明白オフサイド見逃された東福岡、選手権敗退も審判団には矢印向けず「一瞬の隙が出た」「サッカーなので仕方ない」

16強敗退となった

[1.2 選手権3回戦 東福岡高 2-2(PK4-5) 興國高 駒沢]

 東福岡高(福岡)は1点リードの後半アディショナルタイム、明白なオフサイドを見逃される誤審で同点ゴールを決められた。PK戦の末に16強敗退が決まった試合後、選手や監督はやりきれない気持ちを抑えながら「一瞬の隙が出た」などとコメント。大前提として興國高(大阪)に非はなく責められるようなものではない中、審判団にも矢印を向けず懸命に結果と向き合っていた。

 同点ゴールが生まれたのは後半40+3分だった。興國高(大阪)のロングスローの2次攻撃からFW笹銀志(1年=神戸U-15)がクロス。これをファーサイドからFW徳原天仁(1年=RIP ACE SC)が頭で合わせると、ゴール左へ流れてきたボールを笹が押し込んで土壇場で2-2とした。

 ただ、徳原がヘディングした瞬間に笹はプレーの流れでゴールラインを越えてピッチ外にいた。競技規則ではプレーの流れでゴールラインを越えている選手について、オフサイドの判断をする際には「ゴールライン上にいた」と見なすことが決まっている。  そのため徳原が触れた瞬間に「東福岡の2選手以上がゴールライン上にいる、もしくは同ラインを越えてピッチ外にいる」場合のみ、笹はオフサイドラインと同一レベル扱いでオンサイドとなる。しかしこの事象では東福岡の全選手がゴールラインよりもピッチの内側にいたため、疑いの余地がないオフサイドポジションだった。  ところが副審はオフサイドと判定せず、ゴールを認めるアクションをした。一斉に東福岡の選手がオフサイドをアピールする中、主審は副審のもとへ駆け寄ったものの判定の変更はなし。場内の大型スクリーンにリプレイ映像が流れたたため東福岡側のオフサイドアピールが強まって場内も騒然としたが、VARを導入していない全国高校サッカー選手権では審判団が映像を確認できないためゴールが認められた。  今大会では他の試合でもオフサイドとみられる状況でゴールが認められる事象が複数あった。ただ、今回は得点者が明らかにピッチから離れていたため他の“疑惑”とは性質の異なるオフサイド事案。副審の視点ではゴールネットで視界を遮られて得点者の存在を確認しづらかった可能性もあるが、他の審判員が「得点者はピッチ外にいた」という事実さえ掴んで助言していればオフサイドに修正できたはずだった。

 また、徳原の折り返しに頭で触れようと試みた東福岡FW齊藤琉稀空(3年=福岡BUDDY FC U-15)に当たってから笹へ繋がったものと審判団が認識したことでゴールになった可能性の指摘もある。だが、齊藤は体勢を整える余裕がない状況だったため、仮に触れていたとしても競技規則上の「意図的なプレー」にはあたらず、依然としてオフサイドが成立したとみられる。

 さらにそうした理由でオフサイドにしない場合、主観的な判定になるため副審がゴールラインとタッチラインの交点にとどまって主審とアイコンタクトや直接協議することが一般的。今回は副審が得点を認める合図の「ハーフウェーライン方向へのダッシュ」をすぐにしており、この点の疑いはなかった可能性が高い。  東福岡の平岡道浩監督はゴール直後に大型スクリーンで流れたリプレー映像を見た感想として、「クロスを上げてから(得点者は)ゴールラインを越えていたしキーパーも前に出ていた(ためオフサイドラインはゴールラインよりもピッチの内側)。(オフサイドの)パーセンテージは随分と大きいなとは思っている。確認作業をしてもらいたかった」と心境を吐露。ただ試合後の映像確認はまだしていないことを明かし、詳しい言及は避けながら「サッカーなので仕方ないです」と受け止めていた。  選手たちも同様に判定への不満や批判的な意見は述べなかった。3年生は高校サッカーの終わりを迎える形になったが、試合終了直後の挨拶ではピッチに立っていた11人全員がしっかりと審判団と握手していた。  主将を務める齊藤は2失点目の場面について「クリアミス」と自身のプレーを悔やみ、「自分たちは一瞬の隙がこの1年間を通して多かったので、それがこの場で出たのかなと思う」と反省を口にした。さすがに結果を受け止めきれないチームメイトもいたようだが、「終わったことだからしょうがないと声をかけました」と齊藤。結果に向き合いながら、強い悔しさを大学サッカーでの飛躍に繋げていく考えだ。

 また、この試合で1ゴールを決めたFW山口倫生(3年=福岡U-15)も「自分たちで生まれた一瞬の隙を興國さんが見逃さなかっただけ」と話し、「オフサイドとも言われているけれど、自分たちがしっかり準備してやることをやっていれば抑えられた失点だった」。外部にベクトルを向けることはしなかった。

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