ジークアクス最終話放送前に、再履修で37年ぶりに『逆襲のシャア』を観たら、「シャア、マジかよ…」ってなった

2025年4月8日より、毎週日テレ系で放送している『機動戦士Gundam ジークアクス』。全12話で次回(6月24日24時29分)の放送で最終話を迎える。毎話放送直後からネット上で話題となり、次回の内容を考察する人続出。YouTubeでは考察動画が後を絶たない。

11話放送終了後からSNSでは「逆シャア」という言葉が相次いで投稿されたわけだが、これは1988年に放映された劇場公開された映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のことを指す。

そういえば、私(佐藤)は15歳の時に、この作品を劇場で観た覚えがあるのだが、その内容をすっかり忘れてしまっているので、再履修の意味でAmazonプライムで観直してみた。すると、ガンダムについての理解が深まると同時に、誤解していることにもいろいろ気が付いたのだ。

・音楽が素晴らしい

劇場で観たかどうかの記憶は正直曖昧だ。手元に記録になりそうな品がないのでわからないが、自分がこの作品を好きだったのは覚えている。というのは、当時15歳だった私はブラスバンド部に所属しており、誰かがサントラを持っていて、それを金管メンバー(私はトランペット)でコピーしたはず。

今でもメインテーマは脳内再生余裕。作曲家・音楽プロデューサーの三枝成彰さんが音楽を担当しており、サントラ収録曲はどれも素晴らしかった。ちなみにいうと、その三枝さんは深夜のバラエティ番組『11PM』のMCも務めていた。

そこまで覚えているのに、ストーリーをほとんど覚えていない。まあ、逆襲のシャアというくらいなので、「ネオ・ジオン軍」総裁のシャアと、地球連邦軍の外郭舞台「ロンドベル」に所属するアムロ・レイが戦うくらいのことは覚えている。

・初代ガンダム世代

現在51歳の私は初代ガンダム世代であり、テレビ放送をリアルタイムで観ていた。たしか日曜日の朝に放送していたんじゃなかったかな。今となっては地域によって放送時間が違った可能性も考えられるが、私の中でガンダムは日曜日と結びついている。

むろん、ガンプラブームのド真ん中であり、60分の1のガンダム(RX-78)を作ったはず。弟(双子)はシャア専用ザクだったはず。なにしろ40年近く前のことがとにかく記憶があいまいだ。

現在に至るまでの熱心なガンダムファンではなく、劇場版3作と、この作品を観たところで止まっている。劇場3作とこの作品の間にある『機動戦士Zガンダム』も『機動戦士ガンダムZZ』はどういうわけかあまり観なかった。なぜかは不明だ。部活とか勉強とかで忙しかったのかも(それらも熱心にしていたか怪しい)。

・ジークアクス11話であの曲

さて、そんな中途ハンパにガンダムを知るおっさんの私もジークアクスを観ている。観ているが正直にいうと、あまり乗り切れていない。観ていると無意識に「いやいやいや……」「いやいやいや……」と言っている。

そもそも展開が早くて、まだ前の料理を食べてる途中なのに、次から次へと皿が運ばれてくるコース料理のような感じになってしまってる。1回飲み込ませてくれと思わんでもない。

そんな私でもさすがに11話の最後は笑った。あの曲を流す? そう、TM NETWORKの『BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)』だ。ハンパにガンダムを知るおっさんでも、さすがにフラッシュバックは不可避だった。

脳裏に浮かぶ我が母校(松江市立東出雲中学校)。「当時は校則で男子は全員丸坊主だったなあ~」なんて思いながら、11話の最後のシーンを観ていたわけですよ。急にあんなの流れたらビビるだろ!

・シャア、マジかよ…

それでまあ、逆襲のシャアを今一度観ておこうと思ったわけだ。観直してまず感じたのは、当時は「ガンダムかっこいい」くらいの感覚でしか観ていなかったので、それでストーリーが記憶に残っていないことに気づいた。

この作品は、それまでの戦いで人類に失望したシャアが新生ネオ・ジオンを率いて、小惑星を地球に落として地球の寒冷化を企てる。それをアムロをはじめとする外郭部隊ロンド・ベルが阻止するために戦うという物語だ。

大人の今になってみると、名作といわれるだけあって面白いし、本当に自分が劇場で観ていたとしたら幸運だったなとさえ思える。今でも可能ならもう1度劇場で観たいと思う。

とくにモビルスーツの戦闘シーンは、いずれの場面も壮大で迫力があり、手描きのセルアニメだったことに驚かされる(一部CGを使用)。途方もない手間と労力がかかったことを、容易に想像できるのだ。

その一方で、今さらシャアの人柄を垣間見て複雑な気持ちになった。私はどうやらシャアを勝手に美化していたらしく、作中のシャアの振舞いに「マジかよ」と思わざるを得なかった。それがシャアなんだけども……。

つまりジークアクスからガンダムを観始めた人には、シャアの存在をより理解できるので、最終話を観る前にこの作品を履修しておくと良いかもしれない。ただし、必ず観なければってものではないので、時間があれば程度で良いと私は考える。

個人的にはブライトの「何やってんの」を久しぶりに聞けてうれしかった。それからギュネイ、何でも正直に話し過ぎ。そりゃ嫌がられるだろ。

参考リンク:機動戦士ガンダム 逆襲のシャア機動戦士Gundam ジークアクス 執筆:佐藤英典 Photo:Rocketnews24

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