【来週の円相場】円買い継続へ、中東情勢警戒で140円割れのリスクも

日高正裕

来週の円相場は上昇が見込まれている。イスラエルによるイラン空爆で地政学リスクが高まっており、リスク回避の円買い・ドル売りが続く可能性が高い。

◎三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト

  • 予想レンジは140-145円
  • イスラエルによるイラン空爆で、目先はこれまでドルのサポートラインになっていた142円割れが意識される
  • 原油先物は既にイラクの米大使館員の退避命令を受けて上昇していたが、為替相場の反応が遅れていたので、その分値動きが大きくなる可能性がある
  • 中東情勢の悪化でドルは下値を試す展開、140円割れのリスクがある
  • 日本銀行の利上げは一段と遅れる可能性があり、その点は円安要因でドルの支えになる

◎東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジスト

  • 予想レンジは141.50-145.50円
  • イスラエルによるイラン空爆で地政学リスクが高まり、ドルの上値トライのハードルは一段と高まった
  • 物価統計の改善を受け米連邦準備制度理事会(FRB)がハト化するとの見方も強く、ドル売り圧力につながっている
  • ただ、日本の輸入企業による実需のドル買いが入っており、140円を割り込んでドルがどんどん売られるとは見ていない
  • 投機筋の円買いポジションも歴史的水準に積み上がったまま、せいぜいその水準を維持するか、解消する方向だろう
ドル・円 午前11時13分時点

週間予想

(ブルームバーグ為替レート予想モデル)

1ドル=140円54銭-145円64銭 1週間物予想変動率 12.8750% 1週間物リスクリバーサル 1.4300%の円コールオーバー

主な予定

  • 16日:G7首脳会議(加アルバータ州カナナスキス、17日まで)
  • 17日:日銀の金融政策決定会合の結果発表、植田和男総裁会見
  • 18日:米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表、パウエルFRB議長が会見
  • 19日:イングランド銀行(英中銀)が政策金利を発表
  • 19日:米休場(奴隷解放記念日「ジューンティーンス」の祝日)
  • 20日:5月の全国消費者物価指数(CPI)
  • 20日:日銀金融政策決定会合議事要旨(4月30日・5月1日分)
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