「龍騎」“黒いファム”仮面ライダーファタル誕生!「ゴーバスターズ」小宮有紗が2度目の変身|シネマトゥデイ

“黒いファム”が誕生!仮面ライダーファタル - (C)東映特撮ファンクラブ (C)石森プロ・東映

 2026年1月に配信される東映特撮ファンクラブ(TTFC)のオリジナル作品「仮面ライダーアインズ withガールズリミックス」に、新たな女性仮面ライダー「仮面ライダーファタル」が登場することが明らかになった。スーパー戦隊シリーズ第36作「特命戦隊ゴーバスターズ」で宇佐見ヨーコ/イエローバスター役を務めた小宮有紗が、2度目のヒーロー変身を果たす。

【画像】“女性版”仮面ライダー1号!天翔天音が変身する仮面ライダーアインズ

 「ガールズリミックス」は、歴代仮面ライダー作品に登場する女性キャラクターで結成されたユニット。第4弾となる本作はシリーズの集大成となり、仮面ライダー1号の系譜を受け継ぐ仮面ライダーアインズ/三日月ナユタ(天翔天音)の活躍が描かれる。

ADVERTISEMENT

 アインズと対峙する仮面ライダーファタルは、『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL(エピソード ファイナル)』(2002)で加藤夏希が変身した史上最初の女性仮面ライダー「仮面ライダーファム」に外見がそっくり。白のファムとは対照的な、真っ黒なボディが特徴だ。変身者の黒野すみれ(小宮)は、「ガールズリミックス」シリーズで暗躍してきた人物で、初登場時から三日月ナユタと因縁が深い。

スーパー戦隊に続き仮面ライダーに変身!黒野すみれ役の小宮有紗 - (C)東映特撮ファンクラブ (C)石森プロ・東映

 仮面ライダーに変身する小宮は、「10代のときに『特命戦隊ゴーバスターズ』でイエローバスターになり、その後仮面ライダー作品にも何度かゲスト出演させていただいたのですが、いよいよ自分も『変身!』と言う日が来たかと思いました」と感慨深げにコメント。「『仮面ライダー龍騎』は放送当時によく見ていて、劇場版も映画館に見に行きました。なので今回私が変身する仮面ライダーファタルは外見が黒い仮面ライダーファムなので、自分的に胸熱です。歴代の女性仮面ライダーが変身していくので、その中でもすみれは悪い側ではあるのですが、ちゃんとかっこよく、憧れられるようなかっこいい変身がしたいと思います」と意気込んでいる。

ADVERTISEMENT

 第4弾には小宮と天翔のほか、松本麗世(九堂りんね/仮面ライダーマジェード役)、山本ひかる(鳴海亜樹子役)、アンジェラ芽衣(神代玲花/仮面ライダーサーベラ役)、椛島光(夏木花/仮面ライダーアギレラ役)、志田音々(桜井沙羅/仮面ライダーハクビ役)、宮原華音(高井望役)、滝裕可里(滝川紗羽役)らオールスターキャストが集結。監督は坂本浩一、脚本は内田裕基が担当し、主題歌&挿入歌は Do As Infinity が手がける。(編集部・倉本拓弥)

TTFCオリジナル「仮面ライダーアインズ withガールズリミックス」東映特撮ファンクラブで2026年1月配信

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 2

朝ドラ「ばけばけ」第51回より - (C) NHK

 高石あかり(高=はしごだか)が主演を務める連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)は、8日に第11週「ガンバレ、オジョウサマ。」第51回が放送。あらすじを紹介する。

【画像】リヨ(北香那)の恋の行方は…朝ドラ「ばけばけ」第51回

 新年を迎えた松江。トキ(高石)はヘブン(トミー・バストウ)に新年の挨拶を教えていた。そこに錦織(吉沢亮)がやってきて、新年の抱負を教え合うことに。ヘブンは日本滞在記を書き上げる、そのためのラストピースを見つけたいと語る。

ADVERTISEMENT

 その後、トキらは花田旅館で松野家、平太(生瀬勝久)たちと新年会を行う。挨拶をふられたヘブンは、「ツギ、フユ、ワタシ、マツエ、イナイ」と宣言。お祝いの空気が一変する。

 朝ドラ113作目の「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘で、作家・小泉八雲ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツがモデルのオリジナルストーリー。島根や熊本などを舞台に、急速に西洋化が進む明治日本の中で埋もれていった人々や、怪談を愛する夫婦の何気ない日々を描く。

 脚本はNHK「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」(第30回橋田賞受賞)などのふじきみつ彦ハンバート ハンバートの主題歌「笑ったり転んだり」がドラマを彩る。(清水一)

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 3

ジュディとニックの関係が『ズートピア2』の要! - (C) 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights

 ディズニー・アニメーション映画『ズートピア2』のジャレド・ブッシュ監督とプロデューサーのイヴェット・メリーノがインタビューに応じ、本作の要だというジュディとニックの関係について語った。(以下、『ズートピア2』のネタバレを含みます。本編鑑賞後にお読みください)

【画像】パートナーセラピーを受けるニック&ジュディ

 『ズートピア』(2016)は、あらゆる動物が共に暮らす文明社会“ズートピア”を舞台に、共に事件を追うことになったウサギの新米警官ジュディとキツネの詐欺師ニックの冒険を描いた作品。続編では差別や偏見といった前作からのテーマを引き継ぎつつも、メインとなるのは警察のバディとなったジュディ&ニックの関係だ。ズートピアに突如として現れたヘビにまつわる謎に迫る中で、二人のパートナーとしての関係が巧みに掘り下げられていく。

ADVERTISEMENT

 メリーノは「わたしたちはまず、本作では前作からどれだけ時間が経過した設定にしたいのかを決めようとした。“5年後”から始めて、“2年後”とかも検討したり」とさまざまな案があったと明かす。最終的に前作の直後から始めることにした理由は、本作が「ジュディとニック、そして彼らの関係についての物語」だからだ。「第1弾では彼らはうまく協力して事件を解決したけど、一緒にいたのは48時間くらいだった。だけど、第2弾での二人はパートナーであり、互いのことを本当に知ることになるの」

 ブッシュ監督は、ジュディとニックの関係こそが本作の要だと断言する。「ニックとジュディの間には最初から、否定しがたいケミストリーがあった。言い合いをしている時でさえ、お互いのことが本当に好きなんだろうなというのがわかるはず。彼らの関係にはどこか不完全なところがあって、僕たちはそんなところが好きなんじゃないかと思う。彼らは個人としてもパートナーとしても欠陥があるけど、それは僕たち自身の鏡映しだから」と分析。

 「だからこの物語に足を踏み入れるにあたり、もちろん“続編”として『観客を本当に楽しくてワクワクする冒険に連れていきたい』『新しい場所を見てもらいたい』という思いもあるけど、少なくとも僕にとっては、彼らの結び付き、彼らの友情を深く掘り下げることが重要で、彼らの関係こそが本作の要だった。観客にも彼らと時間を過ごして、彼らが互いにそうしていくように、二人のことをよりよく知ってほしかった」(ブッシュ監督)

ADVERTISEMENT

 そうして終盤に訪れる、事件を追う中で絆を試された不器用な二人が互いに本心を打ち明け合うシーンは涙を誘うほど圧倒的だ。ブッシュ監督は「認めるよ、僕たちも泣いたよ」とほほ笑むと、「あれは初期に書いたシーンの一つ。(ディズニー・アニメーションで)1作作るプロセスには約5年がかかるんだけど、実際にアニメーションを作るのは最後の1年でのことなんだ。それまでの4年間は、ストーリーを試しまくり、言うべきことを言うのに最適な“これぞ”という方法を探っている」と切り出す。

 「あの瞬間は、彼らがついに正直に会話できるシーン。本作はアクションコメディーだけど、一番重要なシーンは、ただ2人のキャラクターが互いに話しているシーンというわけなんだ。僕たちフィルムメイカーは、あのシーンを本当に望んでいた。あのシーンを観たらすぐ、これが僕たちにとっての目指すべき“絶対的な指針”だとわかった。だから僕たちは常にあのシーンをターゲットとして、すべての時間をあの瞬間に到達させるために費やしたんだ」(ブッシュ監督)

苦手なところにばかり送り込まれていたニック

 本作には水生生物や爬虫類などが暮らす湿地の「マーシュ・マーケット」などズートピアの新たなエリアが登場するが、そうした新エリアもジュディ&ニックの関係を描く上で最も効果的なものを採用したとブッシュ監督は言う。

ADVERTISEMENT

 「もちろん『みんなを異なる場所へ連れていきたい』『観客を驚かせたい』というのもあるけど、核となるのはいつだってニックとジュディだ。だから、彼らが行くすべての場所は、彼らを“快適なゾーン”から出すことを目的としてデザインされている。第1弾ではニックは街のことを誰よりもよく知っていて、ジュディにとって“街の大使”だった。だけど本作では、二人が行くところすべてが、彼にとって初めての場所。つまり、彼にはこの関係に与えられるものがないってこと。彼らは他からの助けを必要とすることになるけど、それが彼を居心地悪くさせる。そして僕たちは、文字通り彼が苦手な場所を選んだ。彼は高所が苦手だから僕たちは彼を崖の端に置き、水中があまり得意じゃないから水中に置いた(笑)。だからそうした場所を訪れる結果として、多くのキャラクター構築が行われているんだ」と秘密を明かしていた。(編集部・市川遥)

映画『ズートピア2』は公開中

※このリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 4

左からリー・トンプソン、トム・ウィルソン、クローディア・ウェルズ、クリストファー・ロイド

 人気SF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)の公開40周年限定上映を記念したステージが7日、千葉・幕張メッセで開催中の「東京コミコン2025」で行われ、来日中のクリストファー・ロイド(ドク役)、リー・トンプソン(ロレイン役)、トム・ウィルソン(ビフ役)、クローディア・ウェルズ(ジェニファー役)が出席。日本公開(1985年12月7日)から丸40年という記念すべき日に、シリーズへの思いを語った。この日は、ゲストとしてコミコンアンバサダーの山本耕史、主人公・マーティの日本版声優を務めた三ツ矢雄二、メインMCのLiLiCoも来場した。

【画像】2人のマーティ?!撮影の裏側やメカニックの下絵も……!『BTTF』貴重写真

 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(『BTTF』)は、スティーヴン・スピルバーグ(製作総指揮)とロバート・ゼメキス(監督)がタッグを組んだタイムトラベルSFの金字塔。高校生のマーティ(マイケル・J・フォックス)が、ドク(クリストファー)が発明したタイムマシン「デロリアン」に乗って過去や未来にタイムスリップする。日本では、12日(金)より1週間限定で、史上初のIMAX(R)&4DX上映が行われる。

ADVERTISEMENT

 昨年から続いて「東京コミコン」に参加したマーティの親友・ドク役のクリストファーは、「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は本当に国際的な成功を収めることができました。なぜなのか考えてみたのですが、全ての人が『自分はどこに行きたいのか』『未来か過去か』を選択できることが楽しみだからだと思います。稲妻が走り、自分が決めたところに行くことができる。そういった映画を観ることで、観客も『自分だったらどうしよう?』という思いが芽生えるんです。次の世紀に行くのか、過去のあの時に行こうかと、さまざま場所に思いを馳せる。それこそ、タイムトラベルができるこの映画の特性だと思います」と成功の理由を分析する。

 40周年を迎えてもなお、幅広い世代に愛されている同シリーズ。マーティの母・ロレイン役のリーは「全ての人に刺さる普遍的な魅力があると思います。至って普通の人間が極端なシチュエーションの中に放り込まれ、自分と家族の人生を変えていくため、勇気を出して活動する。映画としてとてもエキサイティングですし、華やかな内容です。日本の方々は、特に趣味がいいんだと思います。私たちにとっても本当に嬉しいことです」と日本における『BTTF』人気の高さについて言及した。

ADVERTISEMENT

 いじめっ子のビフを演じていたトムは、5度の来日経験があり「日本のみなさんは、特にいいストーリーを求めていらっしゃると思います。アクション、SFはもちろん、さまざまなマシーンが登場する映画がとてもお好きだと思います。こういった要素がストーリーを動かしていくという意味では、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は優れた映画になっています」とコメント。他の映画にはあまりない特徴として「映画の根底には友情と家族愛があります。友情はマーティとドク、愛はジョージとロレイン。さまざまなアドベンチャーがそこで生まれてくるのです」とあげていた。

 さらに、マーティの恋人ジェニファーを演じたクローディアは「日本のみなさんは、ディテールにとても注意を払ってらっしゃる。この映画もすごくディテールにこだわり、1つ1つのものに必ず意味があります。何回も映画を観返してみると、今まで気がつかなかったディテールに、実はこんな意味があったということに気づくんです。それが、ストーリーをより太くしていく。日本のみなさんの素晴らしさ、完ぺきさを求める心を、世界中に教えてあげてほしいです」と会場のファンに訴えかけていた。

 イベント冒頭では、マーティのコスプレをした山本が主題歌「パワー・オブ・ラヴ」を生歌唱したほか、同じくマーティの衣装で登場した三ツ矢が、キャストに英語で質問を投げかける一幕も。三ツ矢から「マーティのことをどれほど愛しているのか?」と質問されたリーは、「とても愛しています。マーティは本当に素晴らしい存在です。マイケルも今日、ここに参加したかったはずです。素晴らしいキャストたちが、このように集まってる姿を見て、マイケルも喜んでいるはずです」と会場に来られなかったマイケルに思いを馳せていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

「東京コミコン2025」は12月7日まで幕張メッセで開催中

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 5

左からショーン・アスティン、浪川大輔、イライジャ・ウッド

 映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで主人公・フロドを演じたイライジャ・ウッドが7日、千葉・幕張メッセで開催中の「東京コミコン2025」セレブステージにサム役のショーン・アスティンと出席。ステージに駆けつけたフロドの日本版声優・浪川大輔と初めて対面し、自ら浪川を“公認声優”に認定した。

【画像】『ロード・オブ・ザ・リング』フロド&サム、日本で再会!

 25年前からイライジャの吹き替えを担当している浪川は、念願の初対面に「お会いできて本当に嬉しいです」と感無量な様子を見せる。イライジャに自己紹介した後、「15作品ぐらい(吹き替えを)担当していてるのですが、今後も僕が続けてよろしいでしょうか……?」と尋ねると、イライジャは「ぜひお願いします!」と即答。本人から正式に認められた浪川は「公認です!」とはしゃいでいた。

ADVERTISEMENT

 ちなみに、浪川は映画『グーニーズ』のソフト版でショーン演じるマイキーの吹き替えも担当している。イライジャに続いて「ショーン・アスティンさんも今度ぜひやりたいのですが……?」と本人に許可取りすると、ショーンは「ダメです!」と冗談まじりに回答。「お元気ですか?」「どういたしまして」と知っている日本語を話し、「自分で(吹き替え)できます!」と会場を笑わせながら、「日本のみなさんと純粋に繋がりたいので、ぜひお願いします!」と浪川に返していた。

 『ロード・オブ・ザ・リング』は、2027年12月17日に新実写映画『ザ・ロード・オブ・ザ・リングズ:ザ・ハント・フォー・ゴラム(原題) / The Lord of the Rings: The Hunt for Gollum』が全米公開予定となっている。タイトルの通り、同作はゴラムがメインとなる作品で、ゴラム役のアンディ・サーキスが監督を兼任。『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』三部作を手がけたピーター・ジャクソン監督も製作総指揮に名を連ねている。

 キャスト発表はまだだが、魔法使い・ガンダルフ役のイアン・マッケランは先日、同作にフロドとガンダルフが登場することをロンドンのファンイベントで明言していた。改めて、フロド再演について問われたイライジャは「私の方では肯定も否定もできないのですが……」と言葉を濁しながらも、「とある魔法使いが最近、フロドとガンダルフが出ることを示唆していましたね」とイアンの発言に触れる形でカムバックをほのめかした。

ADVERTISEMENT

 またイライジャは、サーキス監督が手がける新作について「アンディ自身が新作を牽引し、ゴラムの視点からストーリーを語ることになります。みなさんがご覧になっていないような情報もたくさん出てくると思いますし、そもそも、なぜ(スメアゴルが)ゴラムになってしまったのかというバックストーリーも解き明かされるでしょう」と期待をあおっていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

「東京コミコン2025」は12月7日まで幕張メッセで開催中

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 6

『侍タイムスリッパー』からスピンオフ誕生! - (C) 2024未来映画社

 第48回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞したインディーズ映画『侍タイムスリッパー』(2023)が、BS-TBSと未来映画社のタッグでスピンオフドラマ化されることが決定した。タイトルは「心配無用ノ介 天下御免」で、劇中の人気キャラクター・心配無用ノ介(田村ツトム)を主人公とする連続時代劇となる。2026年春に撮影開始、同年7月クールにBS-TBSでスタートする(全6話/1話30分・一話完結型) 。

【画像】スピンオフの主人公に!田村ツトム演じる心配無用ノ介

 『侍タイムスリッパー』は、幕末から現代の時代劇撮影所にタイムスリップした会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)が、時代劇の「斬られ役」として第二の人生に奮闘する姿を描く時代劇コメディー。スピンオフの主人公・心配無用ノ介は、劇中のテレビ時代劇に登場した一流の剣客で、どこからともなく現れ「心配ご無用!」という決め台詞と共に悪を成敗する。

ADVERTISEMENT

 スピンオフでは、昔ながらの勧善懲悪型で気楽に楽しめる娯楽時代劇を、令和の時代に斬新な仕掛けと共に復活させる 。超定番のベタな展開のほか、ベタさ自体にツッコミを入れる回、制作の裏側を描く回など、多岐にわたる展開が予定されている。

監督・脚本・撮影の安田淳一

 監督・脚本・撮影は、映画と同じく安田淳一が担当する。また、映画で新人助監督・優子を演じた沙倉ゆうのもスピンオフに続投が決定している。

 撮影は、2026年3月にリニューアルオープンする東映太秦映画村の全面協力のもと行われる。さらに、撮影現場を一般公開し、来場者による写真・動画撮影やSNSへの投稿が許可されるという、時代劇としては異例の試みを実施。制作側は、来場者自身が広報マンとなることで、積極的な情報拡散と話題性の獲得を目指す。また、本作の制作を通じて「映画村の撮影見学コンテンツ(ツアー)の復活」も目指し、修学旅行生、海外旅行客ほか、映画村を盛り上げるイベントの一つとしてのイベント化も目指す。(編集部・倉本拓弥)

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 7

暖簾の右下にドクロマーク&尾田先生の名前が!- ジョニー・デップ&平田広明

 来日中のハリウッド俳優ジョニー・デップ(62)が7日、千葉・幕張メッセで開催中の「東京コミコン2025」セレブステージに出席。自身のサイン会・撮影会が大幅に遅れている中、わずか7分間だけステージに登場し、日本のファンにあいさつした。ステージには、ジョニーの吹替声優でおなじみの平田広明が駆けつけ、人気漫画「ONE PIECE」の作者・尾田栄一郎がデザインした暖簾(のれん)をサプライズでプレゼントした。

【画像】ジョニー・デップ&平田広明、約10年ぶりに再会!

 ジョニーは到着早々、「みなさんには、本当に深く深く感謝したいと思います。とても温かく、親切で、寛容で、私を力強くサポートし続けてくれました。ありがとうございます」とあいさつ。

ADVERTISEMENT

 10年ぶりの再会だという平田は「少し早いクリスマスプレゼントをお渡ししたいと思います」と切り出し、ジョニーのために制作した暖簾を見せる。「日本では、歌舞伎役者、歌手、ステージアクターに暖簾を送る風習があるんですね」と説明し、「私の知り合いに海賊漫画をよく描いている男がおりまして、その海賊漫画の男に書いてもらいました。よかったら受け取ってください」と自身もアニメ声優で参加している「ONE PIECE」の原作者・尾田が手掛けたものであることを明かした。暖簾の右下には、「尾田栄一郎」と確かに刻まれている。

 東京コミコン初参加のジョニーは、2日目(6日)と最終日(7日)の2日間だけ来場し、世界初となるサイン会&撮影会を行っている。セレブチケットは撮影&サインどちらも1枚7万5,000円(税込)と高額だが、販売開始から間もなくしてソールドアウトとなった。

 ジョニーのステージイベントは当初、7日13時から30分間のステージ登壇を予定だったが、前日21時に時間変更が告げられ、グランドフィナーレ(17時25分~)直前となる16時30分からの登壇になった。

 6日の撮影会&サイン会は5時間遅れで進行しており、ジョニーはプログラム終了後も当日分のチケットを持つファンのために対応し、Xでは日付が変わるギリギリにサインをもらえたという声もあった。最終日の撮影会&サイン会の進行も大幅に遅れており、コミコン公式Xでは「本日のプログラムが終了後、18時以降も対応いたしますが、延長時間につきましては未定となります」とアナウンスされ、キャンセル希望者への手続き方法が掲載されている。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 8

ありがとう「東京コミコン2025」!

 ポップカルチャーの祭典「東京コミックコンベンション2025」のグランドフィナーレが7日、千葉・幕張メッセで行われ、クリストファー・ロイドマッツ・ミケルセンノーマン・リーダスら来日セレブ総勢17名が、日本のファンに別れを告げた。また、本日7日が誕生日のニコラス・ホルトには、サプライズとしてバースデーケーキが贈呈された。

【画像】クロージングセレモニーの様子

 映画・漫画・アニメなどあらゆるポップカルチャーが集結する国内最大級のイベントとして、12月5日から3日間にわたって行われた「東京コミコン2025」。今年はジョニー・デップをはじめとする歴代最多のセレブゲストが、日本のファンとの交流を深めた。

ADVERTISEMENT

 セレモニーには、セレブゲストのクリストファー・ロイド、マッツ・ミケルセン、ノーマン・リーダス、イライジャ・ウッドショーン・アスティンリー・トンプソントム・ウィルソンクローディア・ウェルズ、ニコラス・ホルト、ダニエル・ローガンジョン・バーンサルクリスティーナ・リッチイヴァナ・リンチショーン・パトリック・フラナリージャック・クエイドピルウ・アスベックセバスチャン・スタン浅野忠信が登場。そのほか、アメコミ界の重鎮で知られるジム・リーC.B.セブルスキー、アンバサダーの山本耕史、PR大使の伊織もえNMB48、メインMCの中丸雄一LiLiCo、アメキャラ系ライターの杉山すぴ豊、オフィシャルサポーターの関根ささらも出席した。

 今年5月の「大阪コミコン2025」以来の来日となったマッツは、初日に自身の還暦を祝うパーティーに出席していた。「先日は私のバースデーパーティーを開いてくださってありがとうございました。お酒をたくさん飲んだので20歳ほど年老いてしまった気分なのですが、みなさんにお会いして30歳若返りました」と改めて感謝した。

 東京コミコン初参加となったセバスチャンは、「みなさんは、アメイジングな素晴らしい人たちです。たくさんの愛をありがとうございます。来年も来たいです」と早くも再来日に意欲を見せた。「大阪コミコン2024」以来の来日となったノーマンは「日本のみなさん、今回はありがとうございました」とあいさつし、親友アンドリュー・リンカーンに間違った意味で教えた日本語「トイレハドコデスカ」をここでも披露していた。

ADVERTISEMENT バースデーケーキを受けとったニコラス・ホルト

 そして、バースデーボーイのニコラスは、サプライズで贈呈されたケーキを受け取ると、「みなさんと一緒に誕生日を喜ぶことができるとは、思ってもいなかったので、本当にびっくりしています」と感謝。「このケーキは独り占めして、帰りの飛行機の中で食べたいと思います」と嬉しそうに語っていた。

 なお、毎年セレモニー内で発表されていた来年度の「東京コミコン」「大阪コミコン」に関する発表はなく、現時点で公式情報は出ていない。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 9

「コードギアス 星追いのアスパル」 - (C)SUNRISE/PROJECT GEASS

 7日、テレビアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」(2006~)をはじめとする「コードギアス」シリーズの20周年に向けた企画が、7日に開催された「コードギアス Project “To 20th” イベント」イベントで発表され、完全新作となる「コードギアス 星追いのアスパル」が制作されることが明らかになった。

【画像】田祐希主演「量産型リコ」に登場したランスロット

 新たなコードギアスの物語が動き出すという「コードギアス 星追いのアスパル」。監督を野村和也、シリーズ構成を野崎まど(「崎」は「たつさき」)が担当。キャラクターデザインにろるあ、さらに“アガルマータデザイン”としてYoshi.がクレジットされている。

ADVERTISEMENT 「コードギアス 奪還のロゼ」(C)SUNRISE/PROJECT G-ROZE Character Design (C)2006-2024 CLAMP・ST

 また、2024年に全国の劇場で先行上映され、Disney+(ディズニープラス)で世界独占配信中の「コードギアス 奪還のロゼ」(全12話)が、2026年7月よりテレビ放送されることも決定した。放送局などの詳細は、公式サイトと公式SNSで後日発表される。

 さらに、過去の劇場作品を振り返る「コードギアス 20周年記念復刻上映会 Road to CODE GEASS 20th Year」の開始が、2026年1月6日に決定。「コードギアス 反逆のルルーシュ」劇場総集編3部作、『コードギアス 亡国のアキト』全5章、『コードギアス 復活のルルーシュ』、そして『コードギアス 奪還のロゼ』全4幕が、全国114館にて、2026年6月まで隔週火曜日と木曜日に順次上映される。

ADVERTISEMENT

 そのほかの記念企画として、2026年9月に東京、11月に大阪で「コードギアス 20周年記念展覧会」が開催されることが決定。また、VTuberの鷹嶺ルイが「コードギアス」シリーズ宣伝アンバサダーに就任したことを記念して制作された、オリジナルナイトメアフレーム「ヴィンセント・ホーク」がゲームアプリ「スーパーロボット大戦DD」に期間限定で参戦。パイロット「ルイ・ホークアイ」の声を鷹嶺ルイが担当する。

(C)SUNRISE/PROJECT MUSICAL GEASS

 さらに、ミュージカル「『コードギアス 反逆のルルーシュ 正道に准ずる騎士』2」が2026年1月23日から25日にクールジャパンパーク大阪 TT ホール(関西公演)、1月29日から2月1日にヒューリックホール東京(東京公演)で上演。メインビジュアルと枢木スザク役の赤澤遼太郎、ルルーシュ・ランペルージ役の小南光司らのキャラビジュアルが公開された。

ADVERTISEMENT

 商品情報も発表され、「奪還のロゼ」のHGシリーズでのプラモデル化が決定。第1弾はZi-アポロ、またZi-アルテミスの商品かも決定した。さらに可動フィギュアシリーズS.H.Figuartsより「反逆のルルーシュ」が再始動。そのほか、C.C.のプライズフィギュア化(BANPRESTO EVOLVE)が2026年夏に登場予定、るかっぷシリーズからのルルーシュ(ゼロ)とC.C.の商品化、ハイクオリティフィギュア「G.E.M.シリーズ」のL.L.とC.C.の再販などが告知された。

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 10

ガンダムW×コードギアス! コミカライズ企画が始動 - (C)創通・サンライズ (C)SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design (C)2006-2017 CLAMP・ST

 2026年に20周年を迎える、テレビアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」と、2025年に30周年を迎えた「新機動戦記ガンダムW」のコラボレーションが決定し、コミカライズ企画が進行中であることが明らかになった。

 この情報は、7日に開催された「コードギアス Project "To 20th" イベント」で、シリーズ20周年施策の一つとして発表されたもの。小笠原智史によるコミカライズで、新たな物語が漫画で展開される。

 2006年からの「コードギアス 反逆のルルーシュ」、2008年からの「コードギアス 反逆のルルーシュR2」放送で大ヒットとなった「コードギアス」シリーズは、スピンオフ作品やコミカライズ、イベントや舞台化など、多方面に渡るメディアミックス展開で、今なおファンから熱い支持を獲得している。この日は、2026年に迎えるシリーズは20周年向けて、ディズニープラスで配信中の「コードギアス 奪還のロゼ」のテレビ放送や、完全新作「コードギアス 星追いのアスパル」の制作などが発表された。

ADVERTISEMENT

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 11

生田斗真演じる斎藤十郎兵衛 - (C)NHK

 横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の第47回が7日に放送され、生田斗真が一人二役を演じていることが明らかになった。生田は、第11代将軍・徳川家斉の父である一橋治済に加え、治済と瓜二つの顔を持つ能役者・斎藤十郎兵衛(さいとうじゅうろべえ)を担う。事前告知なしのサプライズとなり、SNSでは驚きの声が上がった。

【画像】生田斗真演じる“極悪”一橋治済

 喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見いだし、東洲斎写楽を世に送り出し“江戸のメディア王”として名を馳せた版元・蔦屋重三郎(横浜流星)の生涯を描く本作で、一橋治済として江戸城のパートに登場していた生田。前・第46回では、松平定信(井上祐貴)の治済への天誅計画が描かれ、ラストシーンに生田演じる治済とも別人ともつかない男が登場し、視聴者は「どういうこと!?」「ちょっと頭が追い付かない」と混乱に陥った。

ADVERTISEMENT

 第47回では、その男が阿波蜂須賀家お抱えの能役者・斎藤十郎兵衛であったことが判明。冒頭、「長谷川様、このお方は……?」と長谷川平蔵宣以(中村隼人)に尋ねる蔦重に、平蔵は「替玉」と紹介し、町中でこの男と出会ったときのことを回想する。史実では、斎藤十郎兵衛が絵師・東洲斎写楽の正体であることが有力視されているとあって、SNSでは「脳がバグる」「まさかの斎藤十郎兵衛!」「ここでこの名前出るの凄すぎる」「凄いな、脚本」「こうきたか」「替え玉、似すぎている…」「怒濤の展開」「顔一緒なのに違う人に見える生田斗真凄い」と驚きの声が上がった。

 斎藤十郎兵衛は、平蔵も見間違え、十郎兵衛を知っていた柴野栗山(嶋田久作)も治済に初めて拝謁した際、凝視してしまうほど(第35回)治済と瓜二つの顔をしている。やがて、定信らが計画する仇討ちに蔦重とともに、替玉として巻き込まれていく……。

 オープニングの生田の役名クレジットにも一橋治済/斎藤十郎兵衛とあり、一人二役を担う生田は「一橋治済、ではございません。斎藤十郎兵衛と申します。まさか治済と斎藤十郎兵衛が瓜二つだったという設定がここででてくるなんて、森下脚本恐るべしという感じでございます。現場も、とてもとてもざわつきました。僕の心もざわつきました。楽しんで演じさせてもらっています。最後ギリギリまで仕掛けがたくさん散りばめられているので、たくさんの方に楽しんでいただけるんじゃないかと思っています。最終回、治済と十郎兵衛がどうなっていくのか、お楽しみに」とコメントを寄せている。

斎藤十郎兵衛と大崎(映美くらら)

 最終回(48回)は14日、15分拡大放送となる。(石川友里恵)

※このリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 12

スピンオフの主人公・心配無用ノ介役の田村ツトム&“情け無用ノ介”役で出演する加藤雅也

 俳優の加藤雅也が7日、都内で行われた映画『侍タイムスリッパー』のトークショーに登壇し、同作の出演オファーを断っていたことを明かした。この日は、「心配ご無用!」が決め台詞の剣客・心配無用ノ介役の田村ツトム、新人助監督・優子役の沙倉ゆうの、斬られ役俳優の安藤彰則、監督・脚本・撮影などを務めた安田淳一も出席。イベントでは、初のスピンオフドラマとなる連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」の制作が発表された。

【画像】スピンオフの主人公に!田村ツトム演じる心配無用ノ介

 2024年日本アカデミー賞最優秀作品賞など、数々の賞を受賞した映画『侍タイムスリッパー』は、幕末から現代の時代劇撮影所にタイムスリップした会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)が、時代劇の「斬られ役」として第二の人生に奮闘する姿を描く時代劇コメディー。

ADVERTISEMENT

 スピンオフドラマは、劇中のテレビ時代劇の登場人物で、どこからともなく現れ、決め台詞「心配ご無用!」とともに悪を成敗する一流の剣客・心配無用ノ介(田村)を主人公に、勧善懲悪型の気楽に楽しめる娯楽時代劇を、低予算ながら令和の時代に斬新な仕掛けと共に復活させる。撮影は2026年春にスタート予定で、同年7月クールにBS-TBSで放送される(全6話/1話30分・一話完結型) 。

 加藤は「皆さん初めまして、山口馬木也です。さっき監督から『絶対来てよ』と言われて、そんなに暇ではないけど、近くでラジオの収録をやっていまして」とあいさつし、観客の笑いを誘う。安田監督は、過去に『侍タイムスリッパー』の舞台あいさつに登場してもらうなど交流のある加藤について、「心配無用ノ介として一回オファーしました」と明かすと、加藤は「やっといたらよかった。こんなになるなら」と後悔をにじませ、「(同作の撮影)スケジュールがめちゃくちゃ大変。『監督無理やで、1週間前に言うても……』ということでお断りをしたけど、監督がわざわざ京都から東京まで会いに来てくれはって。その熱意で、なんとかしようとしたけど、どうにもならんかった」と振り返った。

ADVERTISEMENT 心配無用ノ介のスピンオフ始動!- 左から安藤彰則、沙倉ゆうの、田村ツトム、加藤雅也、安田淳一監督

 そんな加藤に関して、安田監督は「単に賑やかしに来てもらったわけではありません」と切り出し、「心配無用ノ介は田村さんが主役なんですけど、(放送話全)6回のうち1回は加藤さんが主演の“情け無用ノ介”の回があります」と発表。加藤は「情け無用ノ介は何も問答する前にボーンと斬る」と役紹介すると、安田監督は「このテレビシリーズ、こんなにも自由奔放に意見を出してOKになる」と喜び、「1回目はベタ(な時代劇)。2回目はベタにツッコミを入れながら。3回目はなぜ、ゆうのちゃんが出ることになったのかの舞台裏。その次にしれーっと『情け無用ノ介』のタイトルからはじまる」と説明。そして、「ちゃんと(映画の)世界線を壊さないように頑張っていきます」と意気込み、ファンの期待をあおった。

 その後、安藤がMCに絡み、心配無用ノ介の役衣装の田村が成敗するという流れの小芝居がはじまるが、加藤が割って入り「斬るで」と田村から刀を奪い、斬る演技。会場は大いに沸くが、安田監督は「段取りが違う」と制止。2回目も3回目も、加藤が乱入して大盛り上がり。しかし、最後は田村が無事に心配無用ノ介を演じ切り、会場は歓声と拍手が鳴り響いた。

 加藤は締めの挨拶で、「問答無用ノ介……情け無用ノ介ね」と言い間違えながらも「これがまたスピンオフして、どんどんつながって行くといいな。まぁ頑張りますから、よろしくお願いします」と呼びかけていた。(錦怜那)

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 13

第47回より生田斗真演じる能役者・斎藤十郎兵衛 - (C)NHK

 横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の7日放送・第47回では、一橋治済役で出演していた生田斗真が能役者・斎藤十郎兵衛を演じていることが明らかになったが、生田斗真が一人二役を担うことになった理由を制作統括の藤並英樹が語った。

【画像】生田斗真が一人二役!第47回

 生田演じる一橋治済は、八代将軍・徳川吉宗の後継者対策に端を発して作られた「御三卿」の一つである一橋徳川家の当主。吉宗の孫にあたり、十代将軍・徳川家治(眞島秀和)とは“いとこ”。次々と将軍後継者が早世する中、最後に残った治済の息子・家斉が十一代将軍となり、治済は「将軍の父」としてすべての富と権力を得るようになる、という役どころ。これまで自身は手を下さずして、将軍候補だった徳川家基(奥智哉)、老中首座・松平武元(石坂浩二)、老中・田沼意次(渡辺謙)の嫡男・田沼意知(宮沢氷魚)、家治ら多くの命を奪い、人を意のままに操る傀儡(くぐつ)師のような恐ろしい人物として描かれた。

ADVERTISEMENT

 前話のラストから47回にかけて、斎藤十郎兵衛という新たな人物が登場。斎藤十郎兵衛は阿波蜂須賀家お抱えの能役者で、絵師・東洲斎写楽の正体とも言われる人物。これを演じているのが生田で、事前告知なしのサプライズ展開となったが、藤並は経緯をこう語る。

 「生田さんの一人二役が決まったのは、確か今年の4月、5月頃。元々、斎藤十郎兵衛役をどうしようかっていうのはずっと考えていたんですけども、生田さんに演じていただいた一橋治済がドラマの中で魅力的な、憎らしいキャラクターになっていった。史実では治済は長生きするのですが、脚本の森下(佳子)さんと何かしら罰を与えたいよねっていう話になって。その罰の1つのトリックとして、斎藤十郎兵衛、要は素性があまりよくわからない人物をうまく使えないかという話が春先ぐらいに出て“面白そうですね”“せっかくなので生田さんに1人2役でやってもらいましょう”という話になりました」

 斎藤十郎兵衛を生田に依頼した理由については「十郎兵衛は能役者なんですけど、主役じゃなくて脇役なんですよね」と切り出す藤並。「森下さんとチーフ演出の大原(拓)とも話したところ、これはこの時代の全ての人に共通することであり、実は「べらぼう」の大きなテーマでもあるんですけど、みな生まれながらの分とか家に縛られていた。そこから脱却したのが、蔦屋重三郎(横浜流星)や老中・田沼意次。十郎兵衛も蜂須賀家の家臣としての出自、脇役という分に縛られながら、どこか主役に憧れていたり、もっと面白いことを目指したいといった欲がある人として描いた方が面白いんじゃないかと。彼はある意味哀しい人であり、実は治済と真逆。だからこそ、治済を演じる生田さんご自身にやっていただけたらとても面白いだろうと」

ADVERTISEMENT 第47回より一橋治済(生田斗真)

 ところで生田自身は一人二役の話が舞い込んだ際、どんな反応だったのか?

 「これまで多くの方と“写楽役は決まっているんですか?”“まだ決まっていないんです”という会話をしていて、生田さんとも同様のやりとりがあったのですが、生田さんさんに斎藤十郎兵衛と二役をお願いできませんか、と先の展開をご説明したところ“めっちゃ面白そうですね”と。すごく楽しみにしてくださって。治済も魅力的に演じてくださってるんですけど、十郎兵衛も十郎兵衛らしく演じてくださっていて、立ち方、喋り方などそれぞれ見事に演じ分けてくださった」

 なお、治済による暗殺は毒が常套手段だったが、第46回でも毒まんじゅうによって多くの命が奪われることとなった。治済の人物造形は藤並、脚本・森下、チーフ演出・大原が組んだドラマ「大奥」で仲間由紀恵が演じた一橋治済の影響が大きかったとか。また、藤並は治済のとりわけ印象深いシーンとして、8月10日放送・第30回での“狂気の舞”を挙げる。大雨により利根川が決壊する甚大な被害がもたらされたにもかかわらず、治済はそれを好機ととらえたのか全身で喜びを表す場面だ。

ADVERTISEMENT

 「初っ端の東本願寺で撮影したロケから、生田さん演じる治済という人物は捉えどころのない面白みのある人だなと感じていましたが、すごく印象に残っているのが大雨の中で踊り回っている場面。台本上では治済が舞うとは書かれていなかったんですけれども、演出と生田さんが加えてくださった。そのことで治済の狂気、底知れなさみたいなものを表現できたように思います」と生田の期待を上回る名演を称えていた。(編集部・石井百合子)

※このリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 14

第47回より蔦重(横浜流星)と松平定信(井上祐貴)胸アツのシーン - (C)NHK

 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の物語はいよいよクライマックスへ。質素倹約を掲げた「寛政の改革」を断行し、出版統制によって蔦屋重三郎ら江戸の町人たちを締め付けた松平定信。しかし、その仮面の下には、国を憂うあまりに不器用な人間味が隠されていた。7日放送・第47回「饅頭こわい」で、かつて敵対した蔦重(横浜流星)との雪解けの瞬間。演じた井上祐貴が、撮影の裏側と定信への愛着を語った(※ネタバレあり。第47回の詳細に触れています)。

【画像】井上祐貴「嫌いにならないで」 W定信トークショーの様子

蔦重と“雪解け”の夜 「ツンデレ」な本音が漏れた瞬間

 大河ドラマ第64作「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は、江戸のメディア王として時代の寵児となった蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈な生涯を描く物語。親なし、金なし、画才なしの「ないない尽くし」から始まった蔦重が、喜多川歌麿や葛飾北斎(勝川春朗)らを見出し、やがて老中・田沼意次(渡辺謙)の失脚や、松平定信による寛政の改革という時代の荒波に揉まれながらも、“べらぼう”な夢を追いかける姿を鮮烈に映し出す。

ADVERTISEMENT

 歴史上、松平定信といえば「白河の清きに魚も住みかねてもとの濁りの田沼恋しき」と狂歌に詠まれた通り、潔癖すぎる改革者として知られる。しかし、本作で井上が演じた定信は、理想と現実の狭間で揺れ動く、あまりにも人間臭い青年だった。そして迎えた第47回「饅頭こわい」では、これまで対立関係にあった蔦重と定信が、二人きりで言葉を交わすシーンが描かれる。それは、視聴者が待ち望んだ“雪解け”の瞬間であり、井上自身にとっても予想外の展開だったという。

 「そうですね。演じている僕自身もそうですが、おそらく定信自身も、一番想像していなかったことだったのではと思います。あの瞬間、二人きりで、あの距離感で話すことになるとは思っていなかっただろうなと思うので、。その驚きのような感覚を残しつつ、あの会話のシーンには臨みました」

 張り詰めた空気ではなく、どこか静謐な時間が流れる空間。かつては法の番人と罪人のような関係だった二人が、互いの腹の内をさらけ出す。しかし、そこは長年染みついた定信の性分なのだろうか。素直に心を開くのではなく、独特の間合いが生まれたようだ。

 「そこがまた新鮮でしたし、定信としては、相手の出方を伺う癖が抜けていない、と言いますか。“どう返してくるだろうか”と考えてしまう。だからこそ、何かを伝える際にも少しシャイな部分が出てしまったのだと思います」

ADVERTISEMENT

 厳しい表情の裏で見え隠れしていた、定信の可愛らしさや不器用さ。「金々先生(栄花夢)よりこちら、黄表紙はもれなく読んでいる。春町は我が神。蔦屋耕書堂は神々の集う神殿(やしろ)であった」と語り、自身が死に追いやってしまった、恋川春町(岡山天音)への懺悔を素直に口にするなど、定信の“人間らしさ”が一気に噴き出るシーンだった。井上は、この重要なシーンに込められた感情を、ある現代的な言葉で表現した。

 「一言で言えば“ツンデレ”のような感情が凝縮された、非常に内容の濃いシーンになっていたと感じています。ご覧いただく皆様の心に残るシーンになっていれば嬉しいですね」

 撮影の順序としては、このシーンがクランクアップではなかったという。通常、役づくりにおいてはゴールから逆算して感情を積み上げる手法もあるが、今回は全く異なるアプローチとなった。それは、脚本を担当する森下佳子氏が描く予測不能なストーリーテリングによるものだった。

 「あのシーンを逆算してこれまでの演技をしていたわけではありません。クランクインした段階では、ああいうシーンがあること自体、当初は知りませんでした。以前取材をしていただいた時点では、まだ蔦重とのシーンは撮影しておらず、私が把握していた台本は、最初の『身上半減』を伝える場面まででした。なので、その先で蔦重とどれだけ深く関わることになるのか、あの時点では全く知りませんでした」

ADVERTISEMENT 蔦重と共に亡き恋川春町に思いを馳せる定信

 台本が届くたびに驚かされる日々。まさか、自身が追いつめたはずのメディア王と手を組み、さらには黒幕である生田斗真演じる一橋治済への復讐劇へと転じるとは、誰が予想できただろうか。

 「まさかこんな風に手を組んで、一橋に復讐する展開になるとは、当時は考えてもいませんでした。なので、本当に先が分からない状態でずっと収録に臨んでいましたね」

 先の展開を知らずに演じてきたからこそ、耕書堂での会話には、積み重ねてきた迷いや葛藤がリアルに滲み出ることになった。計算された演技ではなく、定信として生きてきた時間の集積が、あの場所に結実したのだ。

 「あのシーンの台本をいただいた時には、すでに収録もかなり進んでいましたが、先ほどもお話したように、今までの定信が持つ人間味や人間性が凝縮されたようなシーンだと感じました。素直になれないけれど、言いたいことは伝えなければならない、といった葛藤があり、それでいて相手の反応をしっかりと伺っている。さまざまな感情が内包されていました」

ADVERTISEMENT

 主演の横浜流星とは、このシーンについて言葉を交わすことはほとんどなかったという。言葉などなくとも、役として対峙すれば通じ合うものがある。監督を交えた確認はあったものの、二人の間には阿吽の呼吸が成立していた。

定信が“敗者”として終わらない意外な結末

 そして話題は、物語の核心である結末へと及ぶ。第11代将軍徳川家斉の父として権勢を振るった一橋治済をも巻き込んだ最終的な着地点について、井上は脚本を受け取った時の高揚感を隠さない。

 「うーん……全く想像もしていなかった展開だったので、“ああ、こういう終わり方をするんだな”と驚きました。非常に面白いですし、いかにも『べらぼう』らしい、そして脚本の森下さんらしい結末だと感じました。いろいろな『らしさ』が詰め込まれた、最後の山場だと思います」

 史実における松平定信は、老中失脚後、失意の中で表舞台を去ったイメージが強い。しかし、この『べらぼう』という世界線において、彼は単なる敗者として終わることはなかった。「しっかりと人間味あふれる人物として描いていただけたのが、とても嬉しかったです。少しだけですが、“報われたのかもしれない”と感じました。白河藩主時代のヒーローとしての活躍は描かれていませんから。もちろん、視聴者の皆様はその史実をご存知だとは思いますが、物語としては、省略されています」と一年間この役を生き抜いた井上自身へのご褒美のようにも感じられたという。

 厳格な改革者でありながら、誰よりも繊細で、誰よりも不器用だった男、松平定信。そんな定信が蔦重に見せた一瞬の雪解けと、その先に待つ結末は多くの人々の心に刻まれるだろう。(取材・文:磯部正和)

※このリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 15

「べらぼう」最終回より北村一輝演じる本居宣長 - (C)NHK

 横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の14日放送・最終回に、北村一輝が和学者・本居宣長(もとおりのりなが)役で出演することが明らかになった。北村にとって大河ドラマへの出演は2009年放送「天地人」(上杉景勝役)以来となり、北村は「久しぶりの大河ドラマへの参加となりましたが、刺激的で心から楽しむことができる役所でした」とコメントを寄せている。

【画像】蔦重が脚気の病に倒れる…最終回場面写真

 北村演じる本居宣長は、主人公・蔦屋重三郎(横浜)が宣長の著述を江戸で売り広めようと、伊勢・松坂まで訪ねる場面で登場。史実では、現存する日本最古の歴史書「古事記」を研究し、「古事記伝」を執筆。また医者としての一面ももっていた。

ADVERTISEMENT

 北村は出演にあたり「友人から「べらぼう」が面白いと聞きオンデマンドで見始めたところ、いつの間にか一視聴者として物語に深く惹き込まれていました。まさか、自分に出演のオファーが届くとは大変驚きました。本居宣長という人物は「古事記」を解読したことで知られる医学、和学者でありその思想や生涯に非常に興味深く感銘を受けました。久しぶりの大河ドラマへの参加となりましたが、刺激的で心から楽しむことができる役所でした」とコメントを寄せた。

 14日放送・最終回は、15分拡大放送。サブタイトルは、何と「蔦重栄華乃夢噺」。店を再開した蔦重が写楽絵を出し続け、更にその後、新たに和学の分野に手を広げたり、本屋として精力的に動く。しかし、ある日、蔦重は脚気の病に倒れてしまう。てい(橋本愛)や歌麿(染谷将太)たちが心配する中、病をおして政演(古川雄大)や重政(橋本淳)、南畝(桐谷健太)、喜三二(尾美としのり)ら仲間とともに作品を作り、書を以って世を耕し続ける。そして蔦重は、ある夜、不思議な夢をみる……というストーリーが描かれる。(石川友里恵)

※このリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。


Page 16

第47回より11代将軍・家斉(城桧吏)とその父・一橋治済(生田斗真) - (C)NHK

 日本の歴史において長年謎とされてきた絵師・東洲斎写楽。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)では、その正体について「複数人説」を採用し、目的が松平定信(井上祐貴)ら江戸城の面々による仇討ちという大胆な展開を繰り広げた。その経緯、意図について脚本の森下佳子が語った(※ネタバレあり。第47回の詳細に触れています)。

【画像】生田斗真が一人二役!第47回場面写真

 大河ドラマ第64作「べらぼう」は、江戸時代中期、貸本屋から身を興して書籍の編集・出版業を開始し、のちに江戸のメディア王として時代の寵児となった蔦屋重三郎(横浜流星)の物語。最終回(48回)直前、クライマックスの蔦重による最後の打ち上げ花火、として描かれたのが写楽を巡るエピソードだ。

ADVERTISEMENT

 事の発端は、一橋治済(生田斗真)に失脚させられた松平定信が「諸悪の根源」である治済に天誅を下す決意をしたこと。定信は、元大奥総取締・高岳(冨永愛)、火付盗賊改方・長谷川平蔵宣以(中村隼人)、意次の元側近・三浦庄司(原田泰造)、儒学者の柴野栗山(嶋田久作)ら治済に恨みを持つ者たちと手を組み、蔦重に接触。この計画でキーパーソンとなったのが、かつて治済の陰謀によって亡き者にされた平賀源内(安田顕)だった。定信から、源内が生き伸びているかのような噂を流してほしいとの命を受けた蔦重は、源内が描いたものと連想させる役者絵を開発し、歌舞伎の興行にあわせて売り出すことを思いつく。喜多川歌麿(染谷将太)をはじめとする絵師たちが合作により「写楽」の名で役者絵を完成させ、蔦重の思惑通り市中には写楽=源内説が流布。一方、定信は治済と瓜二つの能役者で阿波蜂須賀家抱えの斎藤十郎兵衛(生田斗真の一人二役)を治済の替え玉とすべく画策する。

第46回より治済に毒まんじゅうを食べさせられる大崎(映美くらら)

 森下いわく、写楽の話に定信のかたき討ちを取り入れたのは当初は予定していなかったとのこと。

ADVERTISEMENT

 「写楽に関しては初めは違う出口を考えていて、途中で方向性を変えた経緯があります。初めは仇討ちを具体的な形で描こうとは考えていなかったんです。初めに考えていた出口っていうのは、蔦重が写楽という謎を仕掛けることでした。斎藤十郎兵衛という名前が出るまで、全部折り込み済みの謎ゲーを残したみたいなイメージ。結局写楽が誰かというのは今は一応(斎藤十郎兵衛のかたちで)決着していますけど、後年みなが正体を巡って走り回らされたわけじゃないですか。このこと自体が蔦重の思惑だとしたら、時を超えたすごい仕掛けだなと思って、初めはそういう風な出口を考えていました。治済に対する仇討ちは今生では下せないけれど、それは歴史が下すだろうと」

 一度はそう考えながら、芽生えたある思いから変更するに至ったと森下は話す。

 「要は権力を持って隠れて好き放題やっていた卑怯者(治済)に誰も感銘は受けないだろうけど、例えば平賀源内だったら非業の死を遂げてものちに(香川に)「源内通り」ができたりする。そういう風に、懸命に生きた人たちの跡形は残るのだから、それは復讐と言えるのではないかと考えていました。でも、これってものすごく観念的だなと思って。果たしてこれで(視聴者の方々は)スッキリするんだろうか、スッキリしないんじゃないか、スッキリする方法はないのかな……と考えているうちに出てきたのが現在の形です。写楽や絵に関しては当初のプラン通りなんですけど、定信のかたき討ちと合わせることにしたのは途中で思いついたことです」

ADVERTISEMENT 斎藤十郎兵衛(生田斗真※一人二役)、松平定信(井上祐貴)、柴野栗山(嶋田久作)、蔦屋重三郎(横浜流星)

 第46回では、写楽が定信の計略の一つであることを見抜いた治済が反撃に出て、その結果、定信の多くの家臣が命を落とし、その危険は蔦重の身や奉公人にも及ぶこととなった。しかし、ここでめげないのが蔦重。治済の悪行を止めることができるのはその息子で11代将軍である家斉(城桧吏)と考えた蔦重は、定信に治済を葬る奇策を提案し、その結果、治済は阿波へと送られた。治済は劇中、自ら手を下さずして人を意のままに操り命を奪う傀儡(くぐつ)師のような人物として描かれてきたが、治済をいわゆる“ラスボス”としたこと、キャラクターに込めた思いを森下はこう語る。

 「当初からの設計ではあったんですけど、祟られたらどうしようって……。この人がずっとこの地位に居続けたのは確かなのですが、(治済の悪行の数々に対する)確かな証拠は1つもないので“そんなことしてないよ!”って。ニュースなどを見ていると結局、表に出てこないけど采配している者が1番偉いだなということが見えるじゃないですか。きっと治済もそういう人だったんだろうなという思いもありつつ、例えばイーロン・マスクとか成功者でパワフルで権力を手にしたいと思っている人って往々にしてめっちゃ子供を作りたがるものなんだなと。それは昔からのことで藤原氏の時代から子だくさんは勢力の象徴だったと思いますし、今は廃れたように見えるけど、その発想はまだまだ生きていますよ、という気分はあったでしょうか」

 写楽の正体は複数人だったことに加え、かつて蔦重ら本屋や絵師、戯作者たちを苦しめた松平定信が、蔦重と共闘関係に転じるまさかの展開。史実に大胆なフィクションを交えたミステリー仕立てのストーリーで視聴者を魅了した。(編集部・石井百合子)

※このリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。

関連記事: