米国債市場、10年債利回りが4%に低下するとの見方が強まる

Edward Bolingbroke

  • 米10年債利回りが向こう数週間で4%に低下する動きに備えヘッジ
  • 金融当局者が早期利下げを支持していると受け止められた

米国債市場で、10年債利回りが4月以来の水準まで低下すると見込むオプション取引が拡大している。米金融当局者のハト派的発言や中東情勢の緊張が背景にある。

  こうした取引は、米10年債オプションで8月限のコール(買う権利)が中心。現在4.3%程度の米10年債利回りが向こう数週間で4%に低下する動きに備えたヘッジとなる。

  実現すれば、トランプ米大統領による4月2日の高関税発表後に市場が混乱して以来最も低い水準となる。米国など主要国の財政支出を巡る懸念が高まった5月には一時4.6%を超えており、大幅な反転となる。

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  ヘッジの動きを後押ししたのは、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事やボウマン副議長(銀行監督担当)など米金融当局者が、早ければ7月の利下げを支持しているように受け止められたことだ。

  これに先立ちパウエルFRB議長は先週、関税が経済に与える影響を見極める中で追加緩和には忍耐が必要だと示唆しており、24日に行われた下院金融委員会の公聴会の証言でもそうした姿勢を示した。

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  ただ市場は追加利下げを織り込みつつある。金利スワップ市場では、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合に向け約4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが見込まれている。ボウマン副議長の発言前の織り込みはほぼゼロだった。

  また年内残り4回の会合で計60bpの利下げが見込まれている。1週間前は45bpだった。

  6月の米消費者信頼感指数が予想外の低下となったこともオプション取引を支え米10年債利回りは4.3%を下回った。

  こうしたオプション関連の主な動きは、20日と23日に集中していた。トランプ氏がイランとイスラエルの停戦を発表する前の利回り低下局面だった。

原題:Bond Traders Boost Bets That US 10-Year Yield to Dive Toward 4%(抜粋)

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