フランス株・国債価格が下落、政権崩壊の可能性高まる

 26日の取引で銀行株を中心とするフランス株や同国の国債価格が下落。写真は会見するバイル仏首相。8月25日、パリで撮影(2025年 ロイター/Abdul Saboor)

[ロンドン 26日 ロイター] - 26日の取引で銀行株を中心とするフランス株や同国の国債価格が下落。バイル仏首相率いる少数与党政権が来月崩壊する可能性が高まっている。

バイル首相は、大幅な予算削減案を巡って9月8日に国民議会(下院)で信任投票を実施すると発表した。主要野党3党はこれを支持しない意向を示し、政権は崩壊の危機に直面している。

フランスの10年物国債利回りは約4ベーシスポイント上昇(価格は下落)し、3月以来の高水準となる約3.53%となった 。

フランスとドイツの10年物国債利回り格差は約79ベーシスポイントに拡大し、4月以来の大きさとなった。

政権崩壊となった場合、マクロン大統領が新たな首相を直ちに指名するか、バイル氏に暫定政権の首班を要請するか、もしくは解散・総選挙に踏み切る可能性がある。

ブルーベイ・フィクスト・インカムのマーク・ダウディング最高投資責任者は「バイル氏は辞任しそうだ。信任投票に敗れた場合、マクロン氏が新たな議会選挙なしに別の首相を据えるのは難しいだろう」と指摘。

「ルペン氏の極右政党・国民連合(RN)が最終的に過半数議席を獲得するリスクがあり、今後数週間にわたってフランス国債に下落圧力がかかるだろう。われわれは予算を巡って9月に政治的混乱が再燃するとみて、数週間前からフランスをショートにしていた。今後数週間でスプレッドが2024年に記録した高水準を上回る可能性があると考える」と述べた。

24年後半、ドイツ国債とフランス国債のスプレッドは90ベーシスポイントに達した。

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