フィンテック事業再編に向けた協議の再開始に関するお知らせ
楽天グループ株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷浩史、以下、「楽天グループ」)と楽天銀行株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:東林知隆、以下、「楽天銀行」)は、2024年4月1日付で開示した「フィンテック事業再編に向けた協議の開始に関するお知らせ」にてフィンテック事業再編に関する協議開始を公表し、その後2024年9月30日付で本再編の取り止めを公表いたしましたが、2026年2月25日開催の各社取締役会の決議に基づき、楽天銀行を含む楽天グループのフィンテック事業(以下、「フィンテック事業」)の再編(以下、「本再編」)に向け、再度協議を開始することについて合意し、本再編に関する基本合意書(以下、「本基本合意書」)を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1.本再編の協議再開始の背景・目的
楽天グループは、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」を経営の基本理念に掲げ、国内外において、Eコマース、トラベル、デジタルコンテンツ等のインターネットサービス、クレジットカードをはじめとした、銀行、証券、保険、電子マネー、スマホアプリ決済といったフィンテック(金融)サービス、携帯キャリア事業等のモバイルサービス、さらにプロスポーツといった多岐にわたる分野で70以上のサービスを、楽天会員を中心としたメンバーシップを軸に有機的に結び付けながら他にはない独自の「楽天エコシステム(経済圏)」を形成しています。国内外の会員が複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果の創出、グループ収益の最大化を目指しています。 フィンテック事業の各サービスは、人々の生活のニーズに応える総合金融サービスとして、会員基盤が継続的に拡大しております。各フィンテック事業においては、キャッシュレス社会における事業全体の更なる成長に向けて、これまで各サービス間の連携強化を進めてまいりました。一方、金融サービスに対する顧客ニーズが益々多様化し、よりシームレスかつ機動的なサービス運営が求められる中、楽天グループは、今後の経営戦略、経営資源の最適配分、グループストラクチャーの最適化を継続的に検討してまいりました。 こうした検討を踏まえ、楽天グループ及び楽天銀行は、2024年4月1日付で開示した「フィンテック事業再編に向けた協議の開始に関するお知らせ」にてフィンテック事業再編に関する協議開始を公表し、その後総合的な検討・協議を進めてまいりましたが、楽天グループにおいて、複数の選択肢を比較検討した結果、当時は必ずしも本再編を行うことがフィンテック事業のエコシステムの更なる拡大と競争優位性の向上にとって最適とは言い難いとの判断に至ったことを踏まえ、楽天グループ及び楽天銀行は、2024年9月30日付で本再編の取り止めを公表いたしました。 しかしながら、その後の事業環境は一段と急速に変化しています。具体的には、本邦金利の動向を受けた資金調達環境の変化に加え、デジタルバンクのみならず大手銀行を含めた多数の銀行が積極的な顧客・預金獲得プロモーションを展開し、顧客・預金獲得競争が激化しています。また大手銀行グループによるリテール領域への大規模な経営資源投下や、大手通信キャリア中心に金融サービスを含むエコシステムの形成が進み、それぞれ顧客の囲い込みが進んでいます。更には、生成AIをはじめとした先端テクノロジー活用等に伴うデータ連携の重要性の高まり、キャッシュレス決済の普及やNISA制度の拡充などに代表される資産形成への意識の高まり等、国内外フィンテック業界の潮流が急速に変化し、フィンテック事業を取り巻く競争環境も例外ではありません。
楽天グループは現在のグループストラクチャーのもとでフィンテック事業全体の強化を図ってまいりましたが、こうした事業環境の変化を踏まえ、楽天グループとしては、楽天エコシステムの更なる拡大と企業価値の長期的・持続的拡大の観点から、フィンテック事業のグループストラクチャーを改めて最適化することで、各ビジネス間の連携を強化し、データ連携やAIの活用、フィンテック事業全体の調達コストの最適化等、フィンテック全体戦略の検討を加速させる体制構築が必要との認識に改めて至り、2026年1月14日に楽天グループより楽天銀行に対して本再編について再検討を開始したい旨を提案いたしました。
一方、楽天銀行においては、ゼロキャッシュ時代の到来を見据えた本邦金融市場のリーディングカンパニーを目指し、更なる顧客基盤の拡充と収益基盤の強化、フィンテック領域の成長取込みに取り組んでいます。楽天銀行は、この目指す事業拡大の実現に向けて、楽天エコシステムを回遊する楽天会員を効率的に獲得し、かつ楽天グループ各社と協業し、楽天エコシステムに存在する資金決済ニーズや資金需要等に対して銀行サービスを提供することにより顧客数及び取引機会を増やし、業容拡大の更なる加速に向けて取り組んでいます。 そのような中、国内金利の上昇に伴う調達コストの増加等の環境変化や金融サービスに対する顧客ニーズの多様化が進む状況を踏まえ、銀行・カード・証券を連携強化することで、グループ内での迅速かつ機動的な意思決定や、より深度のある連携を実現可能とし、フィンテック戦略を一層加速できる体制を構築できると判断いたしました。これにより、金利上昇下においても強固な預金調達力を有する楽天銀行の強みを最大限に活かし、多様化する顧客ニーズに応える総合フィンテック会社としての成長を、楽天銀行単独で事業運営を続ける場合と比べて一層加速できると考え、本再編の更なる検討・協議を進めることを決定いたしました。
本再編を通じて、フィンテック事業のエコシステム強化と、より機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする経営体制の構築を図ることで、楽天エコシステム全体の成長を実現し、楽天グループ全体及び楽天銀行のステークホルダーにとって大きな価値をもたらすものと考えています。楽天グループ及び楽天銀行は、本再編が持続的成長と企業価値向上に資するよう、今後協議を進めてまいります。
2.本再編の形態
楽天銀行、楽天カード株式会社(以下、「楽天カード」)、楽天証券ホールディングス株式会社等のフィンテック事業全体[1]を1つのグループに集約する組織再編を想定しております。 本再編後においても、楽天銀行は、引き続き楽天エコシステムを形成する上で、楽天グループの重要な連結子会社であり、フィンテック事業は楽天グループのコアとなる事業セグメントの1つであるとの位置づけに何ら変更はございません。 また、組織再編の具体的な形態及び楽天カードの普通株式の14.99%を保有する株式会社みずほ銀行、楽天証券株式会社の普通株式の49.00%を保有するみずほ証券株式会社の本再編への関与方針については現時点で未定であり、今後協議を進める予定です。
上記は現時点における方針であり、監督官庁の許認可等を含め今後の協議・検討の結果次第では、楽天グループの更なる組織再編が必要になる場合や、本再編の全部又は一部を実施しないという結論に至る可能性がございます。
[1] 楽天インシュアランスホールディングス株式会社、楽天ウォレット株式会社等は本再編の対象外とします。
3.本再編後の株式の上場に関する事項
本日現在、楽天銀行の株式は東京証券取引所プライム市場に上場されております。本再編の実施後においても、楽天銀行の株式は、引き続き東京証券取引所プライム市場に上場されることを想定しております。
4.公正性を担保するための措置
楽天グループは、本日現在、楽天銀行株式85,962,580株(保有割合にして49.26%)を保有し、楽天銀行の親会社であることから、本再編は、楽天銀行にとって支配株主との取引等に該当いたします。そこで、楽天銀行は、本再編の公正性を担保するため、本日現在、以下の措置を講じております。 まず、楽天銀行の取締役会は、楽天グループ及び本再編の成否から独立した楽天銀行の独立社外取締役長門正貢氏、川村佳世子氏及び独立社外監査役山田眞之助氏及び三村亨氏並びに企業法務に関する豊富な知識と経験を有しており、2026年6月開催予定の楽天銀行の第27期定時株主総会において独立社外取締役候補者として上程を予定している河井聡氏の計5名によって構成される特別委員会(以下、「本特別委員会」)を設置し、本特別委員会に対し、①楽天銀行の取締役会において本再編の実施の決定をするべきか否かについて検討し、楽天銀行の取締役会に勧告を行うこと及び②楽天銀行の取締役会における本再編の実施の決定が、楽天銀行の少数株主にとって不利益なものでないかについて検討し、楽天銀行の取締役会に意見を述べることを委嘱しています(以下、「本委嘱事項」)。 楽天銀行は、本再編に関する検討に際して、楽天グループから独立した社内検討体制を整備するとともに、楽天グループ及び楽天銀行から独立したアドバイザー(フィナンシャル・アドバイザーとして大和証券株式会社及びゴールドマン・サックス証券株式会社、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所外国法共同事業)を選任しており、本特別委員会において、かかる社内検討体制及びアドバイザーの選任について承認を受けております。また、本特別委員会は、本再編に係る条件の検討のために、楽天グループ及び楽天銀行から独立した第三者算定機関として合同会社デロイトトーマツを選定しております。
楽天銀行の取締役会は、本基本合意書の締結にあたって、本特別委員会より、本再編が楽天銀行の企業価値向上の観点から有意義な施策となり得ること、本基本合意書を締結し公表することは多数の関係者の関与を必要とする本再編の本格的な検討を進める上で有用であり、これによって楽天銀行に重大な悪影響が生ずることは見込まれていないこと、本基本合意書は楽天銀行に対して本再編の実行についての法的義務を生じさせるものではないことから、楽天銀行の取締役会において本再編の協議を開始する旨を定めた本基本合意書の締結の決定をすることは、楽天銀行にとって特段不合理でなく、楽天銀行の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる旨の意見書(以下、「本意見書」)を取得しております。楽天銀行の取締役会は本意見書の内容を勘案した上で、本基本合意書の締結を決定しております。今後、本再編に係る協議を進めてまいりますが、楽天銀行の取締役会は、本再編に関する意思決定については、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うものとし、本再編に関する最終契約の締結までに、本特別委員会から、本委嘱事項に関する答申書を取得することを予定しております。また、本特別委員会が、本再編の目的又は取引条件若しくは手続が妥当でないと判断した場合には、楽天銀行の取締役会は本再編の実施を決定しないものとすることとしております。
5.利益相反を回避するための措置
楽天グループは、楽天銀行株式85,962,580株(保有割合にして49.26%)を保有し、楽天銀行の親会社であることから、本再編は、楽天銀行にとって支配株主との取引等に該当いたします。そこで、楽天銀行は、楽天グループと楽天銀行の少数株主の間の利益相反を回避するための措置として、上記4.に記載のとおり、独立した本特別委員会を設置しております。 楽天銀行の取締役会は、本基本合意書の締結にあたって、本特別委員会より、本意見書を取得しております。楽天銀行の取締役会は本意見書の内容を勘案した上で、本基本合意書の締結を決定しております。今後、本再編に係る協議を進めてまいりますが、楽天銀行の取締役会における本再編に関する意思決定については、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うものとし、本再編に関する最終契約の締結までに、本特別委員会から、本委嘱事項に関する答申書を取得することを予定しております。また、本特別委員会が、本再編の目的又は取引条件若しくは手続が妥当でないと判断した場合には、楽天銀行の取締役会は本再編の実施を決定しないものとすることとしております。
加えて、本再編に係る楽天銀行の取締役会の審議及び決議には、楽天銀行の取締役のうち、現に楽天グループの代表取締役を務める三木谷浩史氏は参加しておらず、今後も三木谷浩史氏は本再編に関する楽天銀行の取締役会の審議及び決議には参加しない予定です。また、楽天銀行の代表取締役社長である東林知隆氏は現在楽天グループの役職員ではないものの、2025年3月まで楽天グループの常務執行役員の地位にあったことから、公正性を担保する観点で本再編に関する楽天銀行の取締役会の審議及び決議には参加しておらず、今後も東林知隆氏は本再編に関する楽天銀行の取締役会の審議及び決議には参加しない予定です。