【サバ缶VSイワシ缶】栄養価が高いのはどっち? 管理栄養士にズバリ聞いてみた結果

サバ缶とイワシ缶の栄養素の違いについて、管理栄養士に聞きました。

サバ缶とイワシ缶はどちらの方が栄養価が高い?(画像はイメージ)

 よく食べられる魚の缶詰がサバ缶とイワシ缶です。災害時の非常食として買い置きしている人は多いと思います。両者は栄養面でどのような違いがあるのでしょうか。サバ缶とイワシ缶に含まれている栄養素や、食べる上での注意点などについて、管理栄養士の松田加奈さんに教えていただきました。

Q.そもそも、サバ缶やイワシ缶には、どのような栄養素が含まれているのでしょうか。また、サバ缶やイワシ缶を食べるのに最適な時間帯はあるのでしょうか。

松田さん「タンパク質はサバ、イワシともにおよそ20グラム入っています。

サバは、ビタミンDがイワシの2倍多く含まれています。カルシウムはイワシの方が少し多く、サバが260ミリグラムなのに対しイワシは350ミリグラムとなっています。鉄分もイワシの方が多く、サバが1.6ミリグラム、イワシが2.6ミリグラムです。

また、サバとイワシはどちらも不飽和脂肪酸であるDHA、EPAが多く含まれています。DHAはサバが1300ミリグラム、イワシが1200ミリグラム、EPAはサバが930ミリグラム、イワシが1200ミリグラムです。DHAは脳細胞を柔らかくして、頭の働きを良くするといわれています。また、EPAは動脈硬化を予防し、中性脂肪やコレステロールの減少に効果を発揮します。

サバやイワシなどの青魚は食べるのに最適な時間帯があります。DHA、EPAは日中に吸収されやすいとされているため、もし可能であれば昼ごろまでに食べるのをお勧めします。また、サバもイワシも脂質を多く含んでいるため、夜に食べると胃もたれを起こす可能性があります」

Q.では、サバ缶とイワシ缶の栄養価の違いについて、教えてください。総合的に見て、どちらの方が栄養価が高いのでしょうか。

松田さん「栄養価は先述の通りです。多少の差はありますが、サバ缶もイワシ缶もだいたい同じくらいです。どちらも栄養豊富な食品ですが、サバ缶の方が『ビタミンD』の含有量は多いですね。ビタミンDの含有量を比較すると、イワシ缶(水煮)は6.0マイクログラム、サバ缶(水煮)は11.0マイクログラムと、イワシ缶の約2倍含まれています。

骨の健康を維持するためにはカルシウムの摂取だけでなく、カルシウムの吸収を高めるビタミンDの摂取も重要です。サバ缶とイワシ缶はどちらもカルシウムが豊富に含まれていますが、よりカルシウムの吸収を高めたいのであればサバ缶を選ぶのが良いかもしれません」

Q.サバ缶やイワシ缶を食べるときの注意点について教えてください。食べ過ぎると、どのような影響があるのでしょうか。また、調理方法で栄養成分が減る可能性はあるのでしょうか。

松田さん「サバやイワシに含まれているDHAやEPAは、調理方法によって減ることはありません。ただ、サバ缶やイワシ缶を食べ過ぎてしまうと太る可能性があります。また、サバ缶やイワシ缶の汁に含まれているプリン体は痛風の原因になるため、飲むのを控えましょう。カロリーの目安としては、サバ缶は100グラム当たり350キロカロリー、イワシ缶はサバ缶の半分程度です」

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 サバ缶とイワシ缶を比べた場合、含まれている栄養素に大きな差がないことが分かりました。どちらも栄養豊富ですが、食べ過ぎると塩分やカロリーの過剰摂取につながる可能性があるため、注意しましょう。

(オトナンサー編集部)

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