〈大学合格者ランキング2023〉東大、京大、早慶…30年で激変! 「難関21大学」合格者数ランキング 渋幕、西大和「急成長」のナゼ
大学受験がいよいよ終盤に入りました。過去に掲載された「大学受験」にまつわる特によく読まれた記事を再配信します。最新版「大学合格者ランキング2026」は3月12日発売です!(この記事は「AERA dot.」2023年5月31日に配信した内容の再配信です。肩書、情報、ランキングデータ等は、2026年最新のものではありません)。
【激変21大学ランキング】旧帝、早慶、GMARCH、関関同立…30年で伸びた高校・消えた高校
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「昔は大変だったんだよ……」。若者を諭すときに大人が使う、魔法の言葉。はたして受験の世界は、かつて“大変”だったのか。AERAは今年で創刊35周年。この間に「合格マップ」は、変わった。30年前の1993年と今年で合格者数を比較すると「強い高校」が見えてくる。AERA 2023年6月5日号の特集「変わる大学・高校」から記事を紹介する。
夢の国ディズニーランドの近くには、受験界の“王国”があった。
県立千葉、県立東葛飾、県立船橋。「千葉御三家」とも呼ばれる同県屈指の公立高校で、東京大を筆頭に難関大学へ多くの合格者を送り出してきた。そんな“公立王国”千葉の勢力図を大きく書き換えたのが、渋谷教育学園幕張だった。
愛称は「渋幕」。私立の中高一貫校である同校は、1983年に開校。東京ディズニーランドと同い年だ。新設校でありながら、いまでは東大に74人が合格。さらに、早稲田大に226人、慶應義塾大に136人が合格している(2023年春)。
渋幕の図書館には在校生や卒業生の活躍を報じた記事をまとめたファイルも並ぶ。「公共図書館にある郷土資料のようなものを目指しました」と司書(撮影/写真映像部・上田泰世)学内に入るや2フロアにわたる図書館が目に飛び込んでくる。6万5千冊を超える蔵書のうち、1万冊以上は英語の本が占める。静謐な空間だが、「しゃべらない」などのルールはない。
「本を読む生徒もいれば、プロジェクターを映して議論する生徒もいる。ここでいろんな知を深めてほしいんです」
そう話すのは、同校進路部長の井上一紀教諭だ。今や押しも押されもせぬ進学校だが、開校してしばらくは、東大合格者数は数人ほどだった。それが02年には県内トップの県立千葉と合格者数が逆転。12年に東大合格者数トップ10に入って以来、東大の常連校になった。
理科室では中学2年の生徒たちが濃度の異なる砂糖水を使った実験中。「出来栄えは7点。次は10点を目指したいです」(生徒)(撮影/写真映像部・上田泰世)大学受験の世界は目まぐるしく変化している。アエラでは、大学通信の協力を得て、難関大学への合格者数を調査。受験人口が多かった1993年と2023年を比較して「30年」の変化を追った。
ガリ勉よりも情操教育
東京・京都・大阪などの難関国立大と早稲田・慶應義塾・上智・東京理科・MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)・関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)など人気21大学への合格者数の上位校をランキングにした。
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なお、ここで比較した「合格者数」は、のべ合格者数だ。既卒生を含み、私立大の場合は優秀な生徒が複数の学部や学科に合格する場合がある。また、卒業生数が多ければ合格者数も多く出る可能性がある。それらを踏まえた上で、じっくり読み解いてほしい。
93年春に大学受験をした人は、現在48歳を過ぎた辺り。生まれたときは第2次ベビーブーム下で、各校の卒業生数を見てもわかるとおり、30年前と現在とでは生徒数の差が際立つ。
上位校が入れ替わった東日本に対し、大阪大や関関同立などは公立の強さが見て取れる。
「そんな中で、やはり東大の変化に注目です」
そう指摘するのは、大学通信情報調査部の井沢秀さんだ。今も昔も合格者数では開成がトップに位置するのは変わらないが、ラ・サールや東京学芸大学附属、桐蔭学園、巣鴨、県立千葉がトップ10から姿を消している。井沢さんは続ける。
「ラ・サールや巣鴨は医学部志向が高まり、東大へ進む生徒が減ったことが背景にあります」
AERA 2023年6月5日号一方、新たな顔ぶれとして先の渋幕のほか、聖光学院や西大和学園、日比谷などが並ぶ。
「ガリガリ勉強させるより、情操教育に力を入れているところが伸びています」(井沢さん)
集大成はペットボトル
事実、大躍進を遂げた渋幕の田村聡明校長は、「楽しくなければ学校じゃない」と言い切る。
同校には特進コースのようなクラス編成はなく、東大志望生もそうでない生徒も同じ教室で学ぶ。多様な将来を描くクラスメートと過ごすことで、生徒たちは視野を広げていく。
「だから、自発的に動く生徒が多いんですよ」(田村校長)
渋谷教育学園幕張(撮影/写真映像部・上田泰世)推薦入試で東大に進学した生徒は、時間さえあればグラウンドでペットボトルロケットを飛ばしていた。どうすれば遠くまで飛ぶのか試行錯誤を続けた。
「卒業するときには『私の集大成を置いていきます』とボロボロになったペットボトルを置いていきました。見た人は『なんじゃこりゃ』と思うような作品ですけどね」(同)
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自主性や柔軟性の高さでは、奈良県の西大和学園も同じ。
同校は1986年開校で渋幕同様に新設校だが、京大や阪大など関西の難関大に多くの生徒を送り出してきた。しかし、近年は京大ではなく、東大へ進む生徒が増えている。
飯田光政校長によれば15年くらい前から東大進学に風向きが変わりはじめたという。そして14年、高2の生徒たち67人が当時学年部長だった飯田校長のもとを訪れ、こう嘆願した。
「東大専用のコースを作ってください」
その言葉を飯田校長は、どう受け止めたのか。
「本腰を入れて勉強しようとしたら、京大向けのものばかりやないかと思ったんでしょうね。ただ、67人も入る部屋がなかったので急きょリフォームして大きな教室を作ったんですよ」
そして16年3月、史上最多の29人が東大に現役合格した。
「かっこいい生徒たちでした。ドラマみたいでしょう」
飯田校長は誇らしげに、そう語った。
(編集部・福井しほ)
※AERA 2023年6月5日号より抜粋
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