モルドバ議会選挙で親欧米与党が過半数維持 ロシア反発「数十万票奪われた」

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 ウクライナの隣国モルドバで行われた議会選挙で、EU加盟を掲げる親欧米派の与党が単独過半数を維持し勝利しました。一方、親ロシア派の野党は選挙の不正を訴えて抗議集会を呼び掛けていて、混乱が広がる懸念も出ています。

大統領「欧州への道進める」

サンドゥ大統領(53) SNSから 「モルドバの人々ははっきりと答えを出した。今回の選挙結果は明白だ。ヨーロッパへの道こそ、私たちが進むべき道なのだ」

 力強く勝利宣言したのは、ウクライナの南に位置する東欧の小国、モルドバのサンドゥ大統領です。

 28日に行われた議会選挙。国民に問われたのは、ロシアとヨーロッパのどちらに軸足を置くかという、国の方針です。

 与党が「EU加盟」、野党「愛国者ブロック」などが親ロシアの姿勢を打ち出すなか、野党が勢力を伸ばせば、モルドバがロシア寄りになります。

 ウクライナは北と東に加え、南からも圧力を受けることが危ぶまれていました。

 選挙管理委員会によると、開票の結果、サンドゥ大統領が率いる与党「行動と連帯」が得票率50.2%で単独過半数を維持しました。

ゼレンスキー大統領 「サンドゥ大統領と話し、この大きな勝利を祝福できてうれしく思う。ロシアの妨害や偽情報は通用せず、モルドバがヨーロッパで勝利した。私たちは常にモルドバを支持し、ともに未来を築いていく」

 ロシアに対抗するヨーロッパの首脳たちも勝利をたたえる共同声明を発表。

フランス・ドイツ・ポーランド 共同声明 「票の買収や偽情報などのロシアによる前例のない干渉があった。モルドバは重要な分岐点において民主主義への献身を明らかにした」

ロシア反発「数十万票奪われた」

 ロシアによる妨害工作が指摘されていた今回の選挙。選挙前には大規模な暴動や偽情報の拡散などで、70人以上がモルドバの治安当局に拘束されています。

 親欧米派勝利の結果を受けて、ロシアのペスコフ大統領府報道官は…。

「ロシア国内に住む数十万人ものモルドバ国民は投票する機会を奪われた。彼らに準備された投票所は2カ所だけで、不十分でした」

 選挙に敗れた親ロシア派の野党を率いるドドン前大統領。「選挙結果は認めない」と述べ、支持者に抗議活動を呼び掛けるなど、反発を強めています。

 今後、サンドゥ大統領はEU加盟に向けた動きを進めていくことになりますが、国内の不安定な情勢は続く可能性があります。

(「グッド!モーニング」2025年9月30日放送分より)


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