「ゴジュウジャー」アクション監督・福沢博文の挑戦 歴代レッドに新たな個性付け、ユニバース戦士の演出秘話
スーパー戦隊シリーズ第1作「秘密戦隊ゴレンジャー」(1975~1977)の放送から50年目という節目の年に誕生した「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」。社会やコミュニティーから外れた5人“はぐれ者”が、神秘なる存在「テガソード」に導かれ、どんな願いでも叶えられる指輪「センタイリング」の争奪戦に挑む。同作のアクション監督を務める福沢博文がインタビュー応じ、刺激的な要素を組み込んだゴジュウジャーのアクション演出について語った。
【動画】「ゴジュウジャー」激アツ!座談会 話題の第1話を最速振り返り!
「ゴジュウジャー」に導入した“打撃エフェクト”
「ゴジュウジャー」第1話は、根は善良でありながら不愛想で人当たりが悪いため、アルバイトをすぐクビになってしまう青年・遠野吠(冬野心央)が、テガソードに導かれてナンバーワンを目指す戦士・ゴジュウウルフに変身し、ブライダンから人々を守るために戦うという筋書き。アクション面で目をひいたのは、ゴジュウウルフが兵士アーイーにパンチやキックを食らわせた際、まるで格闘ゲームのような静止画による「打撃エフェクト」が加えられた画面だった。
ADVERTISEMENT「インパクトがあったとしたら、嬉しいですね。スーパー戦隊シリーズを毎回やっていて、いつもたいへんなのは、第1話で“今年の戦隊はこういうアクションを見せますよ”といったキャッチーな表現を入れ込んで、観る人に強い印象を残してもらえるよう考えをめぐらせることなんです。歴代のシリーズでもっとも成功したな、インパクトあったなと思えるのは、『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002~2003)の“超忍法・影の舞”です。もう、影の舞が凄すぎて、なかなかあれを越えるアイデアが出てこないって思うくらい。特別すごいアクションをやっているとかではなくて、あの画がバン、と出ただけでハリケンジャーの戦いだなってわかるじゃないですか。あれを越えるインパクトのある技を毎年考えるのですが、そうそう簡単にひらめくものではないですから(笑)」
「今年の『ゴジュウジャー』では、どんなアクションを入れ込んでみようかと、プロデューサーの松浦(大悟)くんや田崎竜太監督(崎=たつさきが正式)と相談して、アイデアを模索していったところ、松浦くんのアイデアであのゲームみたいな打撃の表現をやってみようということになりました。僕もゲーム世代ではあるので、ああいった格闘ゲームのノリは好きですし、どういう“手”の付け方をしたらああいう風になるか、想像しやすかったですね。打撃エフェクトについては日クリ(日本映像クリエイティブ)さんの仕事になりますので、アクション監督としてはゴジュウウルフが格闘戦に入るまでの気持ちのリズムを充分な長さで作り、それらを素材として提供する流れでした」
ADVERTISEMENTゴジュウウルフは「はぐれ狼」というキャラクター設定。野獣のような素早さとしなやかさでアーイーにとびかかっていく一方で、アーイーの攻撃を顔にうけても決してひるまず、じっと立ち止まっている姿がなんとも不敵な印象を受ける。スマートな戦い方ではない、アウトロー的なケンカ・ファイトこそがゴジュウウルフの持ち味だといえる。
「ゴジュウウルフには、『あしたのジョー』の矢吹丈のようなイメージがあり、それは田崎監督も同じだったので、ああいうやさぐれた態度を取ってもらいました。強さを表現したいというのはもちろんありますが、正面から攻撃を受けても気持ちが絶対に折れない。殴られたとしても、それがどうした、みたいな要素がゴジュウウルフにはふさわしいのではないかと思って、ああいう動きを入れてみました」
独自性を持たせたユニバース戦士の戦い方
本作で注目を浴びているのは、第1話&第2話でクワガタオージャー(「王様戦隊キングオージャー」)、第3話ほかでドンモモタロウ(「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」)、第7話でティラノレンジャー(「恐竜戦隊ジュウレンジャー」)と、歴代スーパー戦隊各作品のレッドが、まったく新しい設定を与えられて「ユニバース戦士」となってストーリーに深く関わってくることだ。ユニバース戦士は、テレビ放送されていた過去のスーパー戦隊でのヒーローとほぼ同じ外見をしながら、設定などは本作のためにリニューアルされ、まるで初登場キャラクターのような印象を受ける。ユニバース戦士たちの「過去作とは異なる」戦い方について、福沢アクション監督はいかなる取り組み方をしているのか。
「ユニバース戦士の特徴は、以前の作品とは“変身者”がまったく違うという部分にあります。変身前の人物が必ず出てきて、独自の発言や行動をしますから、彼らがセンタイリングでヒーローの能力をどう扱うかっていう話なので、以前のレッド戦士とはどうしても変化をつけなくてはいけません。ドンモモタロウになる熱海常夏は、総理大臣という設定。人を動かす立場であるので、犬、猿、キジといったお供を敵に向かわせて、自分はそれを見ながら指示をするというスタイルなんです。それだけだと、ヒーローとしてどうなんだってことになるので、一応は動きますが(笑)。このように、台本が上がってきて『こんど出てくるのはこんなユニバース戦士です』というのがわかって、そこからアクション面の動きを作っていく段取りです」
ADVERTISEMENT「最初に松浦くんから言われたのは『以前の作品のキャラクター設定を、あまり引きずらないようにしてください』ということ。これがかなり悩みどころで……。これまで、僕自身もいろいろなレッドを演じてきました。『このレッドはこういうものだ』という固定観念があり、いろんなバックボーンが存在する。根強いファンの方々も、各ヒーローにバックボーンがあったからこそ、好きになったんだと思いますし、それを完全になくして、新しいキャラクターのように作り変えたら、どんな風に受け止められるのか、心配なところがあったんです。しかし、今回試みているのは、歴代の戦隊ヒーローがこれから先もずっと『現役』キャラクターとして生きていけるように、完全リニューアルを施さなければならないってこと。今年は50周年ですけど、何周年とか考えることなく、ユニバース戦士が今後のさまざまな作品に登場してもおかしくないよう、消えずに残る存在にしたいわけなんです」
福沢がスーツアクションを務めた「侍戦隊シンケンジャー」(2009~2010)のシンケンレッドは、刀(シンケンマル)を肩にかついで無理に力まないポージングが持ち味だった。変身前の「殿様」こと志葉丈瑠のストイックなキャラクター性との相乗効果で、現在でも根強いファンが多く存在している。今後、ユニバース戦士として登場するであろうシンケンレッドもまた、あのころのシンケンレッドと別な、独自の戦い方が求められるのだろうか。
ADVERTISEMENT「ちょっと怖い気もしますね。昔からシンケンレッドを知っているファンから『裏切られた』と思われる危険性もありますから……。この作品に出てくるシンケンレッドは志葉丈瑠ではなく、新しい変身者の個性を活かして動きを組み立てるものなので、人が変われば違う動きになるのは当然なんですね。ただ、ドンモモタロウは形こそ違うものの、お供(折り紙)を使うという属性は受け継いでいたりするでしょう。もともとの戦隊レッドの個性を少し残したりする場合も、まったくないわけではありません。台本に書かれたキャラクターのアイデアがまずあって、それを観ている方たちに画として伝える際、どれだけインパクトを与えられるかが、演出を行う立場での勝負だと思っています」
50年の間に、スーパー戦隊ではレッドだけでも膨大な数の戦士が活躍してきた。「ゴジュウジャー」ではそれらすべての戦士のアクションに変化をつけ、独自性を持たせようと考えているようだ。改めて、ものすごい構想だと思える。
「もちろん、前もって全員分のアイデアを考えておくなんてこと、できませんからね。毎回の台本を読んで、次はこの戦士が来るのかと確認した上で、その都度アクションを作っていく形になります。やっていくうちに、もうアイデアがない、尽きてしまった……となってしまう可能性もあります。そうならないようにしますけど(笑)。先ほど話していたシンケンレッドにしても、もしもあのシンケンレッド像を壊すとしたら、演じた本人である僕が適任なんだろうなって思うんです。それだけの覚悟をもって、取り組んでいます」
ADVERTISEMENT本編監督とアクション監督の分業
「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」メインビジュアル - (c)テレビ朝日・東映AG・東映1年間の連続テレビドラマでは、4~5人、あるいはそれ以上の本編監督が2本持ちでローテーションを組むのが通例となっている。アクション監督の福沢にとって、一緒に作品を作り上げる監督が変わると、演出方法にも違いが出てくるのだろうか。
「やり方は変わらないですが、ご一緒する監督の持ち味、個性が違うので、その人の好みに合わせたり、ドラマの展開に沿ったアクションを組み立てることがあります。各監督の個性について、僕個人では“週刊マンガ雑誌”のイメージで捉えているんです。中澤(祥次郎)監督は『少年サンデー』っぽいですし、田崎監督は『少年チャンピオン』的。渡辺(勝也)監督は熱いドラマを好みますから『少年マガジン』で、スギ(杉原輝昭監督)は、チャレンジ精神旺盛で突き進んでいく『少年ジャンプ』かな。加藤(弘之)監督はギャグで攻めるから『コロコロコミック』。そうやって考えると、自分の中で監督の方向性がつかみやすい。あくまでも僕の中での受け止め方です(笑)」
ADVERTISEMENTまた、福沢はアクション監督と同時に「仮面ライダーギーツ」(2022~2023)や「仮面ライダーガッチャード」(2023~2024)などでは本編監督も務めている。アクションのみならずドラマ全体を演出するにあたり、福沢が心かけていることとは。
「アクション監督をやっているときから、キャラクターの気持ちの流れがどっちからどっちへ飛んでいくのか、言葉のやりとりをするのと同じように動き方を考えていました。ドラマのすべてを演出するほうが、そういったキャラクター同士の気持ちの流れを作りやすいというのは、確かにあります。本編監督とアクション監督の分業でいくと、ほんとうはヒーローの変身前と変身後で、気持ちを持続させていかないといけないはずなのに、通過点であるべき『変身』を撮ってしまって、そこで盛り上がって完結してしまうことがあるんです。理想的なのは、変身前の気持ちを保って、静かに歩きながら変身し、だんだん気持ちを高ぶらせていって敵との戦闘状態に入る……みたいな、自然な流れにすること。自分が監督をするときは、キャストの芝居の部分からアクションシーンへと、スムーズに移行していくようこだわっています」
「また、本編監督をやると、現場でふと、こういう動きをやったら面白い、自然だなと思いついたとして、それを自分の判断ですぐ採用できるという強みがあります。分業だと、いまこんなこと思いついたんですけど……と言って、そのたびに打ち合わせをしなければなりませんし、準備するものをどうするかとか、手間がかかりますからね」
ADVERTISEMENT最後に、「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」の最も注目してほしいポイントを訊いてみた。「変身前の5人の初々しい姿、それが最大の見どころです。彼らのフレッシュな芝居をみんなで楽しんで、ゴジュウジャーを存分に愛してください!」(取材・文:秋田英夫)
「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」
最高最強のナンバーワンを目指し、子どもたちに圧倒的な人気を誇る動物や恐竜=獣(けもの・ジュウ)をモチーフにした5人のヒーローが活躍する物語。脚本は「仮面ライダーガッチャード」の井上亜樹子、演出は「仮面ライダーガッチャード」「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」などの田崎竜太が担当する。
「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」テレビ朝日系にて毎週日曜午前9時30分~放送中
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今年もファッション界最大の祭典「メットガラ」が、現地時間2025年5月5日にニューヨークのメトロポリタン美術館で華やかに開催された。毎年、斬新な衣装やトレンドの発信地として世界的な注目を集める、まさにファッションの最先端を象徴するイベントである。
今年のメットガラでは、ルイ・ヴィトンのグローバルアンバサダーを務めるBLACKPINKのリサをはじめ、サブリナ・カーペンター、ヴァレンティノの装いを組み合わせたアメリア・グレイといったセレブリティたちが、大胆な"パンツレス"ファッションでレッドカーペットに登場し、大きな注目を集めた。太ももがあらわになるボトムスにストッキングやシースルー素材を合わせるこのスタイルは、現在のファッショントレンドを色濃く反映していると言えるであろう。
しかし驚くべきことに、この最先端とも言えるトレンドを、約10年も前にすでに自身のスタイルとして確立していた人物がいた。セレブリティーライフスタイルプロデューサーとして活躍する叶恭子である。
ADVERTISEMENT叶恭子の公式インスタグラムには、現在の"パンツレス"ファッションを彷彿とさせる、ハイレグのボトムスに黒のストッキングをコーディネートした自身の写真が投稿されている。その圧倒的な存在感と時代を先取りしたスタイルは、10年の時を経た現在においても全く色褪せることがない。時代がようやく追いついたのか、叶恭子の先見の明には驚かされるばかりである。常に時代の先を行く彼女のファッションに対する鋭敏な感覚は、改めて評価されるべきであろう。
メットガラで披露されるファッションは、時にその大胆さで人々を驚かせるが、それこそがファッションの持つ表現の自由さであり、新たな可能性を示唆するものである。叶恭子は、常にその可能性を身をもって示し続けている稀有な存在と言える。
今回、メットガラで"パンツレス"ファッションを披露したリサやサブリナ・カーペンター、アメリア・グレイらが、10年前の叶恭子のスタイルから何らかのインスピレーションを得ていたとしても、決して不思議ではない。今後も、叶恭子が生み出す唯一無二のスタイルと、その確固たる美学から目が離せない。(編集部:下村麻美)
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横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の11日放送・第18回に、染谷将太演じる天才絵師・喜多川歌麿が初登場。放送を前に、染谷がコメントを寄せた。染谷にとって大河ドラマへの出演は「武蔵」(2003)、「龍馬伝」(2010)、「江~姫たちの戦国~」(2011)、「麒麟がくる」(2020~2021)に続いて5度目となる。
喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見いだし、東洲斎写楽を世に送り出し“江戸のメディア王”として名を馳せる蔦屋重三郎(横浜流星)の生涯を追う本作。蔦重の生涯を語るうえで欠かせない存在である喜多川歌麿(染谷将太)が、第18回「歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)」で姿を見せる。歌麿は、幼い頃、絵師・鳥山石燕(片岡鶴太郎)のもとで絵を学び、その後、蔦重と出会う。蔦重が洒落本、黄表紙、狂歌本と次々と新たな出版物を手がけていく中で、挿絵の仕事などを任され、自らの画力を磨いていく。やがて寛政の改革で時代が変わると、蔦重と浮世絵の美人画を仕掛け、その才能を一気に開花させる。美人画は江戸で大評判となり、人気絵師の地位を確立していく。
ADVERTISEMENT「麒麟がくる」では織田信長にふんし、大きな反響を呼んだ染谷。5度目となる大河で演じる、美人画で江戸に旋風を巻き起こした天才絵師・喜多川歌麿について、染谷は「絵から感情というか、色気のようなものがにじみ出ているなというのは、学校の教科書で見た時から感じていました。他の美人画と比べても、その作品で描かれる女性が何を考えているのかわからない不思議な絵を描かれる方だなと。作品を見れば見るほど、謎が深まるという印象です。今回演じる歌麿も、ふとした瞬間に何を考えているのか謎な部分のあるキャラクターだと思います」と抱いていたイメージを語る。
歌麿にとって、蔦重はどんな存在なのか?「一緒に作品を作っていくのが素直に楽しいっていうのが一番大きくあると思います。むちゃぶりされたり、雑に扱われたりというのも時にはありますが、作品として形になった時の蔦重のうれしそうな姿や二人でやり遂げたっていう達成感にすごく喜びを感じるんだと思います。それが本当に蔦重の魅力、プロデューサーとしての力ですよね。役者として、色々大変なことがあっても、作品がいいものになるとすごくうれしいので、歌麿の気持ちはよくわかります」
そして、撮影現場の雰囲気について「江戸の活気みたいなものが現場の活気として流れていて、元気が出ます」と語り、「(蔦重を演じる)流星くんは、ずっと出番があって本当に大変だと思いますが、蔦重として生きて、走り続けていて、その背中を見て自分も現場に引き込まれています。絵師・作家のみなさんもキャラが濃くて、歌麿として、いつも特等席で、みなさんの演技をすごく魅力的だなと思って見ています」と満喫している様子だ。
第18回は、蔦重(横浜流星)は北川豊章(加藤虎ノ介)の長屋を訪ねると、捨吉(染谷将太)と名乗る男に出会う。その頃、朋誠堂喜三二(尾美としのり)の筆が止まる事態が起こり……というストーリーが展開される。(編集部・石井百合子)
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人気アクションシリーズ第8弾『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の来日記者会見では、キャスト陣が自身のキャラクターの前作からの変化について語る際、トム・クルーズが笑いながら「話し過ぎないで! みんなが映画を観なくなっちゃうよ」とたしなめる一幕があった。
会見にはトム、クリストファー・マッカリー監督に加え、第3弾『M:i:III』(2006)からベンジーを演じているサイモン・ペッグ、前作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』で初登場となったパリス役のポム・クレメンティエフ、グレース役のヘイリー・アトウェル、ドガ役のグレッグ・ターザン・デイヴィスが出席。彼らは自身のキャラクターの変化や劇中のチームの関係性について聞かれ、一人ずつ話すことになった。
ADVERTISEMENTサイモンが「ものすごく満足した!」という今回のベンジーの役割について説明すると、トムは「ストーリーを話し過ぎないで! みんなが映画を観なくなっちゃうよ(笑)」と心配して阻止。グレースの変化について丁寧に語るヘイリーの言葉は黙って聞いていたものの、パリス役のポムが話し出そうとすると「ねえみんな、僕たちはみんなに映画を観てもらわないといけないんだよ?」とあらためて注意。「わかってる、言い過ぎないわ」と請け合ったポムは、「彼女は一匹狼だったけど、今回は他のキャラクターたちとのシーンが増える。ミステリアスに言ってみた」とちゃめっ気たっぷりに語った。
ターザンはドガ役について、「彼のように、イーサン(トム)は正しいのだろうかと公然と疑念を表明するキャラクターは今までいなかったと思う。本作では、彼がどちらに付くか決断を下すことになる……どこまで言っていいのかわからないよ!(笑) ナーバスになっているよ!(笑)」とネタバレに目を光らせているトムに動揺。
サイモンが「大丈夫、もう僕が漏らしちゃってるし」と励ますと、ターザンは「インタビューで何と言えばいいんだろうとナーバスになった時、いつも『言い過ぎちゃったら、トムが現れて僕を捕まえに来るよ』ってジョークを言っていたんだけど、今は彼がこの場にいるから『黙れー!』って首を締められちゃうよ」とくしゃくしゃの笑顔で続け、チームの仲の良さをうかがわせた。
ADVERTISEMENTまた、サイモンは今年が、彼が初めて『ミッション:インポッシブル』シリーズの撮影をしてから20年の年ということにも言及。トムも「『ショーン・オブ・ザ・デッド』(サイモン主演の2004年のゾンビ映画)を観たんだ。それで“オーマイゴッド。彼はすごく才能がある”と思った。だから『ミッション』に参加してほしかった。一緒にやろうよ! ってね(笑)。彼が撮影現場に来た最初の日、僕たちは3ページにわたるモノローグを彼に渡した。ちょうど書いたところだったんだ」と昨日のことのように語る。
サイモンも「そう、撮影の朝にもらってね。それはトムとヴィング(ルーサー役のヴィング・レイムス)に初めて会った時で、ドアからセットに入ると『OK……これは現実のことなんだね』って(笑)」とシュールだったという初の大作参加を振り返る。トムが「彼がセリフを言っている最中にも書き変えていたんだ(笑)。彼は素晴らしかった。その最初の瞬間から。ドラマもコメディーも演じられる彼の能力、そして素晴らしいチームプレイヤーであることに僕は敬服している。彼と一緒に仕事ができるのは光栄だといつも思っている。そして……僕たちは彼を愛している」と熱烈に称賛すると、サイモンは「ありがとう、ボス」と照れくさそうに応じた。
さらに「彼は素晴らしい」と続けたトムは、その他のキャストについても「彼らは素晴らしい」とたたえ、「それを観に行ってほしい」とファンに呼び掛けていた。(編集部・市川遥)
映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は5月23日より全国公開 5月17日~22日まで先行上映
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映画『サンダーボルツ*』(全国公開中)でエレーナを演じたフローレンス・ピューが、高層ビルの屋上からダイブする冒頭シーンが誕生するまでを、バーチャル記者会見で語った。(以下、冒頭の内容を一部含みます)
【動画】ジャージ姿のエレーナ、高層ビルからダイブ!『サンダーボルツ*』本編映像
ロシアのスパイ機関「レッドルーム」でウィドウとして強制的に育てられたエレーナは、“姉”ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウを失い、空虚感を抱きながら任務にあたっていた。冒頭では、マレーシアにある世界で2番目に高いビル「ムルデカ118」の屋上に腰掛けたエレーナが、「あたしはどこかおかしい。すっかり空っぽ。姉の死のせいだと思っていたけど…どんどん広がって…ただ…虚無感(ヴォイド)だけ」と胸中を明かして飛び降りる。
ADVERTISEMENTピューは、冒頭のエレーナについて「ビルから身を投げる=命を絶とうとしている」と解釈したという。「とにかく圧倒されました。彼女がどんな精神状態にあるのか、観客もすぐにわかります。『飛び降りる』という選択そのものが、観客の心をえぐる。あのイメージは、最悪の事態が起きる時しか見ませんよね。だからこそ、彼女が一歩を踏み出すとき、観客の胃がグッと締めつけられる。そんな強烈な感覚を届けられるシーンに関われたことが、本当に嬉しかったんです」
生きる理由を見出せないエレーナは、命の保証がないミッションにも平然と飛び込む。彼女の精神状態は外見にも表れており、普段は戦闘スーツで任務にあたるはずが、冒頭はラフなジャージ姿で屋上からダイブしている。
世界で2番目に高いビルからダイブする冒頭シーン - (C) 2025 MARVEL衣装合わせでは、エレーナが戦闘スーツを着る想定だったが、ピューが自ら待ったをかけた。「そんなはずない。死に場所を探してる人が、防御用のスーツなんて着るわけない、と言いました。そこから議論が始まり、『あえて保護性ゼロのジャージで戦おう』という設定になったんです。もちろん、エレーナはすごいアクションをこなすし、カッコいいこともやるけど、実際は丸腰で突っ込んでいるわけです。それが、『誰かに自分の人生を終わらせてほしい』と思っている彼女の心の闇をリアルに表現するんです」
ADVERTISEMENT会見に同席したジェイク・シュライアー監督は、エレーナのダイブシーンについて、極限の感情を表現しながら身体を張る“物語としてのアクション”だったと補足した。
「このスタントがすごいのは、単に高い場所から飛び降りたという事実ではなく、冒頭のショットがエレーナの顔から始まることです。つまり、最初に観客が目にするのは、エレーナの感情なんです。フローレンスがこれほどまでにエレーナに没頭してくれているとわかっていたからこそ、この演技が実現できたと思っています。彼女はあの瞬間、演技とフィジカル的な挑戦の両方を完璧にこなしました。単なるスタントではなく、演技としてのスタントだったのです」
虚無感と向き合うことになるエレーナ - (C) 2025 MARVELまた、シネマトゥデイのインタビューに応じたシュライアー監督は、ダイブシーンの撮影秘話を告白。「まず、誤解のないように言うと、実際に飛んだのはベースジャンパーです。フローレンス本人は、降下器具でビルの縁から約15メートルほど下に降りています。それでも十分怖いですけどね(笑)」とフローレンス本人が全てをこなしたわけではないと明かす。
また、マレーシアは雷の発生頻度が極めて高い国として知られており「雷が鳴るたびに屋上から降りなきゃならなくなるので、早朝からフローレンスを降下器具で固定して撮りました」とシュライアー監督。ダイブシーンを撮影した後は、地上でビルを爆破する別のシーンも撮ったといい「まさにクレイジーな1日でした」と振り返っている。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
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横浜流星が主演する大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)は、18日に第19回「鱗の置き土産」が放送。あらすじを紹介する。
経営難に陥り店を畳むことにした鱗形屋(片岡愛之助)は、鶴屋(風間俊介)や西村屋(西村まさ彦)らと今後について協議していた。その場で、鱗形屋お抱えの作家・恋川春町(岡山天音)は、今後鶴屋で書くことが決まった。蔦重(横浜)は市中の地本問屋たちの勢いに対抗するため春町の獲得をねらい、作戦を練っていた。
ADVERTISEMENT一方、江戸城では知保の方(高梨臨)が毒による自害騒ぎを起こし、意次(渡辺謙)は事情を探っていた。
「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった、蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ第64作。連続テレビ小説「ごちそうさん」(2013)や大河ドラマ「おんな城主 直虎」(2017)などの森下佳子が脚本を手掛け、NHKドラマ初出演の横浜が主人公・蔦屋重三郎を演じる。語りは、蔦重らを見守る吉原の九郎助稲荷(くろすけいなり)として、綾瀬はるかが担当する。(清水一)
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横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の11日放送・第18回では冒頭に「番組の一部に性の表現があります」というテロップが流れる、異例の注意喚起が行われた(※第18回のネタバレを含みます)。
放送前には染谷将太演じる絵師・喜多川歌麿が初登場するとの告知がされ、視聴者の期待に沸いていた第18回「歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)」。放送が始まると「番組の一部に性の表現があります」というテロップが流れ、SNSでは「なんか注釈出たな」「緊張が走る注意書きだな…」「今まで以上の表現が?」「今さら何を」などざわつき、何を指しての注意書きなのかと注目を浴びた。
ADVERTISEMENT第18回は、世に出回っている「豊章画」と記された絵を目にした蔦重(横浜流星)が、かつて姿を消した唐丸が描いたものだと確信。唐丸の住処を突き止めると、今では捨吉と名乗り男女問わず体を売って暮らしていること、自身の体を痛めつけるような暮らしをしている理由には幼少期の壮絶な過去が秘められていることが発覚。唐丸は、蔦重に母は夜鷹(街娼)で自分は望まれずに生まれた子であり、人別(戸籍)もなく、七つを過ぎると客を取らされていたという痛ましい過去を打ち明けた。幼少期の唐丸を子役の渡邉斗翔が、蔦重と別れたのちの捨吉時代を染谷将太が演じていた。
幼くして客を取らされていたという唐丸の想像を絶する過去に、SNSでは「七つって…」「うそだろ?」「酷い…」「壮絶」「地獄」「ここまで掘り下げるのか」「これは注意テロップ必要だわ」といった声が上がっていた。
また第18回では、蔦重から「居続け」(※吉原で連泊すること)を条件に、新作青本の執筆に励んでいた朋誠堂喜三二(尾美としのり)が腎虚(男性特有の病)に見舞われるエピソードも。病のため筆も進まずにいた喜三二がある晩、体のとある部位が大蛇に化けて暴れまわり、それを斬り落とされそうになる……という悪夢を見る展開となり、CGを駆使したファンタジックな場面が注目を浴びた。
ADVERTISEMENT「べらぼう」では、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴、東洲斎写楽らを世に送り出し“江戸のメディア王”として名を馳せる蔦屋重三郎の生涯を追う中で、病に倒れ若くして命を失う女郎たちの過酷な現実も描写。初回では、亡くなった女郎たちが投込寺で着物をはぎ取られ全裸で重なる姿が物議を醸した。脚本は、大河ドラマ「おんな城主 直虎」(2017)やドラマ「義母と娘のブルース」(2018)、「大奥」(2024)などの森下佳子。なお、本作ではインティマシーコーディネーターの浅田智穂が参加している。(石川友里恵)
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