藤あや子、愛車を初披露!「孫に譲りたいと思えるほど、最高のクルマです」と、評する超高性能車とは? 愛車遍歴にも迫る!

前編では、歌手の藤あや子さんがプジョー「306カブリオレ」を手に入れ、自由に行動できるクルマのよさを実感したところまでをお伝えした。 後編では、現在の愛車にいたるまでの歴史を振り返る。 「プジョーの後に、短い期間ですが銀色のサーブ『900』のカブリオレにも乗りました。おしゃれなクルマという評判で、周囲で少し流行っていたんですね。ただ、同じようなタイミングで山梨に別荘を持つことになったんです。少し標高の高い山道を走るということで、今度は4WDということになりました。それで、角張った形のジープの『チェロキー』を選びました」 角張った形のチェロキーとは、1984年から2001年まで生産された2代目のジープ・チェロキーだ。 「あるとき、撮影の現場に男性のスタイリストが新しい、丸っこい形のチェロキーに乗って来たんですね。え、これいつ出たの? って、もうひと目惚れで真似っ子して買いました」 こうして藤あや子さんは、2代目と3代目のチェロキーを乗り継ぐ。 「チェロキーは2台とも黒。山梨の別荘ではひとりで詩を書いたり、作曲をしています。東京で歌の仕事をした後に高速で山梨に向かうドライブが、気持ちを切り替える大切な時間でした。冬になると家のまわりがアイスバーンになるんですが、チェロキーはタイヤさえスタッドレスに履き換えればとても安定していたので、頼りになる相棒という感じでしたね」

2台のジープ・チェロキーで4輪駆動のパフォーマンスに感心した藤あや子さんは、ここからSUVに乗り続けることになる。 「いま17歳の孫が幼稚園か小学校の低学年だったときに、私が迎えに行くことがあったんです。そうしたら、駐車場に見たこともないようなエレガントなクルマが停まっていました。ネイビーのボディに白い屋根がとても優雅でで、“これ欲しい! どこのクルマ?”と、思って尋ねたら、『レンジローバーイヴォーク』だと教えてもらいました」 藤あや子さんの記憶では、初代レンジローバーイヴォークが日本に導入された直後だったというから、おそらく2012年の出来事だったはずだ。 「イヴォークでいいなぁと思ったのは、ボディカラーや内装の素材などをオーダーできる点ですね。深いネイビーのボディと白い屋根の組み合わせは完璧に真似っ子させていただいて、インテリアはベージュ系。細かいところまで自分の好みに誂えていただいて、このときにクルマを自分仕様に仕立てる楽しさを覚えました」 レンジローバーイヴォークもとても気に入っていたという藤あや子さんであるけれど、2019年に大きな転機が訪れる。 「保護猫のマルくんとオレオちゃんを飼うようになって、だったら猫科だからジャガーだろうということになったんです(笑)。それでジャガーを見に行ったんですが、サイズ感や全体の雰囲気がイヴォークに近くて、これだと買い替える意味がないかもしれない……と、感じたんです。でもすっかりジャガーを買う気満々になっていたし……、というところで、父が憧れのクラウンを手に入れたときのことを思い出しました。私の憧れってなんだろう? と、自分に問いかけたら、『マセラティだ!』と。いつかはマセラティに乗りたいと思っていたんですが、“いつ乗るのか? いまでしょ!”ということになって、マセラティを見に行くことになりました」 当時、マセラティのSUVということだと、「レヴァンテ」の一択だった。ただし、マセラティのディーラーの担当者は、間もなく「グレカーレ」というややコンパクトなSUVがラインナップに加わることを藤あや子さんに説明したという。 「マセラティのディーラーには黒いレヴァンテのトロフェオが展示してありました。素敵だと思ったんですが、ちょっと大きすぎていかついから、グレカーレのほうがいいかなぁ、と、思ったんです。イヴォークと同じで全部オーダーメイドできるので、ボディは黒にして、赤い挿し色を入れて少し女性っぽくしたり。ただし、オーダーしてから1年は待つということだったので、その間はレヴァンテのモデナに乗っていることになったんです」


Page 2

こうして、憧れのマセラティとの暮らしが始まった。 藤あや子さんが購入したレヴァンテは、1914年創業のイタリアの名門がはじめて送り出したSUV。モデナは、フェラーリと共同開発した排気量3.0リッターのV型6気筒ツインターボエンジンを積むスポーティなグレードだ。 「レヴァンテに乗ってみると、意外と大きさにもすぐ慣れて、エンジンの音も格好いいし、気に入ってしまったんですね。1年後に待ちに待ったグレカーレがやって来たんですが、乗ってみると、レヴァンテのエンジンのほうがいい音だったし、オーディオもレヴァンテのほうがよかったかしら? と、思うようになってしまい……。それで、グレカーレに数カ月乗ったところで、『やっぱりレヴァンテのトロフェオに乗りたいです』と、わがままを言ったんです。ただしその時点でレヴァンテは生産が終わっていて、日本中探してもらってやっと見つかったのがこのトロフェオです」 白いボディに赤い内装という華やかなカラーコーディネイトのレヴァンテ トロフェオを前に、藤あや子さんは「ものすごく気に入っていて、生涯このクルマでいい! と、思っています」と、きっぱり言い切った。 トロフェオが積むV8ツインターボもフェラーリの息がかかったエンジンで、「とにかくいい音なんですよ」と、藤あや子さんは相好を崩す。 「以前、知り合いに乗せていただいたロールス・ロイスが白いボディに赤い内装で、このコーディネートはエレガントで素敵だなぁ、と、思っていたんです。たまたま見つかったレヴァンテがその組み合わせで、こういうめぐり合わせもあるんだなぁ、と、感じています。このクルマに乗って17歳になった孫娘とふたりで旅行に行くなど、最高に気に入っています」 孫娘を助手席に座らせて官能的なV8サウンドを響かせるとは、なんとカッコいいことか! 「お孫さんが免許を取ったら藤さんが助手席に座るのも素敵ですね」と、話を振ると、「ちょっと怖いけど、でもずっと乗り続けて孫に譲りたいと思えるほど、最高のクルマです」と笑った。 父上のクラウンを運転することからスタートした藤あや子さんのクルマの歴史は、今度はレヴァンテでお孫さんに引き継がれるかもしれない。 「これからは電気自動車の時代だと言われていますが、好き好んでV8エンジンのクルマに乗るもの私らしいかなぁ、と、思ったりします」 確かに白いマセラティ レヴァンテ トロフェオは、藤あや子さんにぴたりとフィットしているように見える。 やはりクルマはただの移動の道具ではなく、乗り手の人となりや人生観を表現するものなのだ。

GQ JAPAN
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: