31万台のHDDを運用するBackblazeがメーカー・モデル別のHDD故障率統計データ2025年第1四半期版を公開

2025年05月14日 19時00分 ハードウェア

クラウドストレージサービスプロバイダーのBackblazeが、運用している31万2831台のHDDについて、2025年第1四半期(1～3月)におけるメーカー・モデル別の故障率をまとめたデータを公開しました。

Backblaze Drive Stats for Q1 2025

https://www.backblaze.com/blog/backblaze-drive-stats-for-q1-2025/ Backblazeが公開したのは、2025年3月31日時点で「100台以上運用」しており、総稼働日数が1万日以上の条件を満たしたストレージの統計データです。2025年第1四半期末時点では31万2831台のドライブをストレージとして稼働していましたが、四半期全体では合計31万8426台のストレージが監視対象で、報告対象となったのはそのうち31万7833台。累計稼働日数は2738万8225日でした。

データによると、2024年第1四半期の故障率(AFR)は1.42％で、前四半期の1.35％からわずかに上昇、前年同期の1.41％とほぼ同じ結果となりました。

特に、HGST(Western Digital)の4TBHDDであるHMS5C4040ALE640、SeagateのST8000NM000A(8TB)、ST12000NM000J(12TB)、ST14000NM000J(14TB)の今四半期における故障率は0％でした。

一方で、SeagteのST10000NM0086(10TB)が4.72％、ST12000NMZ007(12TB)が9.47％、ST14000NM0138(14TB)が6.82％、HGSTのHUH721212ALE604(14TB)が4.97％の故障率を記録し、特に故障率が高かったモデルとして挙げられています。

SeagateのST24000NM002H(24TB)は、前四半期は故障率0％でしたが、今四半期は8件の故障が発生したことで故障率が1.11％となったそうです。ただし、20TB以上のHDD全体では平均故障率0.72％と、HDD全体の故障率よりも低い値を示しています。

2025年第1四半期末時点での生涯故障率をまとめた表が以下。統計対象となっているのは500台以上運用されていてかつ累積稼働日数が10万日以上のもので、合計31万2493台です。2025年第1四半期終了時点での生涯故障率は1.32％で、2024年末の報告値である1.31％からほとんど変化していません。

12TBと14TBのドライブが同程度の故障数を記録した一方で、東芝のMG10ACA20TE(20TB)とWestern DigitalのWUH722222ALE6L4(22TB)は故障数が増加したものの、同時にフリート内のドライブ台数も大幅に増えています。これにより対象ドライブの累積稼働日数が増加し、結果として故障率は統計的に改善されました。

Western Digitalのドライブは故障率の観点から見るとトップクラスの性能を誇っていますが、HGSTの12TBドライブは故障率が高めで、特にHUH721212ALN604については平均を超える2.06％の故障率を記録しています。ただし、HUH721212ALN604は平均使用年数が67.1ヶ月、つまり約5年半に達しており、いわゆる「バスタブ曲線」と呼ばれる故障率の予想パターンに沿っているため、Backblazeはこの数値を許容範囲内だと見なしています。一方、HUH721212ALE604は故障率が1.45％と、全体の平均からそれほど大きく逸脱していないため大きな懸念はなく、今後も継続的に監視していくとBackblazeは述べました。