政界のピンチヒッター、トランプ氏お墨付き、女性初の主計官…高市政権・閣僚の横顔(上)

(左から)林芳正総務相、茂木敏充外相、片山さつき財務・金融相

高市早苗内閣が21日、発足した。ベテランから若手まで幅広く登用し、10人が初入閣した。閣僚18人の横顔を、3回に分けて紹介する。(似顔絵・筑紫直弘)

林芳正総務相 ピンチヒッター異名

岸田文雄、石破茂両政権を官房長官として支えた。数多くの閣僚経験を持つが、前任者の不祥事を受けて起用される機会が多いため、「政界のピンチヒッター」の異名を持つ。

「音楽は私の人生の一部」と話すほど音楽への造詣が深い。外相時代は各国要人の前でジョン・レノンの代表曲「イマジン」をピアノで演奏し、「ピアノ外交」と話題を呼んだ。好きな食べ物は肉。

平口洋法相 法務行政のベテラン

77歳での初入閣はかなり異例。国土交通省勤務を経て平成17年の「郵政選挙」で初当選した「小泉チルドレン」の一人。21年の衆院選で落選した苦労人でもある。

もともと裁判官志望で、衆院当選後も法務副大臣、衆院法務委員長と法務行政は経験十分。広島2区選出とあって、プロ野球の広島東洋カープをこよなく愛し、好きな食べ物ももちろんお好み焼き。

茂木敏充外相 タフネゴシエーター

自民党総裁選では最下位に沈んだが、決選投票で自陣営の議員を束ねて高市早苗首相の勝利に貢献し、要職に起用された。

党幹事長や政調会長などを歴任し、外相は2度目の就任となる。経済再生担当相時代には、第1次トランプ米政権との日米貿易協定の交渉に臨み、トランプ大統領から「タフネゴシエーター(手ごわい交渉相手)」と評された。

片山さつき財務・金融相 女性初の主計官務め

財務省で女性初の主計官を務め、国会議員に転身。郵政選挙と呼ばれた平成17年の衆院選で「小泉チルドレン」の筆頭格として話題を集めた。猛烈な働きぶりで同僚や官僚に恐れられているが、不妊治療を経ても子供を授かれなかった経験から「自分の仕事を後世に残したい」という強い思いを持つ。学生時代には女性雑誌「アンアン」の読者モデルに選ばれたこともある。

松本洋平文部科学相 少数与党の政調で汗

中学から大学までの10年間、陸上競技に打ち込んだ。高校ではインターハイ、大学ではインカレに出場するほどの実力だ。

銀行勤務を経て平成17年衆院選で初当選を果たすも、21年に落選し、約3年間の「浪人生活」を経験した。昨年からの少数与党下の国会では、自民党政務調査会事務局長として野党との交渉に汗を流した。

趣味は読書、旅行、スポーツ。

上野賢一郎厚生労働相 「官主導」の脱却志し

商店街の荒物屋の長男として生まれた。衰退する商店街を前に地域活性化の大切さを痛感し、京大卒業後に旧自治省(現総務省)に入省。岩手県に出向した際には県内をくまなく回り、現場の声を多く聞いた。

「官主導」の政治からの脱却を目指し、政治の道を志した。平成17年の衆院選で初当選し、財務副大臣や衆院内閣委員長などを歴任。趣味はミュージカル鑑賞やジョギング。

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