株価は比較的落ち着いている。ただ株式投資家の間では、原油高がインフレを引き起こし、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ計画の妨げになる事態への懸念が根強い。

 カーソン・グループのグローバル・マクロ・ストラテジスト、ソヌ・バーゲス氏は「原油価格とそれが物価にどのように作用するかが問題で、これらが(米国の)金融政策、つまりFRBがどれぐらいの期間引き締め的な姿勢を維持するかに影響を及ぼす」と説明した。

 ただ一部の投資家は、イランを巡る情勢の緊迫度が和らぐと見込んでいる。

 シーバート・ファイナンシャルのマーク・マレク最高投資責任者は「株式市場にとって今後非常に好ましい事態になると考えている」と語り、トランプ大統領が次の一手を決めるまで2週間にわたって不透明な時間が続くと投資家が覚悟していた点に言及。しかし実際には早々に米軍の攻撃が行われ、さらにこの作戦が単発的な性格を帯び、米軍が長期戦を模索していない様相なので、安心感が広がると予想した。

 今週の米経済指標は23日に5月中古住宅販売、24日にコンファレンスボードの6月消費者信頼感指数、27日に5月個人消費支出(PCE)物価指数などの発表が予定されている。

 消費者信頼感は過去数カ月で落ち込んだ。家計が関税による景気後退と物価高を懸念したためだ。だが足元では物価上振れが抑えられ、米中両国が貿易戦争の「休戦」に合意したことなどから、投資家は消費者心理の改善を期待している。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

関連記事: