「トランプ級を建造する」…米「戦艦回帰」に対する中国の反応(ニューズウィーク日本版)

ドナルド・トランプ大統領が12月22日、新型の「トランプ級」戦艦を建造すると発表したことについて、中国の海軍専門家が見解を示した。 【動画】中国船が垂れ流す人糞が南シナ海の底に堆積 戦艦建造はトランプが22日の演説で打ち出した「黄金の艦隊(ゴールデン・フリート)構想」構想の一環で、造船能力で中国に大きく後れを取った米国が、海軍規模の優位を取り戻すのが目標だ。 中国海軍は艦艇数で既に世界最大とされ、米国に代わって西太平洋での優勢を確立することを目指している。 トランプはフロリダ州の私邸マール・ア・ラーゴで、トランプ級戦艦について「史上建造されたどの戦艦よりも速く、大きく、そして圧倒的に100倍も強力だ」と述べた。 歴史的に「戦艦」とは、厚い装甲と大口径砲を備えた大型艦を指し、第2次世界大戦期に最盛期を迎えたが、その後は空母や巡航ミサイルの台頭によって主役の座を退いた。米国は1990年代初頭までに、最後に残っていたアイオワ級戦艦をすべて退役させている。 新たなトランプ級艦には、極超音速ミサイル、電磁砲(レールガン)、高出力レーザー、核巡航ミサイルが搭載される予定だが、いずれも海軍では現在も開発段階の技術だ。

中国共産党系メディア「環球時報」の取材に対し、中国人民解放軍海軍軍事学術研究所の研究員、張軍社は、トランプ級は大口径砲を主武装としたかつての戦艦とは異なる、新しいタイプの軍艦になるとの見方を示した。 一方で、大型艦艇に共通する課題にも言及した。環球時報は張の発言として、船体が大きく、弾薬や先端兵器を集中的に搭載する場合、「脆弱性が高まり、攻撃されやすい標的になり得る」と伝えた。 さらに張は、米国の造船業の現状を踏まえると、そもそもこうした艦艇計画が実現可能なのか疑問が残るとも指摘した。 「造船業の再活性化を狙った構想という側面もあるだろうが、実際に成功するかどうかは今後を見極める必要がある」と述べている。 海軍が立ち上げた「ゴールデン・フリート」専用ウェブサイトによると、トランプ級は全長840〜880フィートでアイオワ級とほぼ同規模だが、排水量はアイオワ級の4万8000トンに対して3万5000トンとされている。 中国が重点的に投資してきた迎撃困難な極超音速ミサイルやドローン群といった技術の進展を背景に、空母など大型水上艦の長期的な実用性を疑問視するアナリストもいる。 トランプは記者団に対し次のように語った。

ニューズウィーク日本版
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