トヨタ、朝はバス・昼はキッチンカー「e-Palette」発売
トヨタ自動車は、シャトルバスやキッチンカーなど複数の使い方ができるバッテリーEV「e-Palette」(イーパレット)を9月15日に発売した。価格は2,900万円~。
1台でさまざまな用途に使えるバッテリーEV。広い室内空間や大型ウインドウガラスによる開放感を活かし、移動手段だけでなく店舗やサービス空間にも対応できるよう設計している。自動運転にも対応し、自動化レベル2相当のシステムを搭載。
例えば朝・晩はシャトルバスとして、日中は充電しながらキッチンカーとして店舗営業など、一日の中で異なる用途で活用できる。定員は17人(座席4人、立席12人、運転手1人)。
さまざまな機器を搭載しており、遠隔通信や音響機材などを活用して移動しながらスポーツ観戦をすることも可能。映像による没入体験など、エンターテインメント車両としても利用できる。
利用シーンに応じた表示が可能なデジタルサイネージも車内外に装備。自ら編集可能なサイネージソフトを提供し、情報発信に活用できる。
低床、大開口スライドドアを採用しており、短時間で乗降可能。車高調整機能で低床を実現し、電動スロープにより、歩道高さ15cmの場合、車いすの人が介助なく自力で乗降できる。車いすのワンタッチ固定などオプションも装着可能。
運転設備では、次世代の操舵感覚をもたらす「ステアバイワイヤシステム」を導入。ステアリング操作量を軽減することで、運転手の負担を軽減する。安心降車アシストのほか、車室内監視システムでドア周辺を監視し、ドア開閉の安全確認をサポートする。
急速充電、普通充電に対応し、非常時の電源として車両が停止した状態でも給電が可能。災害時にも利用できる。バッテリーはリチウムイオン電池で、容量は72.82kWh。充電時間は、急速が40分程度(約80%充電)、普通が12時間程度。
車両サイズは、4,950×2,080×2,650mm(全長×全幅×全高)。車内は2,865×1,780×2,135mm(室内長×室内幅×室内高)。車両重量は2,950kg。最高車速は時速80km、航続距離は約250km、最小回転半径は6.5m。モーターは交流用同期電動機、最高出力は150kW、最大トルクは266N・m。
車両はまず、10月3日に開業する東京・青海の「TOYOTA ARENA TOKYO」とその周辺エリア、今秋にオープン予定の静岡県裾野市の実証都市「Toyota Woven City」に導入。輸送サービスや物品を販売する移動型店舗など、さまざまな取り組みを進めていく。
このほか、一部地域では販売店や自治体、自動運転パートナーとも連携した自動運転実証などを進め、2027年度にはレベル4に準拠した自動運転システム搭載車の市場導入を目指す。
製品は受注生産。販売は当面はトヨタが直接注文を受け付ける。なお同車両は、環境省による「商用車等の電動化促進事業」の対象(補助金額1,583万5,000円)。