【秘境グルメ】岡山の霧立ち込める山ん中 … 地元民が激愛する『塩ホル麺』がいくらなんでも激ウマすぎだよ!! 99.9%の人は生涯行けないと思うけどね!
「蒜山(ひるぜん)」というところをご存知だろうか。岡山県の中でも限りなく鳥取寄りに位置するエリアで、ものごっつ山の中にありながら一部はリゾート地っぽい感じになっており「蒜山高原」と呼ばれる。なんと小さい遊園地もあるんだぞ。
私の実家(鳥取県中部)は蒜山から車で40分ほどの距離にあるため、幼い頃から夏はよく蒜山へ涼みに行っていた。そして冬は大雪のため頻繁に立ち入りが不可能になる……そういうところなのだ、蒜山は。
さて。私には蒜山へ勤めに出ている友人がいるのだが、その友人から「蒜山の人が全員『ウマイ』と言っているグルメがある」とのタレコミがあった。蒜山に慣れ親しんでいる私ですら初めて聞く食い物だ……これは一体?
・行ってみた
ってことで先日実家へ帰省した際、母を伴って蒜山を訪れた。問題の蒜山グルメについて、母も「聞いたことがない」と証言。よほど局地的なネタとみえる。
蒜山高原へ向かう閑静な道に突如出現するオレンジ色の建物。この建物の存在にはずっと昔から気づいていたが、なぜか私にも母にも「飲食店だ」という認識がなかった。なぜかしら? しばし考え込む母娘。その結果……
「のぼり旗が出ていないからだ」という結論で一致となった。蒜山には「営業中」「ソフトクリーム」等といったのぼり旗が出ている飲食店が非常に多い。それを出さずとも客が入るとは……ただ者じゃないな。なお、この置物は蒜山のご当地妖怪・スイトン。
前置きが長くなってしまった。こちらが今回お世話になる食堂『味処 高原亭』さんです!
・とんでもねぇお宝
初めて入る高原亭。
あまりの座席数の多さに母娘は驚愕していた。時刻は平日の13時過ぎ。にも関わらず結構お客さんが入っているね。
個室や宴会ができそうな広間も完備。蒜山にこんなところがあったとは、マジ知らんかった。ハシャぐ母娘。
ア、アーーーッ!!!! これは私の幼少期(局地的に)一世を風靡した「ヒルゼンのれん」!!!!!
ウチの実家にも祖父母宅にも、当時はこののれんがぶら下がっていた。日本国民の99.9%は何の感情も抱かないだろうが、0.1%の蒜山周辺民には涙が出るほど思い出深く、生涯忘れられないデザインである。まさか再び現物を見られる日が来るとは……!
・本題である
また前置きが長くなった。私にとって蒜山は数えきれないほどの思い出が詰まった場所、ということで勘弁してください。
さて本題に移ろう。蒜山はジンギスカンが名物で、高原亭にもジンギスカンメニューがバッチリ揃っていた。むしろジンギスカンがメイン。
そこへきてカレー、丼もの、ラーメン、そば等のメニューが異様に充実しているという、非常に胸ときめくタイプの焼肉屋なのだ、高原亭は。
そんな中で私のお目当ては……
『塩ホル麺』(950円)である!!!!!
・鳥取に生まれてよかった
冒頭でもお伝えしたとおり、コレは蒜山に勤めに出ている友人に「おいしいから行ってみろ」と勧められたもの。元を辿れば友人は職場の人たちに「おいしいから行ってみろ」と勧められている。要するに “地元の人が「おいしい」とイチオシするメニュー” なのだ。
これほど信憑性の高い情報があろうか?
こちらが塩ホル麺。全くイメージができていなかったので「へぇ〜! これが噂の……」といった所感である。それより気になるのはレモンだ。おそらく途中で味変せよ、ということだろう。早く絞りてぇ〜! いただきま〜す!
スープうんまぁ!!!!!!!!!!!!!
あまりにいいダシが出すぎていて、ウチの母もビックリしていた。ホルモンの臭みとかは一切ない。でも普通の塩ラーメンとは何かが違う……分類としては「やさしい」味に属する。
麺うんまぁ!!!!!!!!!!!!!
ちなみに蒜山といえば『焼きそば』が有名なのだが、あの特徴的な焼きそば麺を彷彿とさせる太寄りの中太麺。それが油のとろみとマッチし、黒コショウがピリリとアクセントをきかせている。あまつさえカリカリに焼かれたホルモンの香ばしさ、歯切れの良さ。分類としては「陽」のラーメンに属するといえるだろう。
お待ちかねのレモンを絞ると少しサッパリして、一気にオシャレな食べ物になった。
私がラーメンのスープを飲み干すって、3年に1度くらいしかないことよ? 食べ終えた母が「明日またここへ来よう」と言い出したエピソードが本記事のハイライトであるといえよう。
なお蒜山は牛乳の名産地として知られるが、肉牛や羊を育てているという話はあまり聞かない。つまり蒜山はホルモンの産地ではないのに、昔からホルモン食が根付いていることになる。この件に関しても母がポツリと一言……
「今はホルモンも高いけど……伝統だからねぇ」とつぶやくのだった。
帰省するたびに毎回来ようと心に決めた高原亭。ただ蒜山は車がないと絶対に到達不可能なうえ、岡山旅行のついでにも鳥取旅行のついでにもなりにくいという、正真正銘ガチンコの山の中にある。
日本人の99.9%は人生で一度もここを訪れることがないかもしれない……でも、とてもよいところなので、本記事を読んで1人でも「そうだ、蒜山行こう」となる人が出現することを願ってやまない。その際はぜひ高原亭へ! 道の駅とジャージーランドもオススメやで!
・今回ご紹介した店舗の詳細データ 店名 味処 高原亭 住所 岡山県真庭市蒜山上福田815 時間 11:00〜15:00、17:00〜21:00(変更になる場合があります) 定休日 木曜日(変更になる場合があります)
執筆:亀沢郁奈 Photo:RocketNews24. / Google Map
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