「解体した遺体を煮る」「内臓の食べ方を検索」21歳女性をバラバラにした斎藤純被告(31)、遺族は「娘はお前のおもちゃじゃない」と悲痛な思い(NEWSポストセブン)
少年時より殺人願望があったという被告。web上で自殺願望がある旨を書き込んでいたBさんと連絡を取り、2015年に殺害していた斎藤被告は、さらに欲望を加速させてAさんの承諾殺人に至る——裁判ライターの普通氏がレポートする。【前後編の後編。前編から読む。※本記事には一部ショッキングな犯行態様が含まれます】
検察官の冒頭陳述などによる主張をもとに、Aさんへの犯行の経緯を伝える。 Bさんの事件後、斎藤被告は地元紙を購入するなどしてBさんの死亡を確認しようとしたが、確信を持つにいたらなかった。それにより、次の犯行は十分に準備を行うという思いになったのだという。 Aさんの承諾殺人は2018年のことであった。その前年の2017年には、男女9名が殺害され、遺体が切断されるなどした「座間殺人事件」が起きていた。被告はそのニュースを見て、自身も同じ思いを持ったのだという。 SNSでAさんと出会い、Bさんのときと同様、Aさんが睡眠薬を服用した後に被告が殺人を実行する承諾を得た。ただBさんのケースとは違って、「Aさんの遺体を解体すること」「遺体がAさんの遺族に見つからないこと」も求め、Aさんの事前承諾を得たという。 その後、被告は、遺体の保管に用いるために発泡スチロールや氷などを用意、また内臓を食べようと調理法を検索したという。何が被告をそこまで駆り立てるのかわからず、淡々と検察官が読み上げる。
ところが、Aさんから「申し訳ないですが、行くのやめます」と中止を申し出られた。しかし斎藤被告はAさんと直接会うなどし、改めてAさんに決意させた。 事件当日、Aさんは「住み込みバイトへ行く」と言い残して自宅を出た。被告はAさんに、位置情報などの証拠が残らないようスマートフォンの初期化などを指示。さらに遺体の腸に便が残らないように下剤と、遺体を解体するナイフなどを用意した。 Aさんに遺書を書かせている間、被告はハシゴにロープで作った輪をかけて準備していた。そして、睡眠薬を渡し「飲んだら引き返せない」、「嫌なら帰っていい」と伝えた。 その後、Aさんがベッドに横たわって眠る様子をカメラで撮影したのだという。眠ったのを確認し、用意した輪っかに首をかけ、5~10分ほど引っ張ってAさんを殺害した。 殺害後、Aさんの遺体を解体した。頭部を切断し、手足も切断した。その後、刃物で肉を削ぐなどして骨のみにし、身体の部位はヒーターを使って水で煮たりしたという。その後、頭蓋骨を保管し、キャリーケースには他の骨も入れておいた。 犯行は斎藤被告の自宅で行なわれたというが、その自宅が両親と一緒に住む実家だったのか、今回の公判で現段階では明らかにされていない。 その事件以後も、被告は背後から他人のスマートフォンを盗み取る犯行を繰り返した。盗んだスマートフォンはSIMカードを抜くなどし、GPSを使えなくして自宅の冷蔵庫に保管しておいた。 その窃盗事件の嫌疑で被告人宅に捜索に入った際に、Aさんの頭蓋骨が発見され次々と事件が発覚した。Bさんについても、髪の毛を保管していたのだという。 逮捕当時、被告は両親と同居していた。その両親の供述調書からは、なぜ自宅の頭蓋骨などが長期間発見されなかったのか、判然としなかった。
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被告人の願望によって大切な家族を奪われたAさん、Bさんの両親は怒りに震えており、その気持ちを取調べにてぶつけている。 Aさんの両親は、「住み込みのバイトをする」と言い残して娘と連絡が取れなくなって以降、とりつかれたかのようにその行方を追ったという。一年間毎日のようにポスターを配り、それが3年、5年と続くと肉体的、精神的に限界に近づいていった。殺人事件のニュースを見るたびに、「Aさんのことではないか」としたくもない想像をした。 そんな中で7年経ったある日、警察から骨が見つかったと連絡を受けた。覚悟はしていたが、その骨にはネジが埋められていたり、一部しか見つからなかったと聞き憤った。 「私の娘は、切られたり、食べられたり、お前(斎藤被告)のおもちゃのために生まれてきたのではない」 怒りの気持ちはさらに続く。 「許されるなら被告人を殺したい、バラバラにしたい。極刑を望む。仮に死刑が執行されても浮かばれない。私たち家族の魂は死んだも同然だ」 Aさんの遺書も読み上げられた。以下、聞き取れた範囲で再現する。 「自分勝手でごめん。幸せな人生だった。いろいろな人がいる、理解しないでいい。誰も間違っていない、私が間違っている。両親には悔いもしないでほしい」
Bさんの両親は事件の1~2か月前より、Bさんから悩みを打ち明けられていた。Bさんの母親が事件当時、毎日連絡していたのも、それを心配してのことだった。 そんな中、Bさんの母親に対し、Bさんから「死ぬんでなく、殺される」とメッセージがあったのだという。このことから、両親としては「娘が自殺を望んでいた」ということへの疑いを隠し切れない。Bさんの母親は調書にて斎藤被告に問う。 「承諾があったと言いますが、あなたの計画ですよね? 本当に自殺したいのか、納得できるBの理由を聞いていませんよね? 自慢の娘を返してください。極刑を望みます」 前編でも伝えたが、Bさんの父親は被告人と顔を合わせている。見知らぬ家に入ってこようとした姿、目が合い慌てて逃げる様子、妻から聞いた「死ぬんでなく、殺される」のメッセージ。これらから父親は、逃走した男こそがBさんを殺害した人物だと強く思った。警察官に訴えても、当時自殺と結論付けられた父親の無念は察するに余りある。 Bさんの父親も被告への強い怒りの言葉を続け、最後には「一切、謝罪の言葉はいらない。望むのは極刑です」とした。 初公判は検察官による事件の概要、関係者の調書の取調べまでで終了した。事件の残酷性はもちろんのこと、その背景にある罪悪感を感じさせない犯行の様子に心底恐怖心を覚えた。 次回公判では被告人質問が行われる予定となっている。事件時の心情だけでなく、遺族の心痛なる叫びを聞いて被告に悔いる気持ちがあるのか、注目される。 (了。前編から読む) ◆取材・文/普通(裁判ライター)