50代男性 女性よりも老化が早く進行、PFASの影響か 新研究

有機フッ素化合物(総称PFAS)として知られる「永遠の化学物質」が、50代から60代前半の男性の老化を加速させているようだ/Thomas Trutschel/Photothek/Getty Images

(CNN) 新たな研究によると、有機フッ素化合物(総称PFAS)として知られる「永遠の化学物質」が、50代から60代前半の男性の老化を加速させているようだ。

分解に何年も要することから「永遠の化学物質」と呼ばれるPFASは、全米科学・工学・医学アカデミーによると、米国人の約98%の血液中に存在している。

研究では、実年齢ではなく生物学的年齢の指標となる「エピジェネティックな老化」は男性で特に進行していたことが明らかになった。

「PFASへの暴露とエピジェネティックな老化の進行との関連は、50歳から65歳の男性で最も強かった」と、研究の上席著者で中国・上海交通大学医学部の疫学教授リー・シャンウェイ氏はメールで述べた。

「これよりも若い男性と65歳超の男性では、関連は弱く、概して統計的に有意ではなかった」とリー氏は説明する。「女性にも多少の関連性は見られたが、中年男性に見られるものよりも概して小さく、一貫性もなかった」

男性では、PFASの蓄積により、男性ホルモンのテストステロン値が低下し、精子の質がそこなわれ、精巣がんや腎臓がんのリスクが高まる可能性がある。

以前の研究では、女性は妊娠、授乳、月経により、一定のPFASを男性よりも早く排出する傾向にあることが示唆されている。また、閉経後には男女間のPFAS蓄積量の差が小さくなるという。

生物時計の利用

26日にフロンティアーズ・イン・エイジング誌に掲載されたこの研究は、1999年と2000年に全米健康栄養調査(NHANES)に登録された中から無作為に抽出した高齢の男女326人の公開データを使用した。

当時採取された血液サンプルについて、11種類のPFAS化合物の存在が検査され、遺伝子発現を制御するエピジェネティックマーカーであるDNAメチロームも測定された。

研究では、これらのDNAデータを12種類の「エピジェネティッククロック」(生物時計とも呼ばれる)に入力し、被験者の血液などの組織の老化を評価した。

PFASの危険性

1950年代以降、焦げ付きを防いだり、撥油(はつゆ)・撥水(はっすい)性、温度変化への耐性を高めたりするために消費者製品に使われてきたPFAS化合物は、がんや不妊をはじめ、高コレステロール、ホルモン異常のほか、肝障害、肥満、甲状腺疾患など、深刻な健康問題との関連が指摘されている。

ただし、今回の結果を受けても「パニックにならないことが大切だ」とリー氏は言う。「我々の研究は関連性を示したものであって、因果関係を証明するものではない。PFASへの暴露は広範囲に及んでおり、完全に回避しようとすることは現実的ではない」

リー氏は続けて「それでも、実現可能な範囲で暴露を減らすことは合理的な対策になるかもしれない。たとえば、認証済み浄水器を使用する、地域の水に関する勧告に従う、防汚・耐油素材との接触を最小限にするなどがある」と述べた。

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