オラクルが原発電力を購入、100万人超に相当する利用者の燃料費474億円を肩代わり(Forbes JAPAN)
米ソフトウェア大手オラクルは、米国時間2026年10月2日、ウィスコンシン州のポイントビーチ原子力発電所から電力の一部を購入する計画を発表した。購入した電力はポートワシントンのデータセンター拠点で使用する。計画が実施されれば、米電力会社We Energiesの100万人を超える顧客が負担する約3億ドル(約474億円)の燃料費を、オラクルが引き受ける形になる。■原発売却後も続く電力購入契約、利用者負担の背景We Energiesは2007年、ポイントビーチ原発を米電力大手ネクステラ・エナジーへ売却した。ただし、発電所から電力を購入する契約は残り、2033年まで続く。この契約がWe Energiesにとって大きな負担になっている。ミルウォーキー・ジャーナル・センティネル紙によると、We Energiesがポイントビーチ原発の電力に支払う1メガワット時当たりの購入価格は、2009~2027年に約2倍となる。●ポイントビーチ原発の契約が2027年の値上げ最大要因にポイントビーチ原発からの電力購入価格は、契約が終了する2033年まで毎年6~8%上昇する見通しだ。高コストの電力購入契約は、We Energiesが2027年に計画している電気料金引き上げにも影響する。同社は2027年に総額1億7600万ドル(約278億円)の値上げを計画しており、ポイントビーチ原発との契約が値上げの最大の要因となっている。ミルウォーキー・ジャーナル・センティネル紙によると、この電力購入契約に伴う費用は、2027年の値上げ額の約20%を占める。We Energiesが原発を売却した後も残した長期の電力購入契約でコストが上昇し、その負担の一部が電気料金を通じて利用者に及ぶ形になっている。■オラクルは原発出力の10~20%を購入オラクルはポイントビーチ原発から125~250メガワットの電力を購入する計画だ。これは同原発の出力の約10~20%に相当する。購入した電力は、オラクルがポートワシントンで運営するデータセンター拠点に供給する。オラクルによると、この電力購入によって約3億ドル(約474億円)の燃料費負担がWe Energiesの顧客からオラクルへ移る。100万人を超える利用者にとっては、同額の費用負担が軽減されることになる。●約474億円の負担移転には州当局の承認が必要オラクルでバイスプレジデントを務めるジュリア・ロビンはミルウォーキー・ジャーナル・センティネル紙に、2026年末までにウィスコンシン州当局へ提案を提出する見通しだと述べた。オラクルによる電力購入を実施するには、ウィスコンシン州公益事業委員会の承認が必要となる。約474億円の負担がWe Energiesの顧客からオラクルへ移る計画も、この承認が前提となる。■オラクルは28カ国で50カ所超のデータセンターを運営今回オラクルが購入する原発電力の用途はデータセンターだ。同社はクラウド基盤を支えるデータセンターを28カ国で50カ所超運営している。オラクルはAI基盤にも数百億ドル(数兆円規模)を投じており、2026年の設備投資額は950億ドル(約15兆100億円)を見込む。●巨額のAI投資を背景に、株価は年初来27%超下落10月2日正午少し前にはオラクル株が2%上昇し、その週はおおむね堅調に推移していた。
ただし、株価は年初来で27%超下落しており、2025年9月につけた過去最高値には戻っていない。オラクルはAI基盤へ数百億ドルを投じ、2026年にも巨額の設備投資を計画している。