海外の龍ファンが「龍が如く 極3」をクリアして感じた魅力と問題――IGN USのレビューを紹介
海外メディアを中心に、『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』のレビュー(原文)が掲載された。IGN JAPANでも独自のレビューを掲載予定だが、一足先にIGN USのレビューをお届けしよう。レビュースコアは7点であり、「龍が如く」シリーズのファンであるトリスタン・オグリヴァイが執筆を担当している。
そうした状況を踏まえると、『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』(以下、「極3」)は、まさに待望されていたリメイクである。戦闘の楽しさを大きく引き上げ、物語のぎこちない継ぎ目の大半を滑らかに整えることで、これまで十分に活用されてこなかった沖縄という舞台への楽しい再訪を実現している。ただし、その変更点や追加要素のすべて文句なしに素晴らしいのかというと、そういうわけでもない。
「極3」では敵とのエンカウントが大幅にスピードアップしており、桐生にはあらゆるチンピラ退治に対応できる柔軟なふたつの戦闘スタイルが与えられている。おなじみの「堂島の龍スタイル」は、手応えのあるコンボとレスリング風の投げ技を組み合わせた内容だ。それ自体も十分楽しいのだが、筆者はどちらかといえば8種類の武器を使い分ける「琉球スタイル」が好みだった。相手を気絶させる警棒のようなトンファー、出血を与える二丁鎌、ガードを砕く鉄甲、刃物や銃弾を受け流す盾のティンベーと短槍のローチン、そして振るだけで圧倒的な格好よさを演出できるヌンチャクなど、多彩な装備が揃っている。
このスタイルは柔軟かつ凶暴で、桐生を稲妻のような速さで動き回るスーツ姿の忍者へと変貌させる。そして何より操作が非常に直感的だ。武器をいちいち手動で切り替えたり、インベントリ管理に気を取られたりする必要はなく、主要攻撃ボタンの短押しと長押しを組み合わせるだけで使い分けられる仕組みになっている。エイクと呼ばれる木船のオールでチンピラどもを叩きのめした直後にサイを喉元へ投げつける、といった動作も一切の間を挟まず繰り出せるのである。
オリジナルの『龍が如く3』のほうが最終的な武器の種類自体は多かったかもしれないが、耐久値が低くすぐ壊れてしまうため、実際にはほとんど活用しなかった記憶がある。その点、「極3」の多機能ナイフ的な戦闘スタイルは、まるで「タートルズ」のおもちゃ箱をひっくり返したような装備で好き放題に暴れ回れる、はるかに洗練された破壊手段だと感じた。
「極3」の戦闘は、操作がより滑らかで満足度が高いだけでなく、見た目の派手さも大きく増している。これまでの「極」リメイクと同様、ビジュアルは近年のシリーズ作品に肩を並べる水準まで強化されている。格段に洗練されたキャラクターモデルから、桐生の激しい格闘に合わせて花火のように弾けるパーティクル表現に至るまで、全体的に現代的な仕上がりになっている。
ビジュアル面の刷新は環境描写にも及んでいる。特に嬉しかったのは、本作前半で大きな比重を占める沖縄の街並みが一から作り直されている点だ。沖縄は、その後の「龍が如く」シリーズでほとんど再訪されていない地域だからである。陽光が差し込む海沿いの街の穏やかな雰囲気は、神室町の喧騒と心地よい対比を生み出しており、規模こそかなり小さいものの、『龍が如く8』のハワイを思わせる趣がある。
「極3」は、沖縄での陰湿な縄張り争いを軸に据えたオリジナル版の物語の大枠を踏襲しているが、脚本は変更も多い。オリジナル版では、桐生が運営する児童養護施設「アサガオ」に長時間縛り付けられる章が存在し、子どもたちとのテキスト中心の会話をゆっくり読み進める以外にやれることがほとんどなかった。
幸い、「極3」ではこの構成が見直され、海辺の静かな日常パートは最初のチュートリアルを除けば完全に任意となっている。その結果、沖縄版『オリバー・ツイスト』とでも言いたくなる子どもたちと時間を過ごして絆を深めるか、それとも「アサガオ」の外へ飛び出しヤクザ連中と喧嘩を繰り広げるかを、自分の意思で選べるようになったのである。
オリジナル版の日常パートをスキップできる選択肢があったなら、たぶん私は迷わず飛ばしていたと思う。ところが意外なことに「極3」では、子どもたちとのドラマに引き込まれている自分がいた。その理由は、ちょっとした時間で遊べる気の利いたミニゲームの存在だ。単調になりがちな日常の雑事が、刺激的な気晴らしへと生まれ変わっている。
子どもたちの算数の宿題を時間制限付きで解いたり、魚を銛で獲ってきてから「クッキングママ」を思わせるドタバタの料理ミニゲームが楽しめたりする。私のお気に入りは針を『スーパーハングオン』風のコースに見立てた布地の上で操り、猛スピードで裁縫をしていくという、ハイテンションでシュールなミニゲームもある。あまりの勢いに、プレイしている私も、画面の中で仕立てられている手作りトートバッグも、思わずほつれそうになるほど大笑いさせられた。
こうした楽しい家事タスクをひとつずつこなしていくうちに、私は目を輝かせた子どもたちとより自然な形で絆を深めていった。そのおかげで、やがて桐生の裏社会の過去が避けがたく彼に追いついてくる場面では、物語の緊張感がしっかりと高まっていた。
とはいえ、「極3」がオリジナル版の物語を完全に研ぎ澄ましたというわけではない。本作にもシリーズおなじみの、集中力を試されるほど長い会話中心のカットシーンは健在だ。なかでも第9章の会議室で展開される説明パートは、コミカルに思えるほど引き延ばされており、桐生が足を伸ばすために、退出もできない小さなオフィスの中を歩き回って休憩できるという選択肢まで用意されている。
エンドクレジット後のエピローグには、シリーズの保守的なファンなら思わず眉をひそめそうな意外な展開もある(個人的には、良くも悪くもそれほど気になるものではなかったが)。それでも全体として見れば、「極3」のメインストーリーはより良い形に作り直されており、約17時間かけてたどり着いた戦闘重視でカタルシスのあるクライマックスまで、私はしっかり引き込まれ続けた。
一方で、「極3」に追加されたもうひとつの大きなメイン要素「最強列伝 ツッパリの龍」で、桐生は子どもたちの面倒を見る父親役から一転、暴走族退治へと乗り出す。このアクティビティで桐生は弱小レディースチーム「ハイサイガールズ」と共に戦い、チーム編成を行い、革ジャン姿のライバル集団との大規模抗争に同行することになる。戦いの舞台は、沖縄の比較的おとなしい連中から、東京の手強い勢力までさまざまだ。
戦闘の合間には、ギャング集会を開いてメンバーの経験値を底上げしたり、チームカラーをカスタマイズしたり、乱闘で使える兵器を購入したりもできる。攻撃の内容も、手頃な手榴弾から、ばかばかしいほど派手な突進する牛の突撃まで実に幅広い。
とはいえ、私にとって「最強列伝 ツッパリの龍」の目新しさは、『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』にあった同種の海戦モードほど長続きしなかった。「極3」のギャング乱闘は、それと比べるとどうしても単調さが目立つからだ。『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』では砲撃主体の海戦と地上戦がバランスよく組み合わされていたのに対し、「最強列伝 ツッパリの龍」は、見た目の似たような小競り合いを、コピー&ペーストしたような倉庫で延々と繰り返す展開が中心で、すぐに景色の違いも分からなくなってしまう。
しかも暴走族の設定にもかかわらず、実際にバイクで暴れ回る機会はほとんどない。たとえば『LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶』のように、高速道路でバイクゲーム「Road Rash」風のバトルを繰り広げるといった要素は存在しない。桐生のバイクは指揮下にある4つの部隊のあいだを素早く移動するための移動手段にほぼ限定されており、その後はまたボタン連打の乱闘に戻るだけだ。結果として「最強列伝 ツッパリの龍」はどこか作り込みが甘い印象を受ける。
筆者は「最強列伝 ツッパリの龍」を比較的早い段階で切り上げてしまったが、それでもメインストーリー以外にやることは山ほどあった。稽古中の相撲取りが行き交う通りを抜けながらアイスクリームを崩さないよう必死に運んでいたかと思えば、次の瞬間にはガラケーをデコっていた。その後はキャバクラでホストのふりをして寒いジョークで客をがっかりさせたり、カラオケやバッティングセンターといったおなじみの寄り道要素に没頭したりもした。確かに、こうした遊びはこれまで何度も再利用されてきており、もはやマージ・シンプソンのピンクのシャネルスーツ並みに使い回されている感はある。それでも、シリーズで初めて収録された収集要素のゲームギア用タイトルは嬉しい追加であった。ただし、『コラムス』や『ソニック&テイルス』といった携帯型セガの名作をその場で取り出して遊べず、桐生の隠れ家でしかプレイできないのは少々不思議ではある(もしかするとこれは、ゲームギアのとんでもなく短い電池寿命では携帯プレイが現実的でなかったことを暗に認めているのかもしれない)。
再構築されたメインストーリーとは別に、「極3」には完全新規のストーリー「龍が如く3外伝 Dark Ties(以下、Dark Ties)」も収録されている。「Dark Ties」ではシャープな着こなしと皮肉屋な性格が印象的な敵役の峯義孝の視点から物語が進行する。峯が東京の裏社会へ足を踏み入れた最初の経緯、好色な東城会幹部・神田強との不本意な共闘、そして本編で彼が引き起こす破滅的な行動の裏にある複雑な動機が描かれる。
「Dark Ties」では峯の獰猛なシュートボクシングスタイルで思う存分暴れ回ることができる。この戦闘スタイルは、素早い連打とアクロバティックな跳び蹴りを組み合わせたもので、敵を踏み台にして跳ね返り、別の相手へと攻撃の向きを変えながらコンボを途切れさせずに叩き込めるのが特徴だ。加えて、敵の頭を地面に叩きつけ、その顔を血まみれのボウリング球のように舗道へ引きずるといった、破壊力抜群の「闇覚醒」必殺技も繰り出せる。
峯は複数の格闘スタイルがあるわけではなく、そのスキルツリーもヤクザの左小指より短いと言っていい。その理由は、そもそも彼の物語は能力を本格的に進化させる余地がないほど短いからだと思われる。「Dark Ties」は独立した1本のゲームとして宣伝されているが、「極3」の12章構成に対してわずか3章しかなく、舞台もシリーズファンが拳のタコの数よりよく知っている神室町に限定され、さらに戦うボスも2人だけで、それぞれと2戦ずつ行うにとどまる点を考えると、その売り文句はいささか誇張気味に感じられる。
それでも、「Dark Ties」でエンディングに到達するまで5時間強はかかった。しかし、そのプレイ時間ほどの充実感は正直なところ感じられなかった。というのも、ストーリーミッションの進行がしばしば理不尽なほど単調な作業の達成によって足止めされていたからである。特に長めに設定された中盤の章では、峯の物語を前に進めるために、神室町の住民の頼み事をこなして、好感を持ちにくい相棒・神田の評判を少しずつ上げていく必要がある。
中には、成人向けクラブの用心棒のふりをして来店客を見極めるといった楽しい依頼もある。しかし大半は、空腹の男に弁当を届けるため最寄りのコンビニまで全力で走って往復するといった退屈な雑用に過ぎない。
だが、「Dark Ties」には切り札がひとつある。峯専用に用意されたダンジョン乱闘型のローグライク風ミニゲームだ。タイトルは「サバイバル・ヘル」だが、「ローグライクが如く」と名付けたくなるような内容だ。
「サバイバル・ヘル」は制限時間付きの一攫千金チャレンジで、資金と収集品を狙って地下ファイトクラブを駆け抜ける内容だ。舞台は5つの地下ファイトクラブで、それぞれ4階層にわたって徐々に手強くなるゴロツキを相手に戦い、最後には手強いボスが待ち構えている。挑戦中に倒されればすべてを失うが、各階には任意の脱出口が用意されており、早めに撤退して報酬を確保することもできる。得た資金は、特殊武器やCPU操作の護衛といった強化要素に投資でき、次回の挑戦での生存率を高められる仕組みだ。
このモードは引き込まれるほど刺激的で、混沌としており、驚きに満ちている。「極3」と「Dark Ties」の両方でエンディングを迎えた後でも、なお筆者を引き戻す要素はどれかと問われればこの「サバイバル・ヘル」である。
リメイク作品として『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』はおおむね成功していると言える。桐生が児童養護施設の子どもたちと関わる新たな仕組みは、オリジナル版で退屈だった部分を活気づけるだけでなく、物語の核心に対する没入感も高めてくれる。戦闘は路上でのもたついた殴り合いから躍動感あふれる爽快なアクションへと変貌しており、沖縄という舞台も、シリーズで使い込まれてきた都市部とは異なる新鮮な風をもたらしている。
一方で、「Dark Ties」はやや惜しい出来で、短いストーリーが露骨な引き延ばしによって足を引っ張られている印象は否めない。中毒性の高いローグライクモードによって部分的に救われてはいるものの、全体としては機会を十分に活かしきれなかった感が残る。それでも総合的に見れば、本作はハードボイルドな人間ドラマと寄り道のバカバカしさが同居する、シリーズらしい楽しい一本である。ただし、完成度という点では、よりバランスのとれたシリーズ上位作にはわずかに及ばない内容だと言える。