ロシアがウクライナに発射、弾道ミサイル「オレシュニク」とは(CNN.co.jp)

オレシュニクは準中距離弾道ミサイル(MRBM)である可能性が高く、これまでの使用実績から射程は約960キロから1600キロと推定されている。ただ米国防当局は24年11月に発射されたオレシュニクを「中距離弾道ミサイル(IRBM)」とみなした。これは彼らがミサイルの実際の射程について、4800キロを超える可能性もあると考えていたことを示唆する。 ミサイルが発射されたとみられるロシアの基地カプースチン・ヤールから、今週の標的となったリビウまでの距離は約1440キロ。 オレシュニクの特徴は、本体のミサイルから複数の独立した弾頭を落下させる能力だ。極超音速で飛行するミサイルとは別に、最大6基の「複数個別誘導再突入体(MIRV)」を搭載し、それぞれに4~6個の弾頭を搭載できる。MIRVはそれぞれ特定の目標に照準を合わせることができるため、1基の弾道ミサイルでより大規模な攻撃を行うことが可能になる。

オレシュニクとは「ハシバミの木」を意味する。これは、複数の弾頭が燃え盛る光の筋となって地上に落下する様子に由来する。ウクライナ人は最初に発射された1発を「杉」と呼んでいた。 米当局者は、このミサイルは08年に初めて開発された「RS26ルベーシュ」ミサイルの進化型、あるいは基本的なコピーである可能性を示唆している。 ロシアと米国は、中距離核戦力全廃条約(INF条約)の更新をめぐって争っている。この条約は、中距離弾道ミサイル(IRBM)を全面的に禁止し、欧州大陸における核搭載可能ミサイルの脅威を軽減することを目的としている。米国は19年にこの条約から正式に脱退した。 ロシアが24年に初めてオレシュニクを発射したのは、当時のバイデン政権がウクライナに対し、米国から供与された長射程ミサイル「ATACMS(アタクムス)」をロシアに向けて発射することを承認した数日後のことだった。


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オレシュニクは、ほとんどの最新ミサイルよりも高速で、推定時速約1万3000キロで飛行する。軌道は大気圏を抜けて急上昇し、その後急降下。降下中に複数の弾頭がそれぞれ個別のの標的を狙う。そのためウクライナが保有する防空システムでは、このミサイルを阻止することはほぼできない。 この種のミサイルは核弾頭を搭載するように設計された。希少かつ高価であり、冷戦時代を彷彿(ほうふつ)とさせる。 オレシュニクはこれまで通常爆弾しか搭載していないが、その速度と能力から核の脅威を想起させるクラスのミサイルとなっている。24年末の初使用前には米国への通知が行われている。これは核兵器の発射と誤認されることがないよう配慮した措置だったと考えられている。 24年11月にドニプロに向けて発射された最初のオレシュニクの残骸とされるものを調査したウクライナの専門家は、昨年初めにCNNに対し、このミサイルは最新の回路を採用していないと指摘。大きな技術的進歩も見られず、既知の設計と要素に依存していると述べていた。

ロシアが核兵器搭載可能なミサイルをリビウに向けて発射したことは重大な問題だ。リビウは北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるポーランドとの国境から車で1時間の距離。これは史上最大の軍事同盟に対するロシアの大胆な姿勢を示す兆候となる。現在、当該の同盟に対する米国の役割は疑問視されている状況だ。 ウクライナのシビハ外相は9日、X(旧ツイッター)で「欧州連合(EU)とNATOの国境付近でのこのような攻撃は、欧州大陸の安全保障に対する重大な脅威であり、大西洋を横断する共同体にとっての試練だ」と述べた。 EUのカヤ・カラス外交安全保障上級代表も9日、同様の見解を示し、「ロシアによるオレシュニクミサイル使用の報道は、ウクライナに対して状況を明確に激化させる行動であり、欧州と米国への警告を意図したものである」と述べた。 ロシア政府は、今回の攻撃は昨年末にプーチン大統領公邸が標的とされたことへの報復だと主張する。ただ米中央情報局(CIA)は、当時ウクライナは公邸を標的とはしていなかったと評価している。これはロシアの同盟国のベネズエラが米国による攻撃を受け、制裁対象のベネズエラ国旗を掲げた石油タンカーがアイスランド沖で米軍に拿捕(だほ)されたという状況下での、ロシアによる新たな威嚇行為である可能性が高い。敵対国に対し、自国のより広範かつ破壊的な軍事力を思い起こさせる狙いがあると見られる。 ロシア政府の主張によれば、現在多数のオレシュニクが製造中であり、そのいくつかはベラルーシに配備される可能性があるという。こうした主張の狙いは、同ミサイルによって欧州の都市が攻撃に対し無防備になりかねないとの懸念を煽(あお)ることにあると考えられる。

CNN.co.jp
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