#スターウォーズ 主演【ペドロ・パスカル】中年でスターに。亡命と母の死を乗り越えた奇跡の遅咲き #マンダロリアンアンドグローグー
「ハリウッドの奇跡」と称される遅咲きの成功を収めたペドロ・パスカル。『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』(日本公開中)では、“ベビーヨーダ”ことグローグーの愛らしさが話題をさらったが、ここでの彼の魅力は、子を守り育てるヒーロー役だ。
シャネルのアンバサダーとしてタキシードシャツを着こなす本人の愛称も「ダディ」。理想のお父さんのような包容力とハンサムなおじさまの色気、その両方を含むニュアンスだ。ただし、現在50代のペドロ本人は結婚歴のない独身貴族。『スター・ウォーズ』での寡黙な戦士の役柄とは対照的に、人懐っこいキャラクターで知られている。
「ハリウッドの奇跡」と称される遅咲きの成功を収めたペドロ・パスカル。『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』(日本公開中)では、“ベビーヨーダ”ことグローグーの愛らしさが話題をさらったが、ここでの彼の魅力は、子を守り育てるヒーロー役だ。
シャネルのアンバサダーとしてタキシードシャツを着こなす本人の愛称も「ダディ」。理想のお父さんのような包容力とハンサムなおじさまの色気、その両方を含むニュアンスだ。ただし、現在50代のペドロ本人は結婚歴のない独身貴族。『スター・ウォーズ』での寡黙な戦士の役柄とは対照的に、人懐っこいキャラクターで知られている。
INDEX
October 18, 2005 photo:Getty Images
奥深い二重性が魅力のペドロ・パスカルは、恵まれながらも悲劇的な人生を送ってきた。生まれは1975年のチリ。当時の前大統領の親族にあたる医師家庭だったものの、軍事政権下の混乱の中、亡命に追い込まれた。
アメリカのテキサス州に移住したパスカル家は経済的にも成功。児童心理学者の母が働くあいだ映画館に預けられていたペトロ少年は、映画に夢中になっていった。11歳のころカリフォルニアの保守的な地域に越していじめられていくと、演技にのめり込み、両親の反対を押し切ってニューヨークの大学の芸術学部に進学。
1990年代、ニューヨークで初めての経済的苦労を経験している最中、事件が起こった。不妊治療医の父親が関わっていたクリニックで女性たちの卵子が不正利用されていた容疑が浮上し、両親と幼い妹、弟がチリへ戻ることを余儀なくされた。
それから5年ほど経ち、LAで小さな役をもらえるようになっていた20代なかばの頃、父と離婚していた母が自ら命を絶った。急いでチリへ向かったペドロは、祖国の美しさを前に、人生観が変わるほどの悲しみを覚えたという。「最愛の母を亡くして自分の人生は止まってしまったのに、なぜ世界はこんなにも美しく進んでいくのか」
photo:Getty Images
打ちのめされたペドロは、馴染めていなかったハリウッドを離れ、ニューヨークへ戻った。もう若くない身として介護士の道も考えていたものの、家族や友人、近所の人々の援助を受けながら、地方の舞台を巡業していったという。
40代を前にした初のブレイクも、友情から生まれた。すでに有名俳優になっていた大学時代の親友、サラ・ポールソンがオーディションのテープをプロデューサーの妻に送ってくれたのだ。
こうして、社会現象となっていたファンタジーTVドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン4(2014)にて、復讐に燃えるプレイボーイのオベリン役に就任。少ない出番で番組をさらってみせた。
世界にペドロ旋風が起こったのは中年のころ。『スター・ウォーズ』シリーズから人気ゲームの実写化『THE LAST OF US』(2023〜)、マーベルの『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)まで、怒涛のスピードでビッグタイトルの看板をつとめていった。
俳優としてのペドロの武器は、長年の舞台経験でつちかった身体性にある。『マンダロリアン』(2019〜)では、ほとんど顔を見せない全身装備でありながら、その佇まいだけで彼が演じているとわかるほどだ。
ペドロを主演に抜擢したクリエイター陣が語る魅力には、奥深い二面性がある。たくましいオーラと繊細さが宿る目、観客を圧倒する迫力と庇護欲をそそる愛らしさ。こうした持ち味が発揮されるのは、得意のお父さん役だけではない。新作ラブコメ『マテリアリスト 結婚の条件』(2026年5月29日公開)では「ニューヨークで一番モテる」独身貴族役に説得力を与えながら、絶妙な悲哀も同居させている.
ペドロ本人は、自身の人生について「罪悪感と義務感」のふたつを挙げている。30人以上にのぼるチリの親戚のなかで、アメリカに移住できたのは彼の一家だけ。恵まれた立場にいることの罪悪感を親から受け継ぎながらも、自由に育ててもらえた息子として感謝を義務のように感じてきた。
有名になった今も、子どもを持たなかったぶん、関わる人々への配慮に尽くしているという。深い悲しみを感謝の気持ちに変えてきたペドロ・パスカル。結局「奇跡」の遅咲きを果たした理由も、親友のサラ・ポールソンが言う通りなのかもしれない。
「ペドロは、とにかく成功してほしい、って思わせる人なのよ。それこそ大スターの証ね」
セレブリティや音楽、映画、ドラマなど、アメリカのポップカルチャー情報をメディアに多数寄稿。著書に『アメリカン・セレブリティーズ』(スモール出版)
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