米PCE価格、6月前年比+2.6%に加速 前月比+0.3%

米商務省が31日発表した6月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.6%上昇し、前月の2.4%から加速した。ニューヨーク市内の生鮮食品店で15日撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon/File Photo)

[ワシントン 31日 ロイター] - 米商務省が31日発表した6月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.6%上昇し、前月の2.4%から加速した。関税引き上げで物価が一部で上昇、下半期に物価上昇圧力が高まるとのエコノミスト予想を裏付けた。

前月比は0.3%上昇、ロイター調査によるエコノミスト予想も0.3%上昇だった。5月は0.1%上昇から0.2%上昇に上方修正された。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比2.8%、前月比0.3%上昇した。前月は前年比2.8%、前月比0.2%上昇だった。医療費や金融サービス・保険のコスト上昇などが押し上げ要因となった。

個人消費支出は前月比0.3%増、エコノミスト予想は0.4%増だった。

フィッチ・レーティングスの米国経済調査責任者オル・ソノラ氏は「連邦準備理事会(FRB)は足元のインフレ動向を歓迎しないだろう。インフレは目標に向けて収束するのではなく、明らかに乖離(かいり)している」と指摘。「この道筋は、9月または10月の連邦公開市場委員会(FOMC)でのFRBによる利下げ観測を複雑にする公算が大きい」と述べた。

財(モノ)の価格の伸びは1月以来の大きさとなった。家具や家庭用機器、その他の耐久財も1.3%上昇し、伸びは2022年3月以来の大きさとなった。前月は0.6%上昇だった。レクリエーション用品、乗用車は0.9%上昇。前月の横ばいから伸びは24年2月以来の大きさとなった。衣料品、靴類は0.4%上昇した。

ガソリンやその他のエネルギー製品の価格は0.9%上昇。過去4カ月連続下落から反転した。

サービス価格は0.2%上昇。4カ月連続上昇となった。

エコノミストは、関税による圧力と労働市場の減速が、第3・四半期の個人消費を抑制すると予想。インフレ調整後の個人消費は0.1%増にとどまり、成長鈍化がすでに進行している可能性を示唆した。

貯蓄率は4.5%と横ばい。個人所得は0.3%増だった。

ネイションワイドの金融市場エコノミスト、オーレン・クラチキン氏は「6月の数字とこれまでの上方修正により、第3・四半期の個人消費はかなり弱いものになると予想される」と指摘。「賃金の伸びが抑制されているため、年内は消費者は引き続き割引を求めるだろう」と述べた。

A line chart titled "Annual change in US Personal Consumption Expenditures Price Index" that compares two key inflation metrics over the past five years.A column chart titled "Monthly change in core US Personal Consumption Expenditures Price Index" that tracks the metric over the last year.

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