キャットフードから重金属、99%で鉛検出 農薬やプラスチック関係の化学物質も 米調査
「ナチュラル」や「優れた栄養価」をうたう商品にも有害物質が含まれていた/Cris Cantón/Moment RF/Getty Images
(CNN) 市販のキャットフードを対象にした米国の新たな調査で、検査したほぼ全ての商品から、プラスチック由来の汚染物質や除草剤グリホサート、鉛や水銀、ヒ素などの重金属が検出された。調査結果はCNNに独占提供された。
報告書をまとめた米コロラド州の非営利団体「クリーンラベル・プロジェクト」のモリー・ハミルトン事務局長は、「大半の猫はほぼ毎日同じものを食べており、食事内容が変わることは少ない」と指摘する。この団体は消費者向けの製品に汚染物質が含まれていないか検査し、基準を満たした製品を認証する取り組みを行っている。
ハミルトン氏は「こうした汚染物質に継続的にさらされると、生涯を通じて猫の体内に蓄積する可能性がある」と説明。「例えば、慢性腎臓病は高齢の猫に多い死因の一つだが、腎臓は重金属をろ過するうえで重要な役割を担っている」と述べた。
2日に公表された分析によると、有害物質はウェット、ドライ、エアドライ、フリーズドライの全てのタイプのキャットフードで検出された。「ナチュラル」や「優れた栄養価」をうたう商品も例外ではなかった。
ハミルトン氏はCNNの取材に、「猫の飼い主の間では、良質な原材料を使った高価なフードなら健康に良いと考え、上質な肉や有機野菜、よりクリーンな原材料表示の商品を選ぶ人が増えている」「ただ、必ずしもそうとは限らない」と指摘した。
クリーンラベル・プロジェクトは今年2月、ドッグフードについても同様の分析を公表。人間の食べ物の3~13倍の重金属が検出されたと明らかにしていた。鉛やカドミウムへの曝露(ばくろ)は、犬の死因で最も多いがんとの関連が指摘されている。
重金属は土壌や水、大気に自然に存在するが、農工業や鉱業による汚染が原因で食品への混入が増加、拡散することがある。報告書によると、プラスチックなどに由来する汚染物質も製造工程で食品に混入する可能性があるという。
消費者製品の安全性を追求する非営利団体「トキシックフリー・フューチャー」の科学部門責任者、ライアン・ババディ氏は「全体としては、妥当な方法で行われた分析だと見受けられる」と評価した。
ババディ氏は「大手小売業者はサプライヤーに対し、ペットフードや包装から有害な化学物質を排除するよう求めていく責任がある。他の多くの製品では、こうした化学物質はすでに段階的に廃止されるか、使用が禁止されている」と指摘する。ババディ氏は今回の調査に関わっていない。
キャットフードメーカーの業界団体「ペットフード・インスティテュート」はCNNに寄せたメールで、ペットフードメーカーは食品安全や品質保証に関わる包括的なプログラムを導入していると説明した。
ペットフード・インスティテュートのエリス・フェニグ最高経営責任者(CEO)によると、その中には「原材料の規格やサプライヤーの検証、検査手順、追跡管理システムのほか、製品の安全性と栄養価、品質の安定性を確保するための科学的な予防措置」も含まれる。
「猫の飼い主の方々には、愛猫に与えている食べ物が安全で、厳格な規制や品質基準に従って製造されていると安心して頂きたい」(フェニグ氏)
99%のサンプルから鉛を検出
今回の調査では、売れ筋のキャットフード100商品を対象に、鉛やヒ素、カドミウム、水銀、殺虫剤、除草剤、人間の死亡リスク上昇との関連が指摘されるプラスチック可塑剤「フタル酸エステル」など、122を超える汚染物質について検査した。
62ブランドのキャットフードのうち99%から鉛、96%からカドミウム、94%からヒ素が検出された。汚染の程度はウェット、ドライ、エアドライ、フリーズドライといった商品のタイプや、鶏肉、牛肉、魚などのたんぱく源によって異なっていた。
カドミウムは人間では発がん性物質に分類され、腎臓や骨に悪影響を及ぼす。鉛が体内に蓄積すると、ほぼ全ての主要な臓器系がダメージを受ける。土壌や水に含まれる無機ヒ素も、人間に対する発がん性が認められている。
ドライのキャットフードに含まれる鉛は、ウェットやエアドライのおよそ3倍だった。人間にとって鉛の「安全な水準」は存在せず、とりわけ子どもは影響を受けやすい。成人の場合、鉛の吸収率は10%程度だが、子どもでは最大50%に達し、発育の遅れや知能指数(IQ)の低下、多動、イライラを引き起こす可能性もある。
ハミルトン氏の話では、猫などの比較的小さなペットの場合も、大型ペットに比べ吸収量が多いが、ペットフードに含まれる汚染物質を規制するルールはほとんどない。「安全基準がないからといって、その汚染物質が安全というわけではない。既存の指針の多くは家畜を対象としたもので、子猫や15歳の飼い猫は想定されていない」という。