ブラジル大統領選で敗れたボルソナロ氏、出国しアメリカに移動か 旅券停止され

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ブラジル大統領選の決選投票で敗れた後のフラヴィオ・ボルソナロ氏。26日以降、所在が分からなくなっていた(25日、ブラジリア)

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25日に行われたブラジル大統領選の決選投票で敗れた右派フラヴィオ・ボルソナロ氏(45)がブラジルを出国し、27日に米フロリダ州に到着した。複数の消息筋がBBCに対して認めた。アメリカ在住の弟エドゥアルド氏とすでに対面したという。米国務省はBBCに、同氏と家族に入国査証(ビザ)を発給すると明らかにしていた。

これに先立ち27日には複数メディアが、ボルソナロ氏がブラジルを出国してアメリカへ移動したと伝えていた。ブラジル警察は、同氏が最高裁による旅券提出命令に応じなかったため、旅券を停止したと明らかにした。同氏は資金洗浄(マネーロンダリング)などの疑いで捜査対象になっており、来年1月に上院議員の任期が終わると不逮捕特権を失う。

大統領選の決選投票では、左派で現職のルイス・イナシオ・「ルラ」・ダ・シルヴァ氏(81)が逆転勝利した。10月初めの第1回投票ではボルソナロ氏が勝ったものの、決選投票でルラ氏は票の51.79%を獲得し、ボルソナロ氏の48.21%を上回った。票差は440万票に達した。

ボルソナロ氏はこの結果について、「あり得ない」、「説明がつかない」ものだと述べ、無効にされるべきだと主張。翌26日午後にインスタグラムへ動画を投稿した際には、ブラジルを離れる意思はないと述べたほか、当局に旅券の提出を求められたことも明らかにした。ボルソナロ氏は、自分は出国する意思はまったくなく、旅券を提出して命令に従い、今後もルラ大統領に対する政治的な野党勢力として活動を続けると述べていた。

ボルソナロ氏はこれ以降、発言を公表していなかった。

ボルソナロ氏のフロリダ到着が確認される前、米国務省の関係者はBBCに対し、「国務省はフラヴィオ・ボルソナロ氏とその家族に査証を発給し、合衆国への入国を認める予定だ」とコメントした。

弟のエドゥアルド氏は以前、大統領選挙に敗れた場合はアメリカへ移るよう兄に勧めていた。2025年に米テキサス州に移住したエドゥアルド・ボルソナロ氏は今月、「兄が勝てなければ、国外に出ることに賛成だ」とポッドキャストで話していたと、ロイター通信は伝えた。

フラヴィオ氏が最後に消息を伝えた際には、父ジャイル・ボルソナロ前大統領に会ったと話していた。前大統領は現在、2022年選挙の後にクーデターを計画した罪で有罪となり、禁錮27年の刑の一環として自宅軟禁下に置かれている。

ボルソナロ前大統領は2022年11月の選挙でルラ氏に敗れた後、ブラジルを離れてフロリダ州へ出国したが、その3カ月後に帰国した。

ルラ大統領は、ボルソナロ氏のブラジル出国について「何も隠すことのない者は恐れることもない」と述べ、同氏は「アメリカのおべっか使い」だと批判した。

資金洗浄疑惑などで捜査対象

ボルソナロ氏は現在、連邦最高裁判所で係属中の事件2件で捜査対象となっている。

1件は、映画「ダーク・ホース」に対して民間銀行バンコ・マスターから約7000万ドルが送金された件をめぐる不正の疑いをめぐるもの。この映画は、フラヴィオ氏の父ボルソナロ前大統大統領を描いた伝記映画。

もう1件は資金洗浄疑惑に関するもので、ボルソナロ氏は両方の疑惑を否定している。

ボルソナロ氏は、8年間の上院議員任期が終わる来年1月31日に議員特権を失うことになる。

連邦最高裁判所のアレシャンドリ・デ・モラエス判事がボルソナロ氏に対し、旅券の提出を命じたものの、同氏が指定された24時間以内に旅券を警察へ提出しなかったため、旅券は無効になった。

モラエス判事は、ボルソナロ氏が資金洗浄計画に関与したとの疑惑を捜査している。

ボルソナロ氏の弁護士らはBBCブラジルに対し、同氏の所在をめぐる不透明な状況について「まったく事情を知らない」、「私たちはまったく事情を知らないし、何が起きたのかについて今も情報がない」と述べていた。

フラヴィオ・ボルソナロ氏の副大統領候補だったアルフレード・ガスパール議員は、ボルソナロ氏と妻フェルナンダ氏を含む家族の安全のために祈っていると、ソーシャルメディアに書いた。

ガスパール氏はソーシャルメディア「X」への投稿で、「フラヴィオ・ボルソナロ大統領が執拗(しつよう)な迫害を受けてきたことを思うと、私は彼、フェルナンダ氏、そして2人の娘たちに連帯を表明し、この愛すべき家族の安全と幸福を神に祈る」と書いた。

この投稿の数分前、同議員は動画を投稿し、自陣営を支持した有権者約6000万人に感謝し、「敗北の中には真の勝利もある」と述べていた。

「アメリカのおべっか使い」とルラ氏

Reuters

81歳の誕生日を支持者と祝ったルラ大統領は、出国したとされるボルソナロ氏を批判した(27日、ブラジリア)

25日の決選投票で再選されたルラ大統領は、ボルソナロ氏がブラジルを離れたとの疑惑について、「隠すことのない者は恐れることもない」と述べた。

27日に81歳となったルラ氏は首都ブラジリアで開かれた誕生日の催しで、自分もかつて選挙に敗れたことがあるが、「私はブラジルにとどまった」と話した。

「選挙に負けてただちに自国から逃げ出す、そのような市民の良心にはどれだけの罪の意識があるのかと想像してしまう」

ルラ氏はさらに、ボルソナロ氏について「ここに残って、自分に対する疑惑が事実ではないことを証明することもできたはずなのに」残念だと述べた。

大統領は、「私は選挙裁判所に大量の書類を提出した。彼にも自分の誠意を証明してほしかった」のだが、ボルソナロ氏は書類を提出しなかったとして、それは「私が地球上で見た中で、彼こそ最大の嘘つきだという証拠だ」と述べた。

ブラジル警察によると、ボルソナロ氏は最高裁の旅券提出命令に従わなかったため、旅券を無効化された。

これについてルラ氏は、自分もかつて旅券の提出を求められたことがあるが、自分は従ったと話した。ルラ氏は2018年、汚職罪をめぐる控訴で敗れ、収賄に関連する法廷闘争に直面した後、裁判所から旅券の提出を求められたという。

ルラ氏は、「彼も同じようにするべきだった」と述べたうえで、「ブラジルは彼にとって第2の祖国なのだ。第1の祖国は、アメリカのおべっか使いでいることだ」と批判した。

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