マリフアナは不安やその他の精神疾患を緩和せず、科学者たちが新たに分析

マリファナは多くの精神疾患に効果がないとする研究が最近発表された/Mario Tama/Getty Images via CNN Newsource

(CNN) 既存の権威ある研究を2件分析した結果、医療用または嗜好(しこう)用マリフアナを様々な精神疾患の症状緩和に用いても効果がないことがこのほど明らかになった。

医療用マリフアナには、カンナビジオール(CBD)やデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)を含む製品が含まれる。THCは、マリフアナに含まれる陶酔感をもたらす成分。

「マリフアナが処方される主な理由である不安、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に、いかなる形態のマリフアナも有効であるという証拠は見つからなかった」。豪シドニー大学マチルダ精神保健・薬物使用研究センターの博士研究員、ジャック・ウィルソン氏はそう述べている。

ウィルソン氏は、15日に医学誌「ランセット精神医学」に掲載された研究論文の筆頭著者。この論文は1980年から2025年の間に発表された54件のランダム化比較試験の結果を分析したものだ。

「これらの研究で投与された大麻由来の医薬品はカプセルやスプレー、オイルなどの経口製剤がほとんどだった」「現実には、人々は通常、大麻を喫煙して使用しており、精神衛生に対するその有効性を示す証拠はさらに少ない」(ウィルソン氏)

ウィルソン氏によるとマリフアナ使用は、神経性食欲不振症、双極性障害、強迫性障害(OCD)、統合失調症などの精神病性障害といった他の精神疾患の改善にも効果がなかったという。

専門家によると、マリフアナに関する研究は小規模なものが多く、実施が難しい場合もある。しかし、ランセット誌の研究を構成したランダム化比較試験は研究の絶対的基準だと、米コネティカット州ニューヘイブンにあるエール大学大麻・カンナビノイド科学センター所長のディーパック・シリル・デソウザ博士は述べている。

ランセット誌の研究には関与していないデソウザ氏は、最近米医師会雑誌JAMAに掲載された論文の筆頭著者であり、その論文でもCBDとTHCの天然および合成形態が精神疾患に及ぼす効果について検討している。

「これら2本の論文は、精神疾患の治療に大麻や大麻由来物質の使用を推奨する根拠が全くないことを明確に示している」「にもかかわらず、米国のほぼすべての州が精神疾患に対する医療用マリフアナの使用を承認している」(デソウザ氏)

利点よりも危険性

専門家によると、効果を示す証拠はほとんどないにもかかわらず、精神疾患の治療目的での医療用および嗜好用マリフアナの使用は増加している。ウィルソン氏によれば、米国とカナダの16歳から65歳までの約27%が医療目的でマリフアナを使用しており、「その約半数が精神疾患の管理に使用している」という。

「有効性の証拠がないにもかかわらず、医師は精神疾患の治療に医療用マリフアナを処方し続けている」「さらに、大麻業界はこれらの研究の一部と関係がある。これは利益相反であり、研究結果に影響を与える可能性がある」(ウィルソン氏)

専門家は、特に脆弱(ぜいじゃく)な人々にとって、強力なマリフアナの常用は危険だと指摘する。妊娠中、思春期、青年期にマリフアナを使用すると、脳の発達を阻害する可能性がある。うつ病や双極性障害などの気分障害を抱える10代や20代の若者によるマリフアナの多量使用は、自傷行為、自殺未遂、死亡のリスク増加と関連付けられている。

「例えば、高濃度の大麻を毎日使用する人は、大麻を一度も使用したことのない人に比べて、統合失調症や双極性障害などの精神疾患を発症するリスクが6倍も高くなる可能性がある」と、デソウザ氏は付け加えた。

今日の大麻はより強力で依存性が高い

問題の一因として、今日の大麻に含まれるTHCの含有量が、1970年代の約4%から現在では平均18%から20%にまで急上昇していることが挙げられる。デソウザ氏が明らかにした。

「現在では、THC含有量が35%の大麻を販売店で購入することも可能だ」「ニコチン濃縮物と似たマリフアナ濃縮物のTHC含有量は80%だ。これは60年代から70年代の大麻のTHC含有量の約20倍に相当する」(同氏)

高濃度のマリフアナは、依存症の増加にも寄与している。米疾病対策センター(CDC)によると、米国ではマリフアナ使用者の約3割が、マリフアナ依存症の医学用語である大麻使用障害を抱えているという。

マリフアナに代わる選択肢

専門家によると、精神的な健康問題には、効果が実証された治療法が存在する。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、うつ病や不安症に対する一般的な薬物療法だ。

またこれらの症状に対する主要な心理療法には認知行動療法(CBT)があり、しばしばSSRIと併用される。認知行動療法は目標指向型で、否定的な思考や行動を変えることで感情のコントロールや気分の改善に焦点を当てる。

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