トランプ氏、対ロシア制裁に慎重姿勢-米側の「莫大な」コストを懸念
Josh Wingrove
- 「合意が結ばれるか」見たいとし、制裁が与える影響に懸念示す
- 欧州、ロシアを交渉のテーブルにつかせるため働きかけ強めたい考え
トランプ米大統領は、カナダのアルバータ州で開催中の主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)で、対ロシア制裁強化に慎重な姿勢を示した。ロシアを交渉のテーブルにつかせるため働きかけを強めたい同盟国首脳の圧力を一蹴した。
トランプ氏は新たな経済制裁を検討していると繰り返し述べてきたが、行動に移していない。制裁に踏み切らない理由について記者団から問われると、「合意が結ばれるかどうか」を見たいと述べるとともに、対ロ制裁が米国に与える影響への懸念を表明した。
「忘れてならないのは、制裁には莫大なコストがかかることだ。私がある国に制裁を科すと、米国には巨額のコストが発生する。莫大(ばくだい)な額だ」とした上で、「単に文書に署名するという話ではない。制裁には何十億、何百億ドルという金額がかかる。そんな簡単なものではない。一方通行ではない」と語った。
欧州各国首脳は、ウクライナでの戦争終結に向けロシアのプーチン大統領をより誠実な交渉に追い込むことが重要だとして、トランプ氏に対し新たな制裁実施を求めている。
トランプ氏はロシアとウクライナの双方に不満を示している。今月にはドイツのメルツ首相との会談で、他国は「しばらく彼らを戦わせておけばいい」と述べ、トランプ氏がウクライナを見捨てるのではないかと懸念する同盟国の間で、さらに動揺が広がった。
トランプ氏は欧州が制裁を求めていることに関する質問に対し、「欧州はそう言っているが、まだ実行していない。まず彼らがやるのを見てみよう」と答えた。
原題:Trump Says Russia Sanctions Would Cost US ‘A Lot of Money’(抜粋)
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