揺れる米国債市場、トレーダーは30日のPCE統計を注視
Liz Capo McCormick
- 米長期債利回り、先週急上昇も対EU関税発表受け再び低下
トランプ米大統領による関税計画が物価上昇圧力を強めるとの見方が米消費者の間で広がる中、不安定な市場に翻弄(ほんろう)されている債券投資家は、30日に予定されるインフレ指標の発表を注視している。
先週、トランプ大統領の目玉政策である新たな税優遇措置を盛り込んだ法案が下院で可決され、米財政の先行きに対する懸念が強まったことで、長期債利回りは急上昇。その後、23日にはトランプ氏が欧州連合(EU)からの輸入品に6月1日から50%の関税を課す考えを示し、関税を巡る緊張が再燃。債券利回りは再び低下した。
26日はメモリアルデーの祝日のため米市場は休場となる。今週の経済指標で最も注目されるのは、米金融当局がインフレ指標として重視する4月の個人消費支出(PCE)価格指数で、30日に発表される。
そのほか主な統計は27日に発表される4月の米耐久財受注や5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、29日の4月の中古住宅販売成約指数と1-3月(第1四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値、30日の5月のミシガン大学消費者マインド指数など。
アルファシンプレックス・グループのチーフストラテジスト兼ポートフォリオマネジャー、キャスリン・カミンスキー氏は「今年の債券相場は利回りが大きく変動し、非常に読みづらい展開が続いている」とした上で、「インフレを含め、さまざまな点でより明確な見通しが求められている」と指摘した。
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原題:Treasury Traders Enter Abridged Week With Inflation Top of Mind(抜粋)
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