市街地へのクマの出没続く 横手市では県内初の緊急銃猟を実施 けが人はなし 秋田
市街地へのクマの出没が止まりません。 22日は各地で人の生活圏にクマがとどまり続け、横手市では、市町村の判断で猟銃を発砲させることができる、緊急銃猟が県内で初めて行われました。 弾は、とどまっていたクマ3頭すべてに命中しました。 けがをした人はいませんでした。 22日正午すぎ、横手市は報道機関に対して、市の中心部を流れる川の河川敷に“居座る”クマを捕獲するため午後1時に緊急銃猟の準備を始めると発表しました。 進藤拓実記者 「現場には市の職員、それに銃を持った猟友会のメンバーが集まっています」 緊急銃猟は市街地にクマなどが現れた際、緊急性があり安全を確保できるといった条件を満たしていれば、市町村の判断で猟銃を発砲させることができるようにするものです。 先月1日に制度が始まって以降、宮城、群馬、新潟でそれぞれ1件行われてきました。 横手市が全国4件目で、県内では初めてです。 広報車 「横手川のクマの捕獲のため、周辺地域の通行を規制します。規制区域内は危険ですので、外に出ないようお願いいたします」 現場は横手川にかかる蛇の崎橋や市立横手病院の近くで、現場周辺のおよそ400メートル四方で通行規制が行われました。 警察と横手市によりますと22日午後6時ごろ、横手市本町にある寺の敷地に3頭のクマがいるのを通りかかった人が見つけて、警察に通報しました。親グマと2頭の子グマとみられています。 進藤拓実記者 「けさ方、寺の敷地内でなにかを食べているクマ3頭が目撃されましたそのうち1頭は河川敷におりて今もやぶの中にいるということです」 クマの出没を受け、近くにある横手南小学校は22日、臨時休校の措置をとりました。 クマがとどまっていたのは、ちょうど1か月前の先月22日に、県内で初めて緊急銃猟の訓練が行われた場所のすぐ近くです。 進藤記者 「緊急銃猟の可否について判断をしているところだと見られます。今猟友会のハンターが銃のカバーを外しました。これから緊急銃猟が始まるものとみられます。クマがいるとみられるエリアを囲むように、猟友会のハンターが待機しています」 進藤記者 (発砲音)「今、発砲する音が聞こえました。合計3発。」(4発目の音)「県内では初めてとなる緊急銃猟が行われました」 横手市の髙橋大市長から委託された猟友会の7人が対応にあたり、現場で確認された3頭のクマに発砲を繰り返しました。 3頭にはいずれも弾が命中しました。 近くに住む人 「80年生きてきて、こういう経験は初めてですけれども」 近くに住む人 「夜寝る時なんか窓破られて入ってこられるかなというようなことを感じると、ちょっと不眠症になります。本当に怖いです」 人の生活圏へのクマの出没はきょうも各地で相次ぎました。 「でか(クマ動く)おお怖い」 北秋田市阿仁打当では22日午前6時半ごろ、住宅の地下の作業小屋に入り込んでいたクマを住人の70代の男性が見つけました。 クマはその後もとどまり続けましたが、約4時間後に捕獲用のおりでとらえられています。 このほか、仙北市角館町の観光地武家屋敷通りの近くにも木に登ったクマ2頭がとどまり続け、警察などが対応にあたっています。 飲食店店主 「初めてですねこちらはね、まぁクマもやっぱり食べ物が足りないからおなかすいているからでしょ。でもやっぱり危ないから捕まって山奥のどこか動物園に戻したら」 また20日、男性4人が襲われけがをした湯沢市の中心部では、民家に侵入したクマが、60時間が経った今もとどまり続けています。 市の教育委員会は現場周辺が学区の4つの小中学校に対し、休み時間の外遊びや屋外での部活動を自粛するよう呼びかけています。 今年これまでに44人がクマに襲われている県内。 人の生活圏での、緊急的な対応が続いています。