【Just TALK】「皆さんも、家に帰ってビールを飲んでください」。ベン・ガンター[日本代表]
ベン・ガンターがプレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。
7月4日、東京・秩父宮ラグビー場。新設のネーションズチャンピオンシップの初戦でラグビー日本代表の先発フランカーとして、イタリア代表を27-10で制した。世界ランクで2つ上回る10位の相手を倒し、最大の殊勲者としてたたえられた。
「日本代表が(大会に)ただ参加しているだけではなく、本物の強豪だと示したい。イタリア代表を倒したい。(今季は)ベテランと若手のアイデアが混ざり合っている。コンディションを整え、いまの日本ラグビーがどんなものなのかを見せられるのが楽しみです」
事前合宿のうちからそう決意していた背番号6は、7点先行の後半7分にトライ。インゴールエリアへ身長190センチ、体重120キロの巨体をねじ込み、連続攻撃の仕上げをした。直後のゴール成功で24-10とリードを広げた。
何より守りで光った。
後半25分に途中交代しながら、タックル成功数を両軍最多の19に伸ばした(世界中の主要なゲームのデータを網羅する『RUGBY PASS』調べ)。上腕、肩、腰の力で、迫る走者をストップさせまくった。
オーストラリアから来日10年目の28歳は、ミックスゾーンに現れるや日本語で「ごめんなさい」。日常会話は問題ないものの、インタビューは誤解なく伝えるよう英語を用いる。その場に通訳担当者が訪れたところで、対応を始めた。
コリジョンの強さでチームを前に出した。公式スタッツによると18タックル。チームNo.1の数値だった。(撮影/松本かおり)——勝利への思いは。
「イタリア代表は本当に強いチーム。日本代表がいい功績を残せました。本当に、これ以上、幸せなことはありません」
——前半5分にあっさり先制されながら、立て直しました。
「冷静さ、集中力を保てました。去年であれば頭を下げて落ち込んでいたかもしれませんが、今年はしっかり前を見てプレーできました。チーム全体として自信が高まっていて、行動を通して信頼(関係)を築き上げてきました」
——日本代表はずっと動き続けていました。前半17分にはボールを持たない選手の献身で数的優位を作り、トライを決めています。
「チームのために動くオフ・ザ・ボールは世界一の長所です。(スローガンの)『超速ラグビー』とはお互いのためにハードワークすること」
肝を冷やした場面は、あった。
14点リードの後半16分頃だ。向こうの連続攻撃のさなか、イタリア代表のキーマンであるインサイドセンターのトンマーゾ・メノンチェッロへ突き刺さった瞬間である。