国民民主幹部「ぶれてない!」街宣で声合わす 玉木氏「古い批判なら、いっぱいしてくれ」
国民民主党は21日夜、JR新橋駅前のSL広場で街頭演説を行い、首相指名選挙を巡る過程での同党のスタンスについて「ぶれていない」と強調した。玉木雄一郎代表は「この政策ならこの政党、あの政策ならあの政党で組めばいい。それを『ぶれた』とかなんとか…古い政治の視点で批判するなら、いっぱい批判してくれ。生活が良くなるなら、堂々と批判を受けたい」と語った。
高市首相は玉木氏「かわいい弟」
国民民主は同広場を「聖地」に位置付けており、臨時国会召集に合わせた街宣には数多くの支援者らが駆け付けた。
各党との連立協議が本格化する前、玉木氏は10日にX(旧ツイッター)で「内閣総理大臣を務める覚悟がある」と宣言した一方、立憲民主党が呼びかけた野党統一候補に乗ることも、公明党が離脱した自民党が呼びかけた連立交渉にも乗ることはなかった。
首相指名選挙を終え、国民民主党の玉木雄一郎代表(右)のもとを訪ねた自民党の高市早苗総裁=21日午後、国会内(成田隼撮影)街宣に先駆けて、高市早苗首相が国会内で国民民主会派に訪れた際、ベテラン記者が玉木氏に対し「玉木氏、きょうが最後の晴れ姿だから」と心ない言葉も投げかける場面もあった。
一方、64歳の首相は56歳の玉木氏について「何いってんのよ。かわいい弟に」とフォローし、ベテラン記者をけん制してみせた。
現政権は「現役世代を元気にする視点不十分」
玉木氏は街宣で、各党の連立協議を振り返って「テレビでもいろいろ報道され、心配をかけたかもしれないが、私たちはまったくぶれていません」と声を張った。
「国民のためにベストの答えを一緒に出せる政党と組んでいく。ときによって相手は変わるかもしれない。それをぶれているという人がいるかもしれないが、ぶれていない」と強調。
「国民にとって一番必要な政策を進めるパートナーと組めばいい。この政策ならこの政党、あの政策ならあの政党で組めばいい」と述べ、政策ごとに各党と連携していく考えを訴えた。
自維政権に対しては「協力するところはしっかり協力していきたい。ともに日本を良くしていく志は同じだと思う」と述べ、「現役世代を元気にする視点は不十分だ。推進力に欠けている所はわれわれがエンジンに追い風になる」と語った。
榛葉氏も伊藤氏も「ぶれてない」
榛葉賀津也幹事長も一連の連立協議について「周りはぐるぐる回っていたけど、玉木雄一郎氏も国民民主党も全くぶれていない」と強調。
街宣活動を終え記念撮影する国民民主党のメンバー=21日午後、東京都港区ある評論家が玉木氏について、昨年12月に自民、公明と合意した「年収103万円の壁」引き上げやガソリン税の暫定税率廃止に固執していると否定的な見方をしたと指摘し、「どんな立派な評論家から『小さな政治』といわれようとも、約束を必ず成し遂げたい」と語った。
伊藤孝恵参院国対委員長も「いろいろな報道で『ぶれた』とか『へたれ』とか言われてる。何にもぶれていない」と声を張った。
国民民主は新人の割合が多く政党として政治経験を踏む必要性を指摘し、現時点で「玉木氏を借り物の政権で総理にするのはもったいない。榛葉氏を借り物の官房長官にするのは、もっともったいない」と指摘した。(奥原慎平)